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176_貧しい方は幸せですか。

 アンケートを取ってみるなら、これは予想ですが、自分が貧しいと金銭的に不自由していると思っている方はあまり幸せだと感じないのではないでしょうか、何を当たり前なことを言っているのでしょうかという疑問はあるかもしれませんが、世界で一番売れている書物っぽいものによると、貧困であることは幸いなことであるようであります。逆説的なロジックが隠されているのでしょうか、それとも何かをごまかしているのでしょうか、あまり詳しくない上に、この辺りを捻って話題にすると、不謹慎であるとか不道徳であるとか、不信心であるとか各方面から非難を浴びそうな未来が予想されるので一般的な話題へとシフトしていきましょう、というところの今日のゴブリンでございます。


 貧困な層と富裕な層とその対立が時々注目されて、話題になってくることがあるわけでありますが、どうしてそのような層が分断されて存在してしまうかというと、これはもう資本主義でありますからという結論に陥るわけでありまして、短絡的に貧富の差はいけないことであるという論理を推し進めていくと、これは歴史的にも明らかでありますが、共産主義の理論へと突きすすむわけであります。

 結果としてかなり物騒なゴタゴタを得たり、理想に敗れて、失敗した国家があったりして、この共産主義という輩は息も絶え絶えとなってしまうわけですが、どうしてそれらの企てが失敗したのかは、まあ、専門的な記事やら解説やら分析のものが、チョロっと調べただけでもゴマンと出てくるでしょうから特に深く突っ込みませんが、簡単に言うと、人の欲を法律やら決まりごとやらで制御するのは難しかったという雑感が、えられるわけでありまして。


 共産主義と言うのは、得られた利益やら、収穫やらつまりリソースを平等に分配しましょうという考えかたでございまして、適度に手を抜いても次につながるリソースが確保できるのでありましたら、これは全力て手を抜く方々が、まあ予想以上に多かったようようで、破綻した、とか見ている方々が多いようでございます。


 その点資本主義という考え方は、基本人間の欲に忠実なシステムが構築しやすい主義のようでございまして、お金をかければかけるだけリソースを確保すれば確保するだけ、次のリソースが確保しやすくなるという仕組みでございます。しかも、ちょっと工夫が要りますが、血縁へリソースの受け渡しが比較的簡単にできるよでございますし、地域へそのリソースを回避するように回すことで、間接的に高い水準でその資産を回すことができるようになるようです。

 儲けたい、美味しいものを食べたい、綺麗な人と一緒にいたい、面白いことを体験したい、安全が欲しい、などなど、そのような欲求が、資産を運用することでえられる、横槍が入らずに、自分で取ったわかりやすいリスクに見合ったリターンが得られる仕組みが作りやすいのでありましょう。


 でありますから、結構長い間生き残ってきているわけでありますね。個々の能力やら才能やらも、貧富の差が生まれる原因にはなりそうですが、基本的には、この資産というリソースと積み上げてきた歴史が、今、目の前の差となるわけでありまして、無情なようではありますが、今君が貧しいのは、その周囲の環境が、資産を積み上げる過去を重ねていなかったからなのだよ、とか言われてしまって、無力感が半端なく襲い掛かってくような、場面が想像できそうです。


 少し前、動乱の時代やら、法とか権利とか、曖昧であったその頃、少し、もしくはかなり危ない橋を渡ってたり、ちょっと人より早く、資産を積み上げることができた人々が創り上げた環境が、現在の資本主義の流れを形作っているとも言えそうです。それが不平等であるとか、釈然としないとかいう感覚は、それを向けられる富裕層にとっても、いや私に言われても環境のせいでありますから、困るのですが、と困惑するしかないのかもしれません。お互い立場を想像するくらいはできそうでありますが。

 本人のどうしようもないところで決まっていることで、とやかく悩むのは時間のロスでありましょう、という、このどうしようもない所に、資産の環境を入れたくないのは、これは、なんとなくどうにかなりそうな案件であると、何かにごまかされているせいかもしれませんね、とか端で見ているゴブリンはうす目で睨んでいるわけでございます。


「お金の話はね、諦めも肝心なわけなのですよ」

「その代わりに愛は諦めないと”ご主人様”」

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