外伝 インディアン、ジョー
いつもの話よりだいぶ長めとなってしまいました。
どこだここは・・・
暗い?いや床がぼんやりと光ってる?いや消えて行っているのか?
『灯りよ=暗闇を=押しのけよ』
その時急に光の玉が現れ、石造りの床や壁を照らす。
そこには俺以外にも20人ほどだろうか男性達がいた。
「加護を調べよ!」
豪華なドレスを着た女性が言うと占い師みたいな恰好をした奴が水晶を近づけてくる。
「加護無し」「武神の加護を確認」「加護無し」「加護無し」と続けて読み上げられ加護無しの者は壁際に行かされる。
俺の番だ・・・
「加護・・・ありますが読めません、おそらく異界の加護かと」
よかった・・・一応あったんだなと思いつつ気になるため水晶を覗きこんでみると・・・
『漢字の加護』
は?漢字と言われても、と思いつつ加護ありグループに混ざる。
俺の名前はジョー、本名は城島勇一。世界でも有数のサーカスのクラウン・・・道化師をやっていた。
演技には自信がある、が加護を貰うほど漢字に愛着があったかと言えばそうでもない、習字なんかも苦手だったし。
ドレス来た美女が居なくなり、でっぷりと太った剥げたおっさんが扉から出てきた。
「いいか貴様らには即戦力になってもらう、加護のあるものは訓練所へそれ以外は前線へ送っておけ」
そう言うとそのおっさんも居なくなった。
残ったのは3名
『武神の加護』中国人、李 進
『魔法の加護』韓国人、パク リー
『漢字の加護』日本人、城島勇一
の3名だけだった。
長い廊下を歩かされる中、俺の心の中では緊急会議が開かれていた
本能「ファンタジーの世界か!わくわくするな!漢字の加護とかどんなんだろう?」
理性「落ち着け、現状把握して生き残るのが優先だ」
本能「確かに、異世界のメシが上手いとこ限らん、楽観視はできない」
理性「加護もここの世界で通用するかどうかも不明だ、あの占い師っぽいにも読めてなかったし、使い方も分からん」
本能「でもあのドレスの子可愛かったよなぁ~お姫様みたいで」
理性「召喚しといて質問も受け付けずに出ていくやつだぞ、信用する方がおかしい」
本能「たしかに!メンヘラはもうごめんだ、二度と刺されたくない」
理性「命大事に!」
本能「命大事に!」
結論いのちだいじに!!・・・じゃねーよ!
とやっているとグラウンドのような場所に出てきた。
李は剣を持ったやつらに、パクは占い師にような奴らに連れていかれた。
「お前か、わけのわからん加護を持っているのは」
そう言ってきたのは無精髭を生やしたやる気の無さそうなおっさんだった。
「んで、どんな加護なんだ?魔術師どもが読めなかったと言っていたからちょびっとだが期待してるんだぜ?」
漢字、つまり文字の加護だと説明すると
「はぁ?文字なぁ・・・文官向きかもな、んじゃここに用はないから司書室にでも行ってみるか」
司書室に着き、早速書類らしきものを見せてもらうが
読むことは可能だが色々見てもどうしたらいいのかがわからない、それをおっさんに話すと
「内政向きの加護でもないか・・・戦闘、魔術、内政向きじゃない能力・・・わかんね」
と言うとポンと小袋を投げ渡された。
「自分で調べろ、それは必要経費だ、能力がわかったら知らせるように、あとはこれだな」
と言われると鉄の輪が左腕につけられた。
「それには王家の印があるから平民並みに扱ってもらえるが奴隷の腕輪だ、外したきゃ加護を必死で調べるんだな、地下牢の手前に空き部屋がある場所は兵士にでも聞け」
そういうとおっさんは去っていった、禄でも無いなこの国、第一名前も名乗らず誰に報告したらいいんだ・・・
しょうがなく兵士に聞き地下牢前の部屋を教えてもらい中に入る。
埃っぽいがベッドも机もある、半地下なのか明かりも少しだが入ってくる。
近くに牢番の部屋もあり、紙と書くものを貸してもらえるようお願いする、幸い紙の普及率は悪くないようで少しだが融通してもらった。
さて、やることリストを作って一つずつ潰していくか・・・
机に紙とインク壺、ペンを用意し座って深呼吸する。
まずは加護の能力だな、と紙に能力と書くとなにか消費した感じがしてその紙には
====================
城島勇一(弐拾八)
位階 壱
生命 伍拾/伍拾
気力 参拾/壱拾(弐拾減
鞭 壱
投擲 八
演技 陸
軽業 伍
手品 四
化粧 参
受身 参
調合 弐
精神耐性 八
文字魔術 壱(新
『漢字の加護』(新
====================
漢字だらけだが何とか読める。
鞭、猛獣使いの訓練受けたことあるからなぁ・・・
投擲、俺の十八番とも言える、ダーツ、ナイフ、斧、変わったので言ったら忍者衣装着て手裏剣も投げたな、なつかしい・・・
演技、軽業、手品、化粧、受身は道化師の基本だが思いつかない物もある
調合と精神耐性それに文字魔術だ。
調合~おそらくだが一時極貧でメイク塗料を試作したことがあるくらいしか思いつかない。
精神耐性~これも予想になるが道化師に大切なのは平常心、そして毛の生えた心臓つまり度胸かと思われる。
そして文字魔術これがおそらく漢字の加護と関係があるのだろう。
そして減っている気力書いた文字は能力つまり二文字で弐拾消費、あと一文字は書けそうだ。
早速見せようと席を立つが理性が危険だと叫ぶ。
脳内会議だ・・・ベットに横になる。
理性「待て、能力が分かったからと言ってどうやって使うかもまだはっきりしていないんだぞ!」
本能「試しに書けと言われて一文字書いてぶっ倒れるで済んだらいいんだけどな」
理性「たしかに、よくあるラノベのように気絶ならまだいいがそのまま植物人間、悪ければ死ぬ可能性もある」
本能「死ぬのは嫌だよな?まだ食いたい物もあるし、調教師のアンナちゃんともせっかくいい感じになってきてるのに!」
理性「そうだ、まだ能力が分かっただけで発動するためには紙にしか書けないのか、他の物でもいいのかなんだかな」
本能「どんな文字にどんな効果があるのかも確認しなきゃな、腹も減ったしメシにしようぜ」
理性「気力がどう回復するか、どのくらいのペースで回復するかも大切だな」
本能「報告は保留だな」
理性「その方が賢明だな」
結論そんなことよりめしをくおうぜ!
