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Arts hunter   作者: kiruhi
少年編 ーパラケラルララレ学校ー
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第十一話 ギレッド爺さんの教え方

 ギレッド爺さんは、確かにヴァルヘルム学校に行くと話ししていた。

 なのになぜ、パラケラルララレ学校にいるんだ?


 黒板にギレッド爺さんは豪快に、ギレッド・フォン・ゼーケと書き、

「よろしく!!!俺の事を詳しく知りたかったら、家に帰って親に聞け。大抵それでわかる」


 “大雑把だな〜説明嫌いなのかな?”



「ではまず、自己紹介だな」


 [一・剣]の教室には貴族の子供が五人、平民の子供は俺を含めて五人の、計十人いる。

 まず貴族から簡単に

 《ライト・フォン・ウォルト》

 彼は貴族の中でも、上級貴族で父親は王国の近衛兵隊長であり、将来は父親と同じく近衛兵隊長を目指すべく、剣を覚えたいとの事。

「将来は父と同じように、近衛兵隊長を目指します!!」


 《ラスティ・フォン・ゼクタール》

 貴族の中では中の上あたりで、ライトとは幼馴染である。

 本当は、貴族のみが通う学校に行きたかったらしいが、ライトに無理矢理誘われ、断りきれずにパラケラルララレ学校に入学した。

「えっと…………頑張ります………」


 《ゼーン・フォン・スプリンフレア》

 ライトと同じく上級貴族だが、末子の為跡を継ぐ事は出来ず、父親も彼にはなにも期待していなかった。

 しかし貴族としてせめて剣の道ぐらい極めてほしいと熱望されている。

「親父を見返すぐらい強くなりたいです……」


 《ガイアッ・フォン・ツバィツ》

 平民出の下級貴族で、それなりの野心を持っているらしいが、その理由は不明である。

「……………よろしく」


 貴族の中で唯一の女性

 《リーサ・フォン・ルーベルト》

 彼女はアーツを発動する事が何故か出来ないが、剣の使い手として将来有望されている。

「三歳から剣を握っていました。よろしくお願いいたします」


 そして一般というか平民として

 俺、そして他に

 《ヴァルディア・フォレルーン》

 彼の家は、代々続く歴代の剣士の血を引いている。

 そして10年に一人の剣の天才と呼ばれており、将来は初めての近衛兵隊長になれるのではないか?

 と噂されている。

 しかしそれは、貴族達からしてみれば邪魔な存在であった。

「ギレッド先生よろしくお願いします!!」


 《サン・イノール》

 彼は、何故か剣士になりたかった。親はアーツを使った武器職人である。

 跡をついでくれると期待した矢先に、剣士になりたいと言い、売ってある中で一番高価な剣を持ち出し入学したのである。

「武器職人の息子ですが、剣の事色々教えてください!!」


 《ムーン・ミハアル》

 彼女は、アーツの腕は良く将来アーツハンターになるべく、アーツ学校に入学しようとしてた。

 しかし試験当日高熱が出て試験は受けられず、パラケラルララレ学校に入学。

 なにを思ったのか剣コースを選択した。

「アーツも使えて、剣も使える!そんなアーツハンターになりたいです」


 《ディア・ギオルレス》

 彼女の両親は剣士だった。

 しかし幼い頃にアーツバスターに両親を殺され、育ててくれたのは祖父だった。

 彼女はアーツハンターになりたかったが、祖父はアーツハンターになる事を反対し両親と同じ剣士として、生き抜いて欲しいと話し彼女も納得した。

「力は弱いかもしれませんが、頑張って強くなりたいです!!」



 自己紹介が終わると、ギレッド爺さんはみんなに剣を一本ずつ渡してきた。


『成長の剣』

 それは名前の通り使えば使うほど成長し、進化していく剣である。

 進化には10段階あり、最終形態まで進化した時にはA級剣士ぐらいの力を手に入れる事が出来ると、言われている。



 剣の世界にも階級は存在する。

 もちろんアーツハンターにも……

 共通しているのは、E級から始まりD級、C級、B級、A級、S級、SS級と階級はある。

 そして依頼を達成して行く事で、階級は上がって行き上がれば上がるほど、依頼内容、知名度、そして報酬は高額になって行く。

 因みに、アード、セルビア、アルディスはS級。ギレッド爺さんはSS級である。



「よし、皆剣を受け取ったな。

 俺からの試練をよく聞いておけ」

 ギレッド爺さんはこれからの事を説明した。

 まず、

 一、卒業条件は7段階まであげる事

 これはサボらなければ、さほど難しい問題ではないらしい(C級の剣士ぐらいの力)

