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158_続きがあるのが幸せ。

 とてもお気に入りの作品があるとします、ジャンルとかメディアとかはそれはそれ人それぞれお好みのものを想像していただければよろしいのですが、一つ鑑賞し終わって、その時に一番嬉しいのは、次にまた感じたり、咀嚼したりできる、続きが存在することを知っていることではないでしょうか、と予想します。


 物語で言えば凶悪なまでの引き展開で、続きはどうなるのだろう、とワクワクしている状態で、次巻が出版されている喜びでありましょうか。昔には、長い間読者から続きを切望されていた中で、数年とか数十年にわたってそれが執筆されず、首を長くして待っているような状態の作品も多いわけでありまして、それが特定の作者さまの作品であれば、俗によく訓練されているファンという形で、ずっと、それはもうご主人様の帰宅を辛抱強く待っている、忠犬のように、表されたり、見立てられたりするもので、そう見られるのも何かこう悲壮感と言うよりは、尊い精神の持ち主のような、褒め称えられるかの存在になり果ててしまうことを望んでいるかのような、何とも言い難い存在に昇華されてしまう方々もおられるようです。


 噂に聞きますと、20年ばかり続きを待っている読者が存在する、SFとかあるそうですね、本編より外伝が長い作者さんとか、昔の作品に少し付け加えて書籍を出版して、まだ生存していますよアピールをしたり、読者というか熱烈なファンという信者はほとんど条件反射でその商品を