ちょっといろいろまてーい!
ゴーン ゴーン
鐘が鳴ると牢番が声をかけてきた。
「兵士の食堂で良ければ一緒に行くか?」
食事と聞き兵舎の食堂まで話ながら行く事となった。
「お前さんも勇者候補か、よかったなー加護が有って」
「加護が無いとどうなるんですか?」
「俗にいう奴隷兵みたいに肉壁扱いだよ」
「奴隷ですか・・・御免被りたいですね」
「しかしその腕輪してたんじゃあ逃げることもできないぞ、それより飯だ飯」
「俺が兵舎の食事食べて平気なんですか?」
「構いはしないと思うぜ、よっぽど才能が無い限り初日は大臣が美味いもの食わせてる」
「見込みがないと思われて放置されているんですね、わかります」
「まぁそれも付けてるし問題はないだろう」
と左手につけられた腕輪を指さす。
兵舎に入り食事の盛られたトレイを受け取り牢番と座る。
「名乗るのが遅れたな、ワシはワンと言うお前さんは?」
「ジョーだ、色々助かったよワンさん」
「気にするな、半分くらいは仕事だしな、まぁあとは善意と・・・打算だ」
ニヤリとワンが笑う。
「もしお前さんが勇者様だったらこう言える『あいつはワシが育てた』とな」
そのセリフに思わず吹き出してしまうが悪い人間ではないのだろう。
「本物だったら言ってもいいですよ『勇者の恩人なんだ』と」
そして二人で笑いながら飯を食った、幸い味付けは濃い目で不味い飯でなくてほっとしていた。
「それじゃ俺の仕事はここまでだ、また明日な」
どうも牢番は8人制4交代6時間毎に鐘が鳴らされ交代になるのだそうな。
夜中にも鐘がなるのか・・・
部屋に戻り再度能力と書いた紙を見ると気力も参拾/参拾に戻っていた。
時間経過としては一時間程度食事をとったから回復したのか一時間で回復したのかはまだ試さねばいけないだろう。
飯も食って落ち着いたし、さて・・・書いてしまうとどう発動するか分からないので脳内会議でもしますか・・・
本能「まず何ができるかだな!女って書いたら女を召喚できるのかな?」
理性「一文字だと年齢も美醜も特定できないからぶっさいくなBBAが出てきたらどうするんですか?」
本能「正直すまんかった、ブスもBBAもノーサンキューだ。んで何を書くよ?」
理性「何を書くかより何に書くかを試すべきでしょう、被害が少ないものをまず考えましょう」
本能「ベッドに火炎とか書いたらシャレにならんからな、あと自肌も後回しだな」
理性「そうですね、まずは壁か床が候補でしょう」
本能「じゃあ何を書く?薄暗いし光なんだどうだ?」
理性「まぶしくなるのも困るので灯なんていうのはどうでしょうか?」
本能「イイネ!」
結論 机の前の壁に灯を書いてみる。
うんまともな会議でびっくりだ。
早速机の前にある壁に灯とペンで書いてみる。
ホワッっと優しい光で10cmくらい球体が壁に現れる。
物を書くのに不自由しないが・・・どうやって消せばいいんだ?
光の玉に触ってみるが消えそうにもない、文字を消してみるか?
光の向こう側の字を消そうと擦ってみる。
うん光の玉は消えたが文字も消えてるな。
使い捨てに気力壱拾はきついな・・・別の方法を考えよう。
しかし書くのは無機質なら問わないことがわかった。自分に試すのは怖いが何か生物で試すことも考えよう。
そのあと能力紙を見ながら考えていると3分に壱回復することが分かった。
一文字は30分に一回、二文字は一時間に一回って感じか・・・
次に床に水と書くと水が湧き出てくるがインクが水で滲んですぐに止まった、だが水は残ったままだった。
光は残らず水は残る・・・牢番にモップを借りて掃除しながら考える。
癒、または治療とかなら人体に悪い影響は出無さそうだと思いつき早速試そうとするが・・・癒しの字が思い出せない・・・治の字でも行けるか?。
しかも俺の丈夫な体は癒すところが無かった・・・
よく考えたらペンで書いて治ったら消す、という方法もあるが次に試すのは空文字だな。
気力が回復するのを待ち指で灯と書くとホワッと一瞬だけ光って消える。
物に書く=継続して使えるが消そうと思うと文字まで消える。
空文字 =一瞬で消えるが効果も一瞬
一方脳内会議では
理性「紙に火と書くと紙は燃えるのか?」
本能「水で文字が消えたから火で燃えるんじゃね?」
理性「ふむ確かにその通りだな、ではこの文字は書いた場所に書いた効果を発揮するんだな?」
本能「どちらにせよ責めて3文字使えたらもっと面白い事も出来そうなんだが」
理性「それはこの世界での気力の成長方法が分からぬ限り下手な試みは死を覚悟せねばならない」
本能「死ぬのは嫌だな、まぁ一文字でも崩 懐 呪 斬 色々物騒な言葉はあるもんな」
理性「あとはいかにして現状を打破するかだな」
本能「気力増えないと少しづつしかできないが、色々ゲットしても隠すことも難しいもんな」
理性「それに関しては終えにいい考えが有る、まずは収納の二文字上手くいけば・・・あとはわかるな?」
本能「お前は天才か!」
理性「褒めるなよ」
収納だな、確かに生きていくためには色々必要だが先立つ物もない。
気力は満タンになった、ズボンのポケットの内側に収納と書いてみる。
紙はするっと入ったポケットに手を突っ込んでも大丈夫なようだ、取り出しも出来た。
おっさんに貰った袋の中身を見てみるが銅色のコインが10枚入っているだけだった。
価値が分かんねぇ・・・
その日は晩飯も兵舎で食いお金の価値などを聞いてみる。
この銅コイン10枚で1万ジンバ、定食が大体銅コイン1枚で食えるそうだ。
