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199_精度を高めるのは趣味の範囲か?

 十分に必要に足る性能があるシステムやら、工具やら材料やらの精度をさらに高めていくのは趣味の範囲ではないでありましょうか、という話題から、実はもっと高度な作品に活かせるので有益ではありますが、時間との兼ね合いとかコストを考えると、やっぱり趣味になりますよね、というぼやきともつかない意見を横目で見つつ、今日のゴブリンが話題をふってみようと思います。


 言葉の使い方やら、その文の構成を工夫することで、わかりやすく、誤解のないように伝えることに腐心する方々が観察されるようですが、そうして、誤解なく伝えようとしたが上で冗長となってしまって、ざっと見て、その文章量に眩暈を覚えて、読み始める意思を奪ってしまうような事例が、厳格なシステム内の意見やら報告やらのやりとりで見られるわけですが、これは本末転等であるのではないかとかは思うのですが、正確を第一と考えると、これはこれで一つの正解例といえるのでありましょうね、とか予想するわけではあります。

 丁寧に読むとくとか根気があれば、意味を正しく理解できる可能性の高い文章、誤解されなくて、明確に何を伝えたいのか、どんなことが起こっているのか説明できる文章を書いてみたいという、要望は叶えられてしまうわけでありますが、それが万人に向いているかと言われてると、そこまで読むのに時間をかけられる方々ばかりでもないのでありまして、内容をかいつまんで説明するような職種が必要になるのでありますが、結局元の文から変形抜粋をすることによって、最初に伝えたいと思った正しい知識が変質してしまうという危惧は、必ず発生するわけでありましょう。


 であるからして、簡便に、シンプルに、わかりやすく、正しく伝える技術を磨こうとか思いたつわけでありますけれども、正確に伝えようとするがゆえに、指示やら、描写やら、読み手に想像させる余地を取り払った文章を書く羽目になるとこれはこれで、どうしても冗長にならざるを得ないわけでありましょう。法律やら、裁判の資料やら、想像の余地を許さない客観的な事象の説明ならば、まあ、これは仕方がないと言いいますか、むしろそちらの方がよろしいかと思いますが、そのような文体で芸術的に感動できるような文章が書けるのでありましょうか?と申しますと、意外といけそうなきもいたしますね。事細かに感情の描写を数値化して表したり、万人に想像の余地がないような描写で書き連ねていく文章とか、すでに実際にありそうな気がいたしますが、これはこれで、実験的で面白いのかもしれません、写術主義と申しますか、完璧な再生が可能な文章媒体という、これはすでに趣味の領域でありましょう、それもかなり業が深いような、ところまで、深淵まで踏み込んでいるような、部類である可能性がありまして、実存するならば、それはなんとも冗長な物語と申しますか描写が延々と続くことのなる、作品となりそうであります。

 すでにどこかにありそうではありますが、数日の出来事を読み聞かせるための描写が、単なる人物やら配置されている小道具、家屋、自然物、室温湿度風向き、天候に至るまでまたは背景に流れるただの音の描写さえ、事細かに書きつつ、心理的な感情の動きを客観的に表記できるように工夫された文章表現を駆使して、正確に伝えようとした文章ならば、その情報量の多さと、文章、という正確に伝えようとするには、その能力が疑問視される道具を使用するというハンデを加味すると、これはもう、数日の物語を読ませるための時間が、数年やら数十年やらのスパンが必要となるかもしれません、それはも、想像するに、面白そうではありますが、実際に読む気がおきますか?と尋ねられたり、眼の前にそのような書籍がどどんと積まれた瞬間に、死んだ魚の眼のようになって虚ろな表情となって、油の切れたアンドロドのようにぎこちなく首をこちらに向けて、読むんですか、本当に、私が、という驚愕の感情を無言のまま伝えてくるような、哀れな、読者を想像して、大笑いをしそうになります。


 正しくそのような作品を書いている方は、趣味の範囲でかなりカットでいるのではないかとか、想像するわけですが、もしかしたら、壮大な冗談を行っているのかもしれません。

 個人が知覚できる十秒の出来事を、事細かに描写したりして数万の文字で書きあらわすとかなら、どうにかできそうな気もいたしますが、いかが?とか無責任に勧めて今日はお終いでございます。


「恋に落ちた瞬間を表すために、数千の文字を駆使するとかは普通のような気がします」

「衝撃の度合いを量り売りしているようなイメージが湧き上がりますな”ご主人様”」

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