第三十一話 幹部重役会議 ①
セルビアに【焔のアーツ】を発動して貰い、背中の烙印を焼き直してもらう……
そして、奴隷の証拠を消しさる。
ルドベキアの提案は、全くもって考えてもいなかった物であった。
それでもやはり、俺は今すぐロールライトには帰りたくなかった。
セルビアの静止を振り切って出てきたのに、
『背中の烙印を焼いて欲しくて戻ってきました……』
そんなの自分勝手過ぎるな……と思ってしまう。
「ペリアさん、ルドベキアさん……
やはり今はまだ、ロールライトに帰りたくありません………」
ペリアとルドベキアは黙って俺の話を聞いてくれた。
「今、帰ったとしても俺はセルビアさんに合わせる顔がありません……
検問所で必死に止めてくれた、セルビアさんを無視して俺は……
俺の自分勝手な思い込みで旅立ちました……
なのに、今更背中の烙印を焼いて欲しいので帰還しました……
そんなのってなんか、釈然としません………」
「でもそのうち帰ろうとは思っているんだな?」
「………はい、必ず………」
ルドベキアはその言葉を受け止めてくれた。
そんな時、真っ赤で逆立っている髪型をしているルドベキアの部下が、ドアを開け部屋に入ってきたのである。
「おいっ!ディアルス、ここには来るなと言っていただろうが!!」
ディアルスと呼ばれた男はコクンと頷きながらも、ルドベキアに手紙を渡してきたのである。
「おいおい、後からでもいいんじゃないのか?」
その質問にディアルスは首を横に振りながら、手紙を見ろと合図を送ってきたのであった。
ルドベキアは渋々その手紙を見始め、ディアルスは俺の顔をじっと見て部屋から出て行き、その手紙を読み終えたルドベキアは、セルビアの身に起きた事を話ししてくれたのだ。
「お前のその背中、絶対に誰にも見られるな!!いいな!」
「えっ?」
ルドベキアは受け取った手紙を俺に見せてくれた。
拝啓ルドベキア様
ルークは無事に到着した頃でしょうか?
私はアーツハンター幹部重役会議に呼ばれ、今現在のルークの事について説明をする事になりました。
中でもやはり、ルークが行方不明になった事は、かなり問題視されました。
そして、その会議の中でルークが十五歳になる前に必ず、ロールライトに帰還し私と共にガーゼベルトに赴かなければならなくなりました。
つきましては、それまでに必ず帰還する様お伝え下さい。
敬具
読み終えた俺は、ルドベキアが言っていた言葉がまったく理解できなかった。
「あのこの手紙を見て、なぜ背中……になるんですか?」
「俺たちは、セルビアと秘密の暗号を取り決めている」
「まず俺宛で手紙がきた時は、注意だ。因みに、ペリア宛の時はお願いだな」
「ふむふむ」
「そして、二行目の『ルークは無事に到着した頃でしょうか?』
これは最初の文書ルークが重要になる
注意ルークそして、この文面から考えられるのは、一番見られては困るお前の背中に、あるものしかないだろ?」
「!!!」
「この文章からは、なんとか誤魔化したっぽいが、大丈夫なのか?セルビアは………」
◆◇◆◇◆
セルビアは、ロールライト支部長室で山済みになっていた書類の山を片っ端から整理し仕事に没頭していた。
ルークの事は大変気になるが、セルビア自体はロールライトから出る事が出来ない。
出れない以上、アルディスに一任するしかなかったのである。
だから仕事をしながら、余計な事は考えないようにしていたのであった。
マーシャルは『ガーゼベルト』へと帰り、ギレット爺さんも探し物があるといい旅立ってしまった。
今、現在ロールライトにいるのは、セルビアただ一人だった。
そんなある日、支部長室に幹部の一人警備兵連隊長ユンム・ラブウムが、セルビアの前に現れたのである。
「ユッユンム連隊長………」
ユンムは黙ったまま一通の紙を取り出し、セルビアに向かって読み上げ始めた。
「ロールライト支部長セルビアに命じる……