次の日、町に行きできるだけ衣装の価格を調べる、衣装は1セットで8000ジンバ、手持ちだと1セットしか買えない。
城の物をパクって来たら買い取ると言う怪しい店も見つけた。
そして下調べ、金目の物が有る場所に目星を付ける、隠密と書いたシャツ超便利。
宝物庫か・・・やっぱここだな。
よし、決行だな。
闇に隠れ、宝物庫のカギを開けようとするとすでに開いていた。
中にすんなり入ると先客が居た、パクだった。
自分は主に金のコインと身バレし無さそうなものを基準に収納と書いたカバンに放り込んでいく。
パクがまだごそごそしているが長居は無用、さっさとずらかる。
部屋に戻り念のため服も着替えポケットの収納に犯行に使った服と鞄を突っ込み机に向かって図面もどきを書いているように見せかける。
下手するとパクが捕まる可能性も考え・・・来たよ、衛兵っぽい人たちが。
「貴様を宝物庫を荒らした犯人として調べさせてもらう」
「言ってることがわかりませんがどうぞ調べてください」
部屋の中がしらべられ・・・荒らされてる。
「きさま!どこに隠した!」
「隠すも何も基本私はここと兵舎の食堂、あとはこの国のために何かできることが無いかと町を見に行ったくらいです」
隊長が図面ぽい物を指さし
「これが役に立つ物か?落書きにしか見えんな」
落書きですとも・・・とは言えず
「私の世界の図面です完成するまで線と曲線を組み合わせたようにしか見えないでしょうね」
隊長は渋い顔をし
「魔法陣みたいなものか・・・しかしよくわからんな」
とそこに他の衛兵も現れ
「兵舎やその男が寄ったと言う店なども探しましたが何も見つかりませんでした」
「パクの野郎自分可愛さに嘘言いやがったな・・・」
隊長がさらに渋い顔になる。
「とりあえず証拠が出てない以上お前さんは無罪・・・と言うか部屋荒らして悪かったな」
「お役目ですからようが無いですよ、それにこの部屋の物も全部国の物ですしね」
「奥の牢にはパクが居れてある何言われるかわからんから近づかないようにな」
「分かりました、もう寝ることにします、最後に・・・ベッド戻すのだけ手伝ってもらえませんか?」
衛兵たちに手伝ってもらい、戻したベッドに横になる。
よしよし、ばれなかったな。
翌朝食事をとり、何食わぬ顔で外に出る。
町で変装用の服を買い、なんとかかんとか言い訳をし町の外に出る。尾行は・・・門で足止めを食らっているようだ。
結局最初の人体実験自分かよ・・・
そう思いながらポケットの収納に腕輪を入れる。派手な衣装に着替え肌に褐色と書く。
見る見る肌が日焼けしたような色になり羽根付き帽子をかぶった姿はパッと見インディアンだな。
そのまま街道を進み他の町へ向かう。
しばし歩くと後ろから馬が走る音がする、追手だ。
さて演技でどこまで誤魔化せるかな・・・
「おい!そこの羽根付き、止まれ!」
「ナニカヨウカ?」
「同じくらいの背の青年を探している腕に腕輪を付けている」
「ウデワナイ」
「左手、いや両手を見せろ?」
「ウデワナイ」
「っち、肌の色は黄色っぽくて白いシャツを着てる奴だ」
「コトバムツカシイ・・・」
「だあああ、人見て無いか?」
「ナイ」
「嘘じゃなかろうな?」
「インディアン、ウソツカナイ」
まぁインディアン自体嘘だけどな。
「くそ、馬も潰れそうなほど走ったのに追いつけないのか」
動物相手にも効くか試すか。
「ウマカゾク、タイセツスル」
馬に近づき快と空文字を書く
「おお馬がずいぶん楽そうにしてる助かった、魔法使うのか?」
「カゾクニツタワルマジナイ、ウマゲンキニナル」
思い付きで言ったがなかなかいい設定だな。
「お前の名前は?」
「ナマエ?・・・ジョー」
「変な名前だな」
「ナマエデハナイ、ヤクメ、オレ、テキ、アゴクダク、ミナマモル」
「わかったわかった、この辺は狼も出るから気をつけろよ、あと馬の事は助かった」
「コマッテイルモノ、タスケル、モノモラエル」
「そうだな謝礼が無いとな、お前通行手形あるか?ない?一筆書いてやるよ」
やべー通行手形とか全く考えてなかったよ。
気にするなと言いながら馬上で器用に書いている。
「これを村か町で見せろ町はいれる、って言葉が移っちまうな」
笑いながら騎兵は戻っていった。
『名前ジョー、職業呪い師、戦士 ※言葉が通じにくいが理解はしている模様 王都第3騎兵隊ジョージ、アームストロング、カスター』
名前を見て思いっきり笑った。
街道を歩く、空文字で水を出し渇きを癒し、兵舎の食堂からちょろまかしたパンをかじって飢えをしのぐ。
野営は地面に火を書いておけば字を消すまで燃えていたので割と安心して寝れた。
3日後町に到着する、が衛兵にやりを突き付けられてます。
「オレ、インディアン、ジョー」
そう言って書いてもらったものを渡す。
「馬鹿そうな喋り方しやがって・・・騎兵隊?」
「ソレクレタヒト、ウマイヤシタ、ソレクレタ、マチダスイワレタ」
喋り方や服装のせいか目立ちまくってるな、それが目的だけど。
誰も城島勇一だとは気が付くまい。
「まぁ町で暴れたり変なことはするなよ」
「カミカエス、カミタカイ」
手を出すといやそうにしながらも返してくれた。
「身分証を作っとくんだな、冒険者ギルドにでも行っとけ」
「ミブンショウ、ボウケンシャ、ギルド」
指折り数えて復唱する、その様子を見てギャラリーも笑い出す。
「ミブンショウ、ドコ?」
そう聞くとギャラリーから爆笑が起こった。
「ついてこい」
ゆっくりそう言ったのは屈強な男だった、鎧着てるし冒険者かな?
田舎者らしく周りをきょろきょろ見渡しながら着いて行く。
「ここ、冒険者ギルド、身分証作る」
コイコイと手招きするが屈強な男がなんとなく滑稽だった。
ガヤガヤと騒いでいた店内がピタッと静かになる。
またコイコイと手招きされカウンターまで行く。
「また毛色の変わったのを拾ってきたわね」
「またとか言うなよ、こいつのカード作ってやってくれ」
「お人よしねぇ・・・ギルド入会金もってるの?一万ジンバよ」
「オカネ・・・ドレ?」
ポケットの中から金貨銀貨銅貨を出して一枚ずつ並べていく。
「これで大丈夫よ」
と銀貨を取り、用紙を出す。
金貨と銅貨をしまい紙を見てひっくり返してみたりする
「ああ・・・字読めるのか?」
「ヨム、スコシ、カクムズカシイ」
「だあああ、しゃーねーな俺が書いてやるよさっきの紙見せな」
「カミ」
とカスターの書いてくれた紙を渡す。
「名前はジョーと」
「相変わらず下手な字ね」
「うっせぇ、職業は・・・おいジョー呪いと戦いどっちが得意だ?」
「マジナイ」
「んじゃ魔術師で登録しとくぞ、あとは出身は?」
「アイオワ」
咄嗟に出たがもう少しインディアン設定を煮詰めとけばよかったと思う。
「聞いた事無い地名だな・・・アイオワと最低限これでいいだろう」
「手抜き」
「うっせぇ仕事しろ」
そしてカードができる。名前がジョーと成っている。
「ミブンショウ、コレ?」
「そうよ、無くしちゃだめよ?それからギルドの説明するからちゃんと聞いてね、まず冒険者にはランクが有って10~1までまぁ30年位前から3すら居ないけどね、大体7で一人前あと会館の中ではケンカはダメあっちに闘技場が有るからあっち言ってケンカしてね、もちろん町の中でも駄目よ、仕事に関してはあっちにボードが有るから10か9のマークの仕事でできそうなものを探してね以上何か質問ある?」
「ハヤイコトバ、ムズカシイ」
と言う事にしておこう。
「よしよし分かった簡単に言ってやる、身分証無くすな」
「ナクサナイ、コレダイジ」
「ケンカするな」
「ケンカダメ」
「仕事に関してはアリーお前が選んでやれ」
「アリー?」
「私の名前よ、しょうがないわねぇいくつか出すから選んでもらうわ」
「エラブ、タノム」
「べ、べつにあなたのためにやってるんじゃないからね」
「ツンデレ」
「ツン・・・なに?」
そして自分を指さし「ジョー」アリーを指し「アリー」屈強な男に指さし「ナマエ」
「ああ名乗ってなかったな俺はローススキー、ロースでいいぞ」
脳内会議では大爆笑であるが、顔には出せない。
「ロース、アリー、ジョー」
順番に指さし笑顔で名前を呼ぶ。
「おい、お前らもこいつが困ってるようなら助けてやれ、将来助けてもらうこともあるんだろうからな」
ロースが酒場の連中に言うと皆笑いながら
「そりゃねーっスよー」
「あいつが特別なだけだぜ~」
「逆にロースはどんだけ自分の目に自信があるんだ?」
「まー確かにアールには何度も助けられたがな」
酒場内の空気が途端に柔らかくなったように感じる。
ロースってボス的な奴なのか?ギルドマスターみたいなやつか?インディアンっぽく言うと・・・
「ロースチョウロウカ?」
酒場内大爆笑である、よしよしつかみはOKってやつだ・
「長老はワシじゃな」
奥から声がしたと思ったら飄々とした雰囲気の老人が立っていた。
「ふむ・・・悪いやつではなさそうだな」
「チョウロウ、ヨロシク」
「ほっほっほ無理せん程度に頑張りなさい」
そう言うと奥に戻っていった。
苦手だった座長を思い出す雰囲気だ、何もかも見透かしてるみたいな。
・・・ありゃ何か勘づいてるな、警戒はしとこう。
時間は昼飯時、酒場内も美味そうな匂いがしてるがインディアンは狩りをして飯を食わねば・・・
それか宿辺りでゆっくりしたいな、あとか狩りするにしても武器もない。
護身用の物も欲しいなあと狩り用の物できれば投擲武器・・・
「ナゲルモノ、ナイフホシイ」
「ナイフかぁ」
そうつぶやきながらロースがまたコイコイしている。
「武器はここで買え」
「カウ?オカネ?」
「そうだお金を払って武器を買え」
「オカネ、ハラウ、ワカッタ」
店に入るといかついおっさんがカウンターで待ち構えていた。
「ナゲル、ブキ、ホシイ」
「おうらっしゃい、ワシはラメン、投げる武器ならスローインナイフがトマホーク、あとはショートスピアくらいか」
手に取って見てみる、重量バランスなどを考え投げナイフ10本 トマホーク2本を買う。価格は10万ジンバ金コイン1枚か、お金はまた適当に出し取って貰った。
少し試したいが・・・
「ナゲル、ドコ?」
「ああ裏庭で少し試せるぞ」
裏庭に行くと木製と思われる的が有った。
スローインナイフを投げてみると少しずれた、ナイフと言うより棒手裏剣や苦無に近い感じだな。
続けざまに3本投げる、思った通りの場所に行った。
次にトマホークを両手にもって振ってみる。
重くて丈夫そうな斧だ、投げても壊れないだろう。
的に向けて投げてみるがやはり重いようでずいぶん手前で刺さった。
力の調整を行い、武器の癖を見て体を動かす!
2丁同時に投げ、見事命中。
的がきれいに割れる。
「ほほう、なかなかの腕だな無くして数が減ったり痛んだら持って来いあとこいつはおまけだ」
たすき掛けの様な形で斜めにかけるダガーホルダーと言えばいいのかベル○ルクのガ○ツのようなあれである。
ベルトに斧をしまう形でなく背負うようにして斧を持ちたいことを伝えるとそんなもんはねぇと言われた・・・ゲッ○ートマホークやりたかった・・・
腰ベルトにつける斧用の鞘も買い、店を出る。
問題は獲物が見つけられるかだな。
門から出てまっすぐ森に向かう、ロースいつまでついてくるつもりだろう?