 二、進級する時は必ず、一段階上げておく事

 二学年になるには、『成長の剣』を一回進化させなければならない。

 三、他の剣は持たない事

 四、俺の訓練内容に一切苦情を入れない事

 文句があるなら辞めていいと言われた……苦情多そうだな………ギレッド爺さん………

 五、仲間同士、絶対にいじめは禁止、貴族だろうが平民だろうが関係なく、人間関係を築く事

 いじめありそうだな………


「こんな所だな。なにか質問は?」

「何故この『成長の剣』なんですか?」

 ライトは大層立派な剣を持っており、『成長の剣』が気に食わないらしい。

「今、お前達が用意したどの剣よりも、卒業の時に手にする『成長の剣』が優秀だからだ」

 ライトは『成長の剣』を眺めながら

「へぇ〜面白い」

 とやる気を出していた。


「あっ一つ言い忘れた事がある、いじめは必ずわかる。

 そうなれば辞めてもらうからな。」


 と念を押されその日は終わった。




 家に帰るとセルビアもアルディスもいなく、メイドが忙しく仕事をしていた。

 邪魔をしてはいけないと思い、俺は外で『成長の剣』を使いながら素振りを始めた。



 夢中になり数時間が過ぎいつの間にかセルビアとアルディスは帰ってきていた。

「ルーク、腰が入っていないぞ!」

「ルークちゃん、もっと力いれなさい!!」

 等と野次が飛んできた。

 “うるさい!”

 と思ったが、俺はとりあえず幸せな毎日を送っているんだな……

 と感じていた。



「あっそういえばセルビアさん、ギレッドさん俺の担任になりましたよ」

「えっ!!?」」

「パラケラルララレ学校に来てました。

 でも確かヴァルヘルム学校って言ってましたよね?」

「うっうん………どおいうこと?アルディスちゃん!!?」

「さぁ〜俺に聞かれましても………」

「きっきっと、間違えてパラケラルララレ学校に行ってしまってたのですわ!?

 そして面倒だから、そのままパラケラルララレ学校にしたんですわ!!」

「ほぉ〜よく、わかっているな。流石セルビア、その通りだ」


 突然ギレッド爺さんが現れた。

「しっしっ師匠どっどどどどどうしてここに?」


 “セルビアさん……慌て過ぎ…………”


「んっセルビアに会いに来た」

「ひぃぃぃぃぃぃ!!」

 セルビアは逃げたがあっさり捕まり、戻ってきた。

「相変わらずだな、お前は………」

「……………」


 “セルビアさんは、ほんとにギレッド爺さんが苦手なんだなぁ〜”


「まぁセルビアに会いに来たというのは、冗談で。家庭訪問だ」

「家庭訪問??」


 “あっかぶった”

 セルビアもアルディスも疑問になったらしい。


「あぁ家族への、挨拶まわりだ」

「………そして、一軒一軒戦っているのですわね?」

「ふあはっはっはっ!

 そうしてもいいのだが流石に、貴族連中に余計な詮索をされると思って辞めて来た」

「師匠にしては、珍しいですわね」

「うむ、だからお前達で我慢しようかなと………」


 セルビアとアルディスはまたか……と思いながら戦闘体制をとった。

「しかし、今日は辞めとく。

 俺も歳だ、最近疲れやすい」


 “絶対嘘だと思った“

 きっとセルビアもアルディスも……そう思ったのに違いない。



「あっルーク明日は朝の5時に正門前集合だ、遅れるなよ」

「えっ明日ですか???」

 そう言ってギレッド爺さんは俺の返答を聞かぬまま帰って行ってしまった。


 “明日の5時…………早いって…………”




 ◆◇◆◇◆



 次の日、俺はセルビアに無理矢理起こされ、4時30分頃正門前に着いていた。

 まだ日は昇らず少し薄暗かった。

 そして俺よりも早くついていた人がいた。

 リーサ・フォン・ルーベルトである。

「おっおはよう…早いね」

「ええっ……」

 リーサはそっけなかった。

 庶民は話しかけるな的なオーラを醸し出し、俺はなにも言えず黙ってしまった。


 しかし会話がないと暇なので、素振りを始めると、速攻リーサに

「うざい!」

 と言われてしまった。

「でも剣は振れば降るほど、上達するんですよね?」

「あんたのは心が篭っていない。

 ただ振ればいいって問題じゃないのよ」

 リーサはため息をしながら自分の『成長の剣』を取り出し

「一度しかやらないから、ちゃんとみていなさいよ」

 深呼吸しその後リーサの剣は、鋭くそして力強く振り下ろされた。

「こんな感じよ」

 早速やってみた、しかしリーサにはまだまだねとだけ言われた。

 色々と聞いてみるとリーサは嫌々ながらも、教えてくれた。


 五分前にはギレッド爺さんや他のみんなも現れ、誰一人遅刻するものはいなかった。


「よーし、みな揃っているな、しばらくは体力強化を行う。

 7時までずっとグランドの外周を走るぞ」


 にっ2時間も……………と周りは騒ぎだす。

「んっ文句があるなら辞めていいぞ。

 この最初の基礎が出来ない限り俺はなにも教えるつもりはない」


 それから2時間ゆっくりと走り休まず完走した者、前半飛ばし過ぎて後半ばててしまう者、休み休み走る者等様々だった。

 そして2時間後の7時になると、ギレッド爺さんの終わり!という声が響き渡った。


 “つ……………疲れた………”