【黒と白のアーツ】の所持者ルークについて、幹部重役会議を開催する。
よってロールライト支部長セルビアは、ルークの責任者として直ちに『ガーゼベルト』まで出頭し参加するように。
更にその間、ロールライトアーツハンター支部は支部長セルビアが戻るまで無期限の活動禁止とする」
ユンムは一通り読み終えると、紙をポケットの中にしまいこみセルビアの方へと目線を戻し、
「明日の朝、迎えに参ります。
それまでに準備をしておくように……」
「はい……」
「後、この会議の意味、お分かりになられますか?」
「………ルークは二年前に行方不明になりました……
しかし、つい最近戻って来たのにも、関わらず『ラグナロク』に行かなかった……
それが今回の会議重役会議発足の理由ですか?」
「概ねその通りです。
しかし、他にも貴方たちは、私たち幹部にとても重大な事を隠していますよね?」
「と言いますと……?」
「ふふふっ……今は惚けるのもよろしいですわ。
ですが、幹部重役会議ではそのような発言は通用しませんわよ」
そういいユンムは支部長室を、出て行ったのである。
ユンムが出て行くのを確認したセルビアは頭を抱えながら考え込んでしまった。
“どっ……どうしましょ………
幹部に聞かれたら私は、嘘をいう事は出来ませんわ……
今となって、マーシャルの立場も危うい状況ですし、相談は出来ませんわね……
師匠もどこに行ったのかわかりませんし……
そもそも師匠が素直に招集に応じるとは思えないわね……
一層の事、何もかも捨てて逃げ出そうかしら……
いやいや……逃げ出すのはやめましょう……
ルークちゃんの帰る場所が、なくなってしまうわ……
それにきっと逃走防止の為、監視の目もありますし逃げ出すのはもう無理ね……
はぁ………どうしましょ………”
打開策も思い浮かばないまま、ユンムはセルビアを迎えに訪れたのである。
そして、セルビアは支部を一旦休業と書かれた札を玄関先に貼り付けユンムに連れて行かれるがまま、『ガーゼベルト』へと旅立ったのであった。
馬車の中でユンムは一言も話しかける事なく、無言のまま八日間馬車は走り続けた。
『ガーゼベルト』に到着した馬車は、真っ直ぐにアーツハンター協会へと進み、中へと案内されたセルビアは、真っ直ぐ幹部大会議室へと連れて行かれたのである。
幹部大会議室には、
アーツハンター協会会長ローラ・フォン・ミステリア
幹部六人の
警備兵連隊長ユンム・ラブウム
アーツハンター協会副会長シドニー・ラーニア
戦闘隊総司令官マーシャル・フォン・フライム
政治専門館長スカンディス・カール
訓練施設長シグルド・ソグン
アーツハンター専門裁判長ヒルヤン・ゴッド
が待機していた。
司会進行役である訓練施設長シグルドは、セルビアが中に入り真ん中に立った事を確認し協会会長ローラに会議開始の了承を得るのである。
了承を得た訓練施設長シグルドは、
「ロールライト支部長セルビアが到着したようなので、早速幹部重役会議を開催したいと思います」
「一、我々の質問に対して、嘘、偽り、誤魔化しや曖昧な返答を禁じ真実のみ伝えること
一、我々の会話を遮らず聞かれた事のみ、答えること
一、この場で過半数を超えて決定した事は、決して覆る事はないこと
以上三点、ロールライト支部長セルビア、規約により命じます」
「はい……」
まず話は、【黒と白のアーツ】所持者のルークが十歳になった時点で、なぜ、アーツハンター訓練施設『ラグナロク』に入学しなかった事から始まり……
二年間も音信不通でいたルークが、ロールライトに戻ってきたのか。
そして戻ってきたはずのルークがなぜまた、姿を消したのかが焦点となっていた。
政治専門館長スカンディスは、
「そもそも、なぜ二年前に行方不明になったとわかった時、すぐさま我々幹部に報告をしなかった?」
「私はルークが十歳になった時に、確かに『ガーゼベルト』へと出発を見送りいたしました。
行方不明と知らされたのは、ガーゼベルトから発送された報告書で初めて行方不明になったと、言う事実がわかりました。
てっきり幹部の皆様は、もう既にご存知で調査を開始されていると思い、私は指示を待ちました。
しかし、一向に指示はこなかった為、私独自に調査を行うことに致しました」
「その独自の報告とやらだが、我々は受け取ってはいないぞ」
そう切り出したのは、協会副会長シドニーだった。
「その件につきましては、私の判断ミスであります。申し訳ございませんでした」
更に厳しく政治専門館長スカンディスは追求してきた。
「ギレッド・フォン・ゼーケが申請した『メシュガゴロス奪還作戦その壱』
これには、戦闘隊総司令官マーシャル殿自らと、申請者のギレッド・フォン・ゼーケが参加している。
この申請書にも【黒と白のアーツ】の少年は関係しているのではないか!」
裁判長ヒルヤンも頷きながら、更に補足しはじめてきた。
「あのギレットが、こんな申請書を作成する事自体、どう考えてもおかしいだろ……」
そんな会話を聞きながら、戦闘隊総司令官マーシャルは、
「その件に関しましては、報告書を提出したと思いますわ………
『本作戦の目的であった、メシュガゴロスの今の情勢は、『ラグナロク』に抵抗しアーツバスター専用訓練施設を確認、現責任者はドランゴ・サーガ』これだけでも十分な進歩かと思いますけど?」
政治専門館長スカンディスが激しく、机を叩きつけながら怒鳴り散らしてきた。
「ならばなぜ、ドランゴ・サーガから『アーツハンター達は先に先制布告をしてきた、よって我々はアーツハンターに反撃を開始する』等と言う警告文が届くのだ!
戦闘隊総司令官マーシャル殿!貴方は本当に、情勢だけを調べに行ったのか!!!」
「………」
その質問にマーシャルは答える事が、出来ず黙ってしまうのであった。
「答えていただこう……貴方にも我々が決めた規約を、守らなければならないのだぞ!」
「……くっ……」
「その件につきましては、私がお答えしますわ」
そう話しをしてきたのは、協会会長ローラだった。
協会会長ローラが会議中に口を開く事は滅多になく、その言葉一言一言全てに対して決定権を持っており、幹部達に緊張が走る。
「【黒と白のアーツ】の所持者である少年が行方不明になった事で、セルビアはギレットに捜査依頼をしました。
捜査依頼を受けたギレットは直ちに、捜査を開始し【黒と白のアーツ】の所持者の少年が『メシュガロス』に囚われている事を、突き止めました。
しかし、『メシュガロス』に闇雲侵入すれば、それは戦争勃発の引き金になってしまいます。
ですので、相談に乗った私はアーツハンター協会会長として、【黒と白のアーツ】を永遠に失うわけには行かないと判断し、『メシュガゴロス奪還作戦その壱』の申請書を作成するように助言いたしました」
「協会会長ローラ様、失礼ながら質問させて頂きます……
ならばなぜ戦闘隊総司令官マーシャル殿は、その事を話さないのですか!?」
「私の判断で、口外しないように命じました。
戦闘隊総司令官マーシャルはそれに従ったまでですわ……」
「ぐっ………」
そう言われてしまえば、マーシャルの沈黙も頷けてしまい、政治専門館長スカンディスはそれ以上の追求は出来ず、黙り込んでしまうのであった。
訓練施設長シグルドは、別な話へと切り替えたのである。
「それでは、今現在【黒と白のアーツ】の所持者ルークはどこにいるのですか?」
「『水の街ヴァル』にいます」
裁判長ヒルヤンは、すぐにでも連れ戻し今度こそ我々の幹部の監視下に置き、監禁拘束をするべきだと、話を進めてきた。
しかし、それは戦闘隊総司令官マーシャルによって前に、ロールライトにて否決された事を今更蒸し返すべきではないと、言われ黙るしかなかったのである。
【黒と白のアーツ】所持者のルークには、現在ロールライト副支部長のアルディス・ミリシアが側にいると言う事もあり、結論としてヴィンランド領を見て回るのもいい経験になるのでは?
と言う訓練施設長シグルドの提案で可決され、話はまとまったのであった。
但し、十五歳になるまでに必ずロールライトに帰る事という条件で、会議は終わりを迎えようとしていた。
訓練施設長シグルドが会議の終わりを言おうとする時だった……
この会議において一切口を開いていなかった、警備兵連隊長ユンムは立ち上がり先に口を開いたのであった。
「訓練施設長シグルド殿、まだ聞きたい事があります……
会議を終わらせるのは、お待ちいただけますか?」
警備兵連隊長ユンムはセルビアの所へ、ゆっくりと歩み寄りながら話しかけてきた。
「………貴方も戦闘隊総司令官マーシャル殿、そしてこの場にいないギレット……
いえ………【黒と白のアーツ】の所持者ルークに関わった全ての人間は、我々に隠している事がありますわよね、セルビア?」
その言葉を聞いた瞬間、マーシャルは、
“やばい!”
と感じ取りすぐさま意義を唱えようとした。
だが、ユンムの目線がマーシャルの心臓をなぜか一瞬、止め息苦しさという間を与える。
その一瞬をユンムが見逃すはずもなく、セルビアを問い詰めてくる。
「はっきりとお聞きしますわ………
【黒と白のアーツ】所持者ルークの背中には、奴隷の焼印がありますわよね?」
「!!!!」
セルビアの心臓の鼓動は激しく動き出す……
その心音はセルビアに近寄って来る、ユンムに確実に聴こえていた。
そしてそれは疑惑を、確信へと導き出すのである。
他の幹部達に驚きを隠せずざわめく中、警備兵連隊長ユンムはセルビアの左胸に右手を添えながら、顔を見つめ問い詰めてくる。
「答えてください、真実ですか?」
「………」
こうなる事をセルビアは予測していた
予測はしていたが、セルビアはその事について切り抜けられる切り札を、何一つ持ってはいなかった。
だから、会議中一度もその事に触れられる事なく、会議も終わりを迎えようとしていた為、ふとっ気を許してしまった時に、ユンムからの突然の質問にセルビアは、動揺を隠せなかった………
「セルビア………沈黙という事は、認めると判断してもよろしいですね?」
セルビアはユンムの右手から放たれる殺気を、ヒシヒシと感じ取ていた。
ユンムは【心臓のアーツ】というアーツの持ち主である。
その名の通りどんな敵も全て一撃で心臓を奪い取り即死させる事や、苦しみに苛まれながらも殺す事等自由自在に操る事ができるのである。
そして、ユンムは心音で嘘か本当かもわかってしまうと言う、かなり厄介なアーツの持ち主であった。
今……ここでセルビアが答えても、答えなくてもユンムに殺されるのでは?
ならば………
セルビアは全てを覚悟の上で、協会会長ローラの顔をみながら呼吸を整えるのである。
「【黒と白のアーツ】所持者ルークの背中に、奴隷の焼印は………」
「焼印は………?」
ユンムの右手からの殺気が、
まだか!?まだか!?
と待ち構えているかのように、セルビアの心臓目掛けて突き刺さるような感覚を受けながら、
「焼印などそんな物は…………ありません!!!」
「なっ!!!」
セルビアは、はっきりと焼印はないと答えたのだ。
そして更に話を続けてきた。
「警備兵連隊長ユンム様、どのような理由で【黒と白のアーツ】の所持者ルークの背中に、奴隷の焼印があるとおしゃているのか、私にはわかりかねます」
「ふぅ………ふはははははは……
セルビア、貴方は規約を知らないのかしら?」
「どう言う意味でしょうか?」
「我々の質問に対して、嘘、偽り、誤魔化しや曖昧な返答を禁じ真実のみ伝えること………
貴方は今、私の質問に嘘の回答をしましたね?」
ユンムの殺気は遂に待ってました!
と言わんばかりに、セルビアの言葉を待たずに次の行動に移されていた。
セルビアが気がついた時にはユンムの右手には抜き取られたと思われる、セルビアの心臓を持っていたのである。
「!!!」
動揺を隠せないセルビアは、自分の左胸にすぐさま手を当て心音を確認する。
だが、心音がきこえるはずもなかったのである。
「見て御覧なさい、セルビア……
貴方の心臓は、動揺を隠せないままこんなにも激しく動いているのですよ……」
「警備兵連隊長の名の元に、貴方は嘘の証言をしたとみなします……
そして、規約に基づき貴方を直ちに処断します」
ユンムはそう言いセルビアの心臓を握り締めてきたのである。
セルビアはそれに耐えきれず、膝をつき苦しみ始める。
「はぁはぁ……あっ……あぁ………」
その姿を見ながらユンムは更に更にきつく心臓を握りしめつけてくる。
「ぐあっ………!!」
「待ちなさい……」
誰もが、ユンムが導き出した衝撃の事実に驚きを隠せず状況判断に囚われている中、協会会長ローラだけが冷静にユンムを静止してきたのである。
「協会会長ローラ様、なぜ止めるのですか?」
「心音が激しいからと言って、嘘と決めつけるのは早計過ぎるのではないかと、私は思います」
「なっ!!!」
「ユンム……
どうしても真偽を確かめたいと言うのでしたら、【黒と白のアーツ】の所持者ルークが十五歳になった時にはロールライトに帰還するのです。
その時に必ず、アーツハンター協会に来るよう指示を出しましょう。
もし仮に奴隷の焼印があったとして、そう簡単に消える物ではありません。
その時に我々の目の前で確認する、と言うのはどうですか?」
「くっ………わかりました……協会会長ローラ様の言葉通りに……」
警備兵連隊長ユンムは握りしめていたセルビアの心臓を緩め、渋々心臓を身体に戻そうとした時だった。
裁判長ヒルヤンが静止したのである。
「まて、警備兵連隊長ユンム殿」
裁判長ヒルヤンも自らのアーツ【断罪のアーツ】を発動し、斜めになった鋭い刃を上方に作り出し、下の方には動かないように固定された物を作り出し、セルビアの心臓の周りに設置したのだ。
「裁判長ヒルヤン殿、これは?」
「警備兵連隊長ユンム殿……
もし貴方の言う通り、十五歳になったルークが我々の前に現れた時に、セルビアが嘘をついていたとわかったとしよう。
その時この【断罪のアーツ】は、もう一度発動しすぐさまセルビアは処刑される事だろう」
その話を聞いた警備兵連隊長ユンムは、頷きセルビアの身体に心臓を戻したのであった。
「くっはっ!!!はぁはぁ……」
裁判長ヒルヤンは、セルビアをみながら、
「セルビア………私も警備兵連隊長ユンム殿の言うとおり、貴方は嘘をついていると思います……
ですが確かに、決定的な証拠は何一つありません……」
「はぁはぁ……」
「……ですので、今回は協会会長ローラ様のお言葉通りに従います。
ルークと我々が再会した時、貴方の言う事が真実であれば【断罪のアーツ】は発動せず自然と解除する事でしょう……
しかし、真実でないとわかれば規約に基づき私は、裁判長という立場として貴方を処断します。
いいですね……?」
「はぁはぁ……わかりました」
こうして幹部重役会議は、終了したのである。
問題は山済みではあった。
それでも、セルビアはなんとかこの場を切り抜ける事が出来たのである。
会議はそのまま終了し解散となった。
セルビアはマーシャルと会話をしたかったのだが、どこで誰が聞いているのかわからなかった為、そのままガーゼベルトを出て、ロールライトへと戻る事にしたのである。
セルビアは、その帰り道自らの心臓の鼓動を感じながら帰路に着き、ロールライトについたセルビアは早速ルドベキア宛に手紙を送るのであった。
こうして、俺は十五歳になるまで、後三年……
それまでにロールライトに帰らなければならないのであった………
しかし、セルビアが死と隣り合わせの状況だという事は、一切知らされずマーシャル以外誰も知らなかったのである。