幸先よく野兎を見つけ静かにダガーを投げる。
罪悪感半端ないが仕留めたウサギの血抜きをし枝にぶら下げる。その間に石に水を書く。
ウサギに水をかけ熱を取る。
そのまま解体しようとするがなかなか難しい、見かねたロースが口を出してくる。
「ほら、そこは刃を持ちかえて、ああ手首の角度が悪い、下手くそだな」
しょうがないだろう、刃物は切れ味悪いし、ウサギはデカいし。
「オレ、カワトルニガテ!」
そう言う事にしておこう・・・
「苦手か・・・血抜きしたらそのままギルド持って来い、さばいてくれるやつがいるから」
「ワカッタ」
せっかく捌いたしここで食っていこう。入れる物も無いや。
地面に火を書く、そして枝で肉を出し焼き始める。
「変わった魔法だな」
「イチゾクシカツカエナイ」
「そりゃ知られてなくて当然か」
それで済むのかと楽観的に考えながら焼いていく、寄生虫が怖いからよく焼こう。
待ってる間、暇になったので悪戯を思いつく、ウサギの尻尾を取りロースににつけてやろう。
幸運のウサギって尻尾だっけ?まあいいかと思いながら
「ウサギシッポ、チカラガアル、タスケクレル」
もちろん大嘘である。
紐でちょちょいと括ってロースの腰につけといてやる、おまえも笑われると良い。
よしよしいい感じで焼けてきたな。
「イタダキマス」
ウサギは塩をかけてかじりつく、硬いが意外とうまいな。
「俺のは?」
勝手についてきて飯まで集るかこのおっさん・・・
「シッポ」
この世の終わりのような表情をし、がっくりしてるロース、おっさんだが面白いやつだ。
ウサギを美味しくいただき、骨や内臓などは埋めておく。
片付けが一段落すると何故か待っているロースが
「くー腹減った、ジョー、帰るぞ」
そしてコイコイとしながら町の中を歩く。
ここは・・・宿かな?うれしくてにやけそうになるのを我慢しつつロースに続いて入る。
一階は酒場のようになっており、人でいっぱいだった。
カウンターに2人で座ると。
「おーい、ヴァルいるかー?」
「うっせーな、見て分かんねえのか、忙しいんだよ!」
「飯を2人分だ、あと宿の方は開いてるか?」
「飯は分かった、宿はサラに聞け」
「おー「小さい部屋なら空いてるよー」」
さほど間をおかず、ヴァルと呼ばれた男だろうかトレイを持って現れる。
「ほいよ、シチューとパンとソーセージだ、珍しいなエールを頼まないなんて」
「今日は特別だ、ほっとくと危なそうな奴がいたんで色々案内してる」
「相変わらず奇特な事してんな、ほら冷める前に食え」
ウサギ一匹食ったばっかだよと思いつつ見た目美味そうな料理に手が伸びる。
「イタダキマス」
「なんだそれ、さっきも言ってたな」
「何言ってるんだ?」
あれ?さっきロースがスルーしてたからこっちでもいうのかと思ったが言わないのか・・・言い訳としては・・・
「エモノ、イノチモラウ、イタダキマスイウ、チカラニナル」
「獲物の命を貰うからいただきますか、いい言葉だな」
そういうとヴァルは厨房に戻る。
「確かにいい言葉だな、いただきます」
モグモグと食べている中、サラと呼ばれてた女性がこっちに来た。
「泊りね、何拍くらいするの?」
「トマリ?」
連泊とか考えてなかったな・・・どう言おう?
「面倒だろうが毎日確認してやってくれ、ジョー、ここ宿、ベッド、寝る場所」
「ワカッタ、オカネワカラナイ」
ロースよく気が利くな、また適当に出して取って貰う、こう言う小技が演技としては大切だ。
5000ジンバか食事付きなら安い方だな。
残ってるお金を鞄に放り込む。
「んじゃ部屋に行くよ、おいでおいで」
席を立ちサラの後に続く。
「部屋はここ、お湯いる?」
「ユ?イラナイ」
「そ、カギ、無くすなよ~」
鍵を受け取り入ってみるとベッドと小さな机が有るだけだった。寝るだけなら問題ないか。
さて・・・何とか王都を脱出できたし、ジョーという存在も受け入れてもらえた。
これからどうするかな。
理性「脳内会議の時間です!これからの目標と如何に生活するかについて」
本能「まず娼館行こう」
理性「下半身でしか物が考えられないのか?」
本能「否定はしないが、古今東西情報は夜の町に集まるんだぜ」
理性「情報収集も大切だが今カタコトで話してる状態だ欲しい情報を手に入れるのも難しいぞ」
本能「それがあったな、じゃあここで言葉覚えるふりしてパチモンの外人英語風に話すか?」
理性「聞いてるだけで覚えるなんてどこのス○ードラーニングだ?無理があるだろう」
本能「教えてもらえる宛も無いし、第一喋りだけじゃなく書くことも教えられたらどうする?」
理性「変に書き取り授業して変なもんでたら大事だな」
本能「やっぱ町の中でス○ードラーニングよろしく聞いて覚えたが一番いいだろう」
理性「ついでに発声練習するとか・・・ジャグリングの練習かねて街中で過ごせばいいか」
本能「ジャグリングするならインディアンっぽい衣装の羽増やしておひねり貰おうぜ」
理性「それでは鳥を狩って羽を調達せねばな、羽と牙のネックレスも要るな」
本能「おお~あとそれっぽくするならあれが要るなバトルメイク」
理性「顔料もか・・・イメージとしては赤かな?白も捨てがたいが」
本能「道具も売ってなきゃ適当に作ればいいじゃないか材料持って町で加工すればいい」
理性「ではまず狩りなどで材料調達、その後町に戻って過ごし言葉をうまくなったように見せると言う感じか」
本能「そして言葉が上手くなったら娼館だ」
理性「そこに戻るのか・・・」
ん~こんな感じか明日から狩りだな・・・
「オハイヨ」
「はいはい、おはようよく眠れた?」
「ネタ、ゲンキデタ、カリシテクル」
「今日もここで寝る?」
「ココデネタイ」
ん、と言って手を出されたので5000ジンバを渡してく
「ん、きちんとあってる、きみ賢いね」
「オボエルトクイ」
「部屋はそのままにしておくから洗濯が有ったらベッドの上にまとめておいて、別料金だけど」
「センタク・・・アラウ、オカネオクワカッタ」
宿を出て看板を見てみる「太陽の机亭」うん読めるなこっちの字で書いたらどうなるか・・・森で試すか。
門を出て森へ向かう、まずは羽だな。
鳥を見つけスローインナイフを投げるがなかなか獲れない、ナイフも3本無くしてしまった。
その時ティンと来る、かなり昔にやった第四次スーパーメカ巨人大戦で出てくる技だ、そうなるとまず書くものは
スローインナイフに『必中』と書く。
飛んでる鳥に冗談半分で投げてみる、すごい勢いで鳥に向かい見事に当たる。
羽をむしり収納しておく、その後血抜きしておく。
必中の文字は消えかかっており、再度書き直さなければいけないがそれでも無くすよりずっといいな。
少し休み、斧にも必中を書く、情報の紙を見つつ地面にこっちの文字の練習をする。
こっちの文字がきちんとかけているのか手本が無いと分からないことに気付いたのは斧に『必中、鉄壁、奇跡』を書いた後だった。
スローインダガーは表面積が小さく『必中、奇跡』の2つだけだった。
昼も過ぎ、狩りを再開しようと思った矢先にイノシシと遭遇する、デカい2mはあるぞ。
ビビりながらも斧を構え、距離を取る。
突進してくるイノシシ、スーパーメカ巨人大戦の回避技の名前が思い出せない!でもなんとか躱せた。
こんなのと正面から戦えるか!ト○ホゥクブーメラン!
