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194_効率を求めるのは非効率な遊び時間が欲しいから。

 その人物が求める幸せというものは、その人物ごとに違うわけでありまして、そうは言ってもあまり入出力器官やら脳のつくりやらに大きな違いはないわけでありますから、快楽とか好みというものはそれほど認識がかけ離れているものではないので、理解はできないまでもまあ想像の範囲内に収まる趣味の時間を追い求めるために他へ回すリソースをできるだけ削るために効率化に走るという現象は、想像の範囲内でありましょうね、と、いう長口舌から始まる今日のゴブリンでございます。


 サムネイルで結論まで出ているようなきもいたしますが、生物としての健全な活動限界ギリギリまで攻めて、楽しみを追求しようとかいう人類は確かに存在するわけでありまして、たまにそれを踏み越えてしまって、リアルな世界から脱落しているのを見ると、これはこれで人間らしいですね、とか賛歌を奉じてみたくはあります。

 長く楽しむには、健康に留意するべきでしょう。無理をしてはいけないわけでありますよ、睡眠は大事ですのでご注意ください。などというまっとうな忠告を挟んでみると、中の人の一貫性が損なわれるので、印象に残るかもしれません、言葉遊びの域ではあります。


 とことんまで効率化ができる案件と言えば、人との付き合いでありまして、これを綺麗に切ってしまいますと、なんともまあ、素晴らしいくらいの時間が確保できるわけであります。会話すらしないし、相手に気遣いもしないし、忠告にも煩わされないし、延々と自分の好きなことをしていても、止める対象もいない、つまりは効率化とは、いかに人との接触を避けることができるかという技術の磨き方であるのでしょう、とか暴論っぽいものを叩きつけてみるわけでありますが、別に、珍しい意見でもありませんですし、ちょっと心理学関係の書籍とかを斜め読みしても、人が一番ストレスを感じるのは、結局の所、人であるという、程度のフレーズは山と目にすることであると、予想できます。


 それでは、人と付き合うのが最大のストレスであるならば、それをどうにかしてしまいましょう、と、これもまた色々とそれこそ、山のようなハウツー本で、こうすればよろしいのではありませんか?という提案がされています。その、大量にその手の提言が逆にそれほど効果が無いのでは無いかという結論を導き出しているのは皮肉で楽しいものではあります。他の本が有用では無いと信じるからさらに新しいものが生まれるということでありますから、少なくとも新しく人間関係のハウツー本を書こうとする程度の知性がおありにある方々にとって、現状満足のいくようなその手の本は存在しないという証明をしているわけでありまして、そして、そのての本を書く方は、まあ、少なくとも頭がよろしい、教養のある方でありましょうから、そのような方々でさえ、満足のいかない本を、そこまでではない、少なくとも素人である読者の役に立つはずがないのでありましょう、などと、皮肉げに笑みを浮かべる書評家とか評論家とか、こう泥鰌髭の胡散臭い親父を思い浮かべて、なんとなくニンマリとするわけであります。


 ここまで述べておいて、ではどうすればよろしいのですか、指針はありませんか?などと聞かれた時には、毎回使用している、便利な言い回しがございまして、『その場その場であなたの取り巻く状況は様々、千差万別でありますので、一概にこうすれば良いとは言えないのでありますよ、残念な事でありますが』、と、文にしておけば綺麗に責任やら危険を回避できるわけだありまして、この程度のことを書いておきますと、誰にでもしたり顔で、いろいろ忠告めいたお話を、それこそ衒学的に行うことができるわけです、少なくとも一般向け、万人向けに著書をプロデュースしようと、商売にしようとするならば、必須の考え方であり、その手の本が少なくならない理由でもあるのでありましょうと、予想いたす次第であります。


 ある程度相手の反応を予想して、会話をしてみるとかをし始めるといいかもしれませんね。よく考えて発言しましょう。相手の言うことを遮らずに聞いてみましょう。悪口を言ってはいけません。しかし相手が悪口を言ってきたのなら、それは指摘した方が、いいかもしれません。とか10歳以下の子供相手に学習させている内容を、もう一度人類は復習した方がよろしいのかもしれませんよ。などと嘯いてみて、笑いつつ今日はおしまいです。


「愛を貫くために、仕事を効率化してみました」

「生徒にももっと愛を与えてみてはどうでしょうか?”ご主人様”」

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