170_拍子抜けがけ。
タイミングをずらすことで、時代を先取りしようとして、キョトンとされてしまう状況を表現するときに使用してもよろしいかもしれません、積極的にオススメはいたしませんが、などというキーボードの滑り具合が楽しい感じを醸しだしてくれると幸いでございますね、というご挨拶から始まる今日のゴブリンでございます。
日本語というものは、七五調やら、五七調で唱えるとこう拍子が取れて気持ちよいのだそうでございます。どうしてでしょうかと疑問にはちらりと思うわけでありますが、音の響きとか、韻をふむタイミングとかが感性に合うのでございましょうかとか。このあたり専門家の方々は色々と言っているようでございましょう。
例のごとく軽く調べていただかせますと、リズムがよいので、心地よいと感じるのでこの調子がよろしいようでございますという結論がさらりと出てこられますが、それがどうして心地よいと感じるのかというと、結構ぼやけてくるようでございます。なぜか、ここちよいので使用し続けているという感じでこざいます。
聞き取りやすいということもありそうですが、聞き慣れているということもありそうであります。諸言語、英語やらフランス語やら中国語やらの文化圏の方々がここちよいと感じる語句のリズムとの比較などで、文化的な差異によって、つまりは幼い頃から聞き慣れているのでここちよいと感じているのがどうかという検証が可能なように思えますので、どこかでどなたかがやっておられているのだと推測されます。
言語によってここちよいリズムとかが違うというのではないでしょうかと仮定すると、これは異文化で対話をするときにいささか注意が必要なのかもしれません。その言語では美しい、韻を踏んだわかりやす語句群でも、意味がよくわからないキーキーといた音を聞かせられても困りますとか、または不快なリズムに聞こえる可能性があるということでございますから、迂闊な、文化的な発言、芸術的な語句の調べは、意味が通じないだけでなくて、その異文化をベースにした生命体に不快な印象を与えてしまう可能性がある、のではないかとか深読みができるわけでございます。
この辺りさらに踏み込んでいきますと、異文化との対話においてすれ違いやら、それから派生する事件やらを扱うことができて、面白いテーマの作品がありそうでございますし、おそらく、そのようなコンテンツ、映画やら、小説やら、コミックやらですでにあるのではありそうでございます。
例によって特に調べはしませんので、興味があるお方はご自身で調べてくださると、幸いでございます。
異星人に好まれるようななリズムとかが、こちら側では、とてつもなく不快な不安感を掻き立てるような拍子である可能性もありましょうし、逆にこちらのなんともないようなただの歌が、圧倒的に琴線をくすぐるような、文化的な爆弾のような効果をもたらしてしまうような、そのようなストーリーを導き出すような、要素をテーマにしたアニメーションがあったような記憶もあります。
どうしてそのリズムがここちよいのかが判明しないのでありますから、安全策としては一切の拍子を取り除いた文章やら発音やらの対話が必要になるとか、想像も出来ます。抑揚なし、休拍子もなくフラットな音声やら文章で伝達するなら、快不快をなくしてみようとする試みです。
少し想像してみましたが、不気味であるように思います。なるほど、心地よさも不快さも与えないようにして表現する方法というのも、実現は難しそうでございます。
どのような文化圏にもフラットな印象を与える拍子とか、これは発見したり、作成したならば、かなりの需要が見込まれる可能性が、あると断言して、多数の人々を迷わせてみるのも面白いかもしれないと、少し思うゴブリンでございました。
「淡白なのも惹かれるところがありますよ」
「惚れた弱みとか感情がベースになると振れ幅が大きゅうございますな”ご主人様”」