「よしこれを毎日、行う事!強制はしないがよく考えて行動しろ」


 “ひっひぃ…………毎日かよ………”


 全身筋肉痛のまま、午前中の一般知識の授業を受けた。

 アーツの歴史、アーツハンターとアーツバスターの歴史や、これから必要な事を卒業までに覚えていくんだ。


 そして午後からは、再びギレッド爺さんの特訓が始まった。

 午後からもひたすら走らされて一日はあっという間に終わってしまった。

 その後、全身筋肉痛のまま、アルディスに素振りしろと急かされ気合を入れて頑張った。

 その後は倒れるように眠り、また5時に起きて………

 そんな事を半年ぐらい続けた……



 半年間ギレッド爺さんは、なにも言わず只々走れとしか言わなかった。


 俺はみんなと仲良くなろうと話しかけるが、ライトとラスティは俺達を見下した目で物を言ってきてよく自慢話しをしてくる。

 ゼーンとガイアッは以外と話しかけやすく、すぐに仲良くなれた。

 ガイアッは相変わらずなにを考えているのかはわからなかったけど……


 女の子のムーンとディアはすぐに仲良くなっていた。

 ムーンとディアもリーサと仲良くなりたく話しかけてはいたが、リーサの素っ気ない対応に嫌気を刺し次第に話しかける事はなく、一人ぼっちでいる事が多くなっていた。

 俺も話しかけるが

「うざい!」

 といつも言われる。


 俺はヴァルディアとサンとはすぐに仲良くなり、よく三人で剣の素振りや競争などをしながらお互い競い合っていた。


 ある日突然ライトは

「もう、我慢出来ない!!」

 と切れた。

 それはギレッド爺さんの指導やり方だった。


 “そりゃこの半年ずっと走る事しかしていなかったから、流石に文句も出るよなぁ……”


 ライトはギレッド爺さんに抗議した。

「そろそろ他の事も教えて下さい!」

 ギレッド爺さんは重りのついた腕輪を持ってきた。


 どさっ!


「これは?」

「一つ五キロある、これを二つつけて、明日から走れ」

「ギレッド先生!!」

 ライト諦めなかった。

「俺は剣士になりたいんです!走る人間になりたいわけじゃない!!」

「後、追加で腕立て100回、腹筋100回朝晩追加だ」

「!!!!」

 ギレッド爺さんはライトを睨みつけながら

「いいか、ライト。

 この時期一番大事なのは基礎体力と筋力だ。

 これは大人になって、鍛えようとしても簡単に鍛えられる物じゃない……

 ライトお前は近衛兵隊長になりたいんだよな?」

「はい」

「大人になって近衛兵隊長になった時、体力もなく基礎もない人間を下の人間はついていくと思うか?」

「………思いません」

「今は儂のやり方に不満を持っているのかもしれん、信じられんかもしれん。

 だが騙されたと思ってやってみろ。後悔はさせん」

「………わかりました………」


 誰もがギレッド爺さんの、訓練内容に疑問を持っていた。

 それをライトは言ってくれた。

 そこに俺は感謝したかった。


 “基礎が大事…………か”

 俺は改めて、頑張ろう!!と思った。




 ◆◇◆◇◆



 家に着くと、何故かギレッド爺さんがいた。

「おうっ!ルーク今日の特訓はどうだった?」

「どうって………ずっと走っていますよ………」

「嫌か?」

「嫌じゃないですけど………走ってて強くなるんですか?」

「ライトと同じ事を言うんだな。お前も」

「いや、だって………」

「この半年で皆体力はついたと儂は思っているんだが、前より長く走れるようになっていないか?」

「確かに終わったらすっごく疲れて筋肉痛になりますけど、前より確かに身体は楽にはなっていますよ」

「ふむ………」


『師匠の教え方は不器用ですわ。

 でも最後まで信じていく事で、終われば納得できる強さを手にいれていました』

 と言ったセルビアの言葉を、俺は思い出した。


「さてとそろそろ行くかの」

 どうやらギレッド爺さんはたまに俺の所だけではなく、みんなの家にも回ってそれぞれの話しを聞いているらしい。

 また明日な、といいギレッド爺さんは帰って行った。

 セルビアは相変わらずギレッド爺さんが来ると、一目散に姿をくらましている。


 “どんだけいやな思いをしたんだろ………”


 ぞぞぞぞぞぞつ

 背筋が凍ったのでそれ以上深く考えるをやめた。


 そして更に三ヶ月が過ぎ、後数ヶ月もすれば二学年に進級すると言うのにやっている事は、一日中走り、それが終われば追加された、腕立てと腹筋という変わらない基礎体力の向上だった。


 “少しはたくましくなったのだろうか?”


『成長の剣』は毎日素振りしているけど、進化はまだしていない。

 成長しているかさっぱりわからなかった。


 “二学年に上がれるのかな?俺………”




 皆が走り終わりストレッチをしながら身体を休めていると、ギレッド爺さんが現れた。

「明日からなんだが、自由参加で合宿をしようと思う」

「おぉ〜」

「行く場所は………ダンジョン攻略だ!」






登場人物が一気増えました。


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