59 秘密の場所の中身
東方伯の集中している隙に逃げようとするが瞬間移動ができない。
よく見ると部屋から出る方に一枚の張り紙があった。
『亜空間魔法使用禁止区域約百米効果参千年』
全部漢字で書くとこうなるのか・・・なるほど収納も使えない訳だ、ふと仏血義理とか藍羅武勇とか真出麗羅とか書いたらどうなるんだろうと妄想が膨らむ。
瞬間移動で来れないとなると次いつ此処にあるものが見れるか分からないので色々巻物を中心に見ていく。
色々巻物があったが特にやばい物はなかったがどっちかっていうと壮年の貴族、多分東方伯だろうけど名前も聞いてないな・・・その人が見ている辞典の方がやばい、知識の束なのだ今読んでいるのは酪農の本と思われる。
貴族にかか関わると碌な事が無かったがこりゃ仏血義理だな。
「よし分かった!」そう言うと東方伯は出ていった、どうするんだよ後始末・・・
技術書の本棚の中に変わった一冊があった『嘘つきインディアンジョー』興味を持ってみてみると色々なことが書いてあった。
約百年ほど前まで群雄割拠な時代が有って小さな国が戦争ばかりしてたと言う事からある国が統一国家を樹立したと言うお話だった、どちらかと言えば胡散臭い昔話だったが途中はらりと一枚の紙が落ちた。
拾って見てみるとこの本を書いた城島と言う人が異世界から召喚されていたと言う事、此処の再度の封印の仕方と共に、辞書の類は持ち出さず写本も許さないが必要な時に必要な知識だけ持ち出せるよう協力して欲しいと書いてあった。
『ps味噌と醤油はほぼ王家の独占となった、諦めてくれ・・・どうしても欲しければ巻物の中に召喚があるからそれを使ってくれ、覚えている者ならすべて出せる』とあった。
一応再封印の仕方だけ備え付けの筆記具で写し再度封印する。
『泣くよ鶯平安遷都』
そう唱えると石壁がまた動いて元の場所に収まる、歴史関係でも難しいのでなくて良かった。
階段を上がると執事が現れ恭しく首を垂れる。
「ジョー家の家宰ローススキーと申します、この度は我が主の為に力を貸していただき感謝いたします」
こちらも返礼し名乗る・・・しまったぁ!謀ったなコウ○イ!
「はて?アウンク家と言えば・・・」
アウンク家三年前に当主が140歳でポックリ逝って跡目争いの果てに兵動員したんでお取り潰しになったらしい・・・そんな家名与えようとリストに入れるなよ・・・
一応ローススキーにラーメン鉢、必中ナイフ、召喚スクを貰う事を伝え、再度封印を開ける場合は王都にある屋敷までギルド経由で呼び出しの連絡を入れるように伝えてジョー家を後にした。
地下に居たから気が付かなかったが結構時間たってるな、もう日が沈みかけてる館に戻ってゆっくりしようと瞬間移動を唱えた。