見事イノシシのドタマをカチ割ってくれました。
血抜きをし、牙だけ取っておく。どうやって持って帰ろう?軽くする文字・・・気力はいくつ残ってる?
情報の紙で残りの気力を確認すると
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城島勇一(弐拾八)
位階 弐
生命 七拾参/七拾参
気力 九拾/九拾
鞭 壱
投擲 八
演技 陸
軽業 伍
手品 四
化粧 参
受身 参
調合 弐
斧術 壱(新
精神耐性 八
文字魔術 弐(新
『漢字の加護』
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位階が上がってる、助かった・・・レベルアップか。
体力が33アップほぼ倍近いな。
気力は3倍90まで上がってる。
しかも最大値まで回復している、これはうれしい。
これで九文字書けるが安全を考えると八文字だな。
あと斧術が追加されて文字魔術のレベルが上がってるな。
イノシシに『軽量化』を書きギルドまでもっていこう。置いた後消せばいいや。
あ、回避用精神コマンド思い出した、『ひらめき』だから使えねぇ・・・
でも文字そのままではなく技や他のゲームにあったスキルの意味合いを持たせられるなら戦術が広がる。
それも試していこう。
イオ○ズンとかはさすがに無理か・・・
大イノシシを担ぎ町の中を歩く、男の子たちが遠くから指をさし目を輝かせている。
大人たちはドン引きしてるな・・・
ギルドの戸を潜り、アリーのカウンターへ行く。
「そっちじゃねえこっちだこっち!」
大イノシシを降ろし、軽量化を消しておく。
鳥はこっそり収納の中だ。
「コレシゴト」
それだけ伝え町に出る、牙とかを加工する工具とか字を彫るタガネとかジャグリングに使う道具とかも欲しいよな。
工具を扱てるような店に行き、上記の物と加工用ナイフや剥ぎ取り用のナイフ等も買った。
広場に行き、地面に座り工具などを出していく。
工具を使い牙に穴を開け紐を通す、ネックレスの完成だ。
首にぶら下げてみると実にそれっぽい。
周りからほらあれが、とか何やってるんでしょうとか聞こえるがまるっとスルーする。
しかし意外と子供が寄ってくる。
大抵すぐに親が引っ張って帰るが中には
おっちゃんなにしてんのー?
ともだちいないのかー?
など急所を抉ってくる言葉を放つ剛の者がいる。
客としてはあれだがジャグリング用には少し大きいボールを使いジャグリングを見せる。
子供たちからすげーとかうまいなーとか拍手が送られてくる。
やっぱこういう瞬間はなんていうか心が満たされるな。
「こんなところに居やがった!」
「ロース」
「このばかもんがあああああああああああ!」
拳骨食らった痛い・・・
「お前報酬受け取ってないだろう!報酬!お金!」
うん買い物する方に目が行ってて報酬の事すっかり忘れてた、どう言い訳しよう?
などと思っているとロースに引っ張られ、そのままギルドに連れていかれる。
こういう場合は言い訳せずに素直に言おう。
「ワスレテタ」
拳骨が飛んできた今度はアリーからである。
そして返す拳でロースにもボディーブローが入る。
「ジョー!知らないことが有ったら聞くこと!ロース!面倒見るんなら最後までキチンと見なさい!」
腰に手を当て、無い胸を張っているなと見ているとギロリと目だけがこちらに向く
「何か失礼なこと考えたでしょ?」
こいつエスパーか!
目をそらし
「ソンナコトハナイ」
ヤバい何だこのプレッシャーは、ひいばあちゃんに怒られた時より怖え・・・
「嘘じゃないでしょうね」「インディアンウソツカナイ」
ヤバい早口になってしまった。
スゥっと周りの空気が弛緩しアリーの表情も笑顔になる。
「はいこれがイノシシの代金、肉が500キロで4万ジンバ、皮がきれいで上乗せして2万ジンバね合計6万ジンバね」
受け取って鞄に入れようとしたらロースが後ろから
「勘定しとけ、また拳骨が飛んでくるぞ」
大急ぎで手を開き枚数を数える。
「ロクマイアル」
そう言ってから鞄に入れるとアリーもにっこり。
「そうそう、きちんと勘定はしておくように、あとで言っても証拠が無いで誤魔化されるわよ」
「ワカッタ」
大イノシシ獲って12日分の宿泊費か、悪くないが毎日取れればって前提が付くな。
さて、広場に戻るか。
広場に戻ると道具が無くなってるううううううううううう
なんてことも無く全部残ってる、すげぇこの町の民度高い。
さて次は彫金だな、スローンぐ…長いなもう苦無でいいか、苦無に必中を彫り込んでいく。
ちょっと歪だがきちんと書けた、試したいが明日にしよう。
夕方になったし太陽の机亭に戻り、ご飯を食べよう。
ちなみに何も言わなかったら少しの間出てこなかったよ。
「ゴハーン」
と言うとヴァルが持って来てくれた。
「すまんすまん、ただ戻ってきて声もかけないおめえも悪いぞ」
ヴァルはそう言い残し厨房に戻っていった。
今日はチキンステーキであった。
「イタダキマス」
ステーキはスパイスも少しだがつかわれており、美味しくいただけた。
「あ、ジョー君戻ってたんだ、カギは朝私に渡してから狩りに行ってちょうだい」
「ワカッタゴメン」
一言も鍵の事言ってないじゃないか、人のせいにするとは・・・
カタコトも疲れてきたなーと考えつつ部屋に戻りベッドに横になる。
おなかが膨れると眠くなってしまうな・・・
本能「そのまま眠ればいいじゃないか、朝日と共に起きる。健康的だねぇ」
理性「そうすると君の大好きな所に行けなくなるしそれもいいね」
本能「それは困る!超困る!て言うか小銭も手に入ったし行ってみようぜ~」
理性「だが断る!まだまだ試さないといけないことが多いのに!」
本能「うう・・・たしかに回避方法だとか生存に関することも必要だ」
理性「それだ!服でもズボンでも回避と書けばいいのだMPも増えたし完全回避とかもいいな」
本能「天才現る!しかしペンで書くと濡れた時困るし汗とかで滲みそうだし困ったな」
理性「あ~滲むか、水はじきの良い物・・・ロウで書けばいいか」
本能「お前マジ天才だな、ロウで思い出した型染めとかもいいんじゃないか?」
理性「染めた方がロウが乾いてはがれたりする事も無いか・・・お前も天才か」
そういえば顔用の染料も探していたな。
明日にでも探そう。
鳥のさえずりと共に目覚める朝、気持ちよいですね・・・コーヒー飲みてぇ
寝ぼけた頭で阿呆なことを試す。
紙に『召喚缶珈琲』・・・出ないな、個人的にはエメ○ンよりモーニン○ショット派だが
シュイィィィィィゴトン
ぉぉぅ・・・きちんと何を召喚すればいいのか想像すれば出てくるのか?
今度は紙を持ちやっぱエ○マンもいいよね。
シュイィィィィィ、魔法陣が出る
ゴトン、○メマンでる
・・・・・・・・プシッゴクゴクゴクプハー
封印決定、収納の中に空き缶、エメマ○、召喚用紙を放り込む。
イメージか、ゲームや映画で見たことを漢字を通して実現する。
さっきの召喚イメージはメ○テンだ・・・
『召喚』とだけ書き今後どうしても必要になるものを出す。
イメージ、イメージ、いでよ!『○辞林』
ドサリ、と出てくる『大○林」
これだ、これさえあればどういう字だったか辞書で引ける。
もう少し、もう少しだけこっちではないようなものを召喚出来たら・・・
本能「俺に従って思いのままに使ってもよいのよ」
理性「変な物使ってると国に目を付けられるかもね」
本能「他の国ににげりゃいいじゃん」
理性「そして誰も居ない夜のお店も無いところでひっそり過ごすのかい?」
本能「人は一人では生きていけない、限度と節度を守って使っていこう」
理性「そして歯止めが利かずにいろんなものを出していくんですね」
本能「否定できない・・・」
よしこの用紙も封印決定。
それから一週間、朝獲物取ってギルドで換金、染色、彫金、言葉を少しづつ修正していくなどまったりしながら過ごしている。
染色は服の裏地に完全回避、魔法反射、疲労回復を染める。
これで安全は確保できる、追加で書けるスペースも空けておいた。
逆に彫金した苦無は毎回魔力を流さなければ使ったあと効力を失ってしまうので書く方が楽だったが書くより素早く痛しかゆしな感じだった。
ただ書いたものでチート臭くなったのが『心臓必中』と書くとあれだゲイ○ルグよろしく投げた手元から消え心臓に刺さるのだ。
10本あったうちのすでに5本しか残っていないが一本は書いて非常用に持っている。
一番苦労したのが役に立ちそうな漢字を辞書で引いて覚えておくと言うのが一番の苦労だった。
マジ一番苦労した・・・
「おはようございマス」
「ジョー君おはよう、今日も出かけるの?」
「今日はお休みの予定じゃないデス」
「ずいぶん言葉覚えたわねぇ」
「勉強楽しんでマス」
この位は喋れるようになった、というかそう言う事にした。
「鍵忘れてまシタ」
「わざとでしょー」
「インディアン嘘つかナイ」
鍵を渡しいつもの林に行く、鳥やウサギを血抜きしながらこっちの文字の勉強だ。
文字自体はアルファベットに近い感じだし、表記としてはローマ字表記に近いのだが時々英語も交じっている感じだった。
さて・・・生活基盤も出来たし、これからの事を脳内会議でと思った瞬間体が動いた。
完全回避が発動し、攻撃をかわしたのである。
「よぉ~ぅ最近お前貯めこんでるみたいじゃねえか、使わないなら俺たちが使ってやるから出しな、嫌ならここで冷たくなってもらうしかないがな」
お、おう・・・強盗ですよ、不意打ちかましといてそのあと脅迫ってこいつの頭の中どうなってるんだ?
「お金欲しいなら働ケ」
そう言って斧を抜く。
言葉も無く強盗が切りかかってくる。
正直トロイ、何度も切りかかってくるが左右に避け、反撃しようと思うが斧で切ってしまえば大けがでは済まない・・・
本能「さくっとデストロイでいいんじゃないか?」
理性「そういうが人を殺すっていうあれに耐えられるのか?」
本能「正当防衛でしょ、俺は悪くねぇ、あと悪人に人権はねぇ」
理性「無力化するだけでいいだろう、処罰は人任せでもいいじゃないか」
本能「他力本願かいい言葉だ、んじゃそれで行こう」
左手で彫金してある必中苦無に気力を注ぎ投げる、狙いは武器を持っている手だ。
「うぎゃわごれいでええええええ」
悲鳴をあげ武器を落とした強盗に近づきアニメでもよくあるように首筋にチョップ、悶絶してるが気絶するような様子が無い流石にうまくはいかないか。
ならば腹パン、さすがに一発では無理か、じゃあ二回三回四・・・四回目は必要ないようだ。
木に巻き付いてるツタを取り、強盗を縛り上げる。
苦無の回収も忘れない。
ギルドに戻り職員に引き渡した後
「襲われタ」
とだけ言って預けてしまおう。
流石に人殺しはする根性は無い・・・
そのうち経験することになるかもしれないが後回しにしたい。
獲物を引き取ってもらい、報酬を受け取り宿屋に戻ろう。
宿に戻りベッドに入ると震えてきてしまう。
はっきりとした人の悪意、殺意に恐怖が体を包み込む。
酒でも飲んで寝てしまいたいが泥酔するのも怖い。
気が付くと夜が明けていた、一睡もできていない。
その日はサラに怒られながらも一日ベッドの中で過ごした、部屋まで飯を持って来てくれたヴァルに感謝だ。
次の日、朝からロースが訪ねて来ていた。
「悪かったなジョーああいう奴を捕まえるのが今の俺の役目なんだが・・・」
そう言って話し出した内容にびっくりした。
ロースはギルド内で犯罪を犯したものを捕まえたり暗殺なども行うギルドナイトのような役目も持っていたのだと言う。
それに新人や素行の怪しい物を見守り、見張る立場が必要なため冒険者として過ごしているのだとか。
「お前の捕まえたやつは素行に問題はあったが人の金を盗ろうとするやつじゃなかった・・・」
「でも襲ってきタ」
「ああ賭博でだいぶ借金があったとも聞いた・・・あいつの処分だが犯罪奴隷として鉱山に送られる事になった、二度と会う事も無いだろう」
「分かっタ」
「一応ギルドマスターと話をすることになってる、ついてきてくれ」
宿を出てギルドに向かう、喧嘩両成敗で俺も鉱山送りに?なんてネガティブな想像まで出てきてしまう・・・
「ふぉっふぉっふぉ災難だったのぅ」
表面上にこやかに見える爺さんだが何を考えてるかさっぱり読めない・・・苦手だ。
「そう固くなることはない、先にあやつから切りかかったと話しておったしな正当防衛じゃよ」
犯罪者が自供で自分の不利になるようなことを言う?ありえないだろう。
「そう胡散臭そうな目で見るな。あーロース席をはずして誰も近づけんように」
ロースは黙って廊下に出ていく。
『さて、ゆっくり話をしようか、おぬしも日本人じゃろう』
心臓が飛び出るほどびっくりした。
なぜなら『日本語』で話しかけられたからだ。
「先にこっちの身の上を話すか、わしは飯島武男と言う50年前に召喚されたものじゃ」
ギルドマスター、飯島さんが言うには先代の国王も異世界召喚をし、真偽の天秤と言う嘘の分かる加護が有ったため国王の司書官として勤めていたのだと言う。
先代の国王が亡くなったときどさくさに紛れて隠居届を出し近所の顔役、町長とやった後ギルドマスターの職に就いたと言う事だった。
今回の召喚の事もつかんでおり、勇者候補が脱走したことも調べ上げていた。
その直後現れた明らかにこっちの人間じゃないやつしかも武器に漢字を書いていたことからインディアンでないことはすぐにわかったと言う。
「それでなんでインディアンになったんじゃ?」
かくかくしかじかと説明し呆れられる。
「まぁ確かにしっかり顔を覚えられていた人物ならともかく目印を誤魔化すのに褐色に変えたと言うわけか」
飯島さんは呆れて大きなため息をついた後に
「それでいつまでその格好で過ごすんじゃ?」
「正直期限は決めていません、いまは語尾を少し変える程度にしてもう少し立てば普通に話そうと思います、肌に関しては安全が確保できたと確信してからですかね」
「それでは最後に」
飯島さんの顔が引き締まり、真剣な表情になる・・・何を言われるんだ?
「米、味噌、醤油を持っておったら分けてくれんか?たまにものすごく和食が食いたくなる時が有るんじゃ・・・」
封印していた召喚紙を出し、魚沼産コシヒカリ、出汁入り味噌、真空パックで劣化しにくい醤油を出した。
「ふぅおおおおおお」
爺よだれ拭け・・・
「すまんすまん我を忘れてしまっておった、いやーなつかしいのお」
飯島さんには定期的に渡すこととなった、封印する意味なかったよ。
それから10年王国が大陸を統一し平和になったが召喚された加護を持たない人たちの生死は調べたが分からなかった。
パク=リーは捕まった後結局処刑となり、李=進は将軍になったが毒殺されたと聞く。
やっぱり残らなくてよかった・・・流石の俺も地雷の上でジャグリングする趣味は無い。
それから5年後、国王も代が変わり、若い国王を助けると言って飯島さんは城に戻った。
先々代が亡くなる前にはよくかわいがっていたらしい。
そして俺は・・・いつの間にか貴族になっていた・・・飯島さんェ・・・
胡椒の育成に成功して男爵、製塩の知識を献上して伯爵、東方に土地もらってマイ○ラだーと開発しまくってたら東方伯とか言われ始めた。
欲しいもの開発して開墾しまくって田んぼや畑作りまくってただけなんだがな・・・半分くらい飯島さんのリクエストだったが
飯島さんも亡くなり、気が付けば俺も60に手が届きそうだ。
味噌や醤油も蔵元が出来て少しだが出来てきた、卸先はほぼ王宮だが。
さて・・・東方伯の地下室に今まで召喚した専門書や辞書、作った武器防具、とにかくやば目なものはすべてここに所蔵しておく。
封印スクロールでも良かったが漢字が理解できないと使用できないものが多かったからだ。
さてここ自体を封印する方法か・・・
『合言葉を言うと開きます、いいくにつくろう○○幕府』
俺でも知ってる歴史の語呂合わせだ。
日本人が現れれば封印が解け日の目を見ることもあるだろう、願わくば悪用しないでほしい。
しかし以前の様な戦争になったとき簡単に開くようなら間違いなく悪用されるであろう。
問題は子孫にどう伝えるか・・・おとぎ話風に地下にある物の事を伝えていこう。
子孫たちには『ワタリ』と呼ばれる人なら開けられ、使用できること、戦争のためには使わないことをおとぎ話の中へ盛り込んでいく。
家族増え、孫たちに日本の話や地下にある物の話をしてやると孫たちは『嘘だーそんなの見た事も無い』と言いつつ喜んで聞いてくれている。
そうさ、俺は嘘つきインディアン、ジョーだからな。
※作者のゲーム知識はかなり古く、スーファミくらいの知識が精々です。
※必中 100%当たります。
※鉄壁 防御力が上がりダメージが少なくなります。
※奇跡 ゲーム内で複数の精神コマンドが組み合わさったチート技 全快、気合×2、移動力アップ、経験値2倍、必中、ひらめき、攻撃力3倍
※ジョーは精神コマンドの名前や中身を半分ほどしか覚えていません、作者も調べて思い出したくらいです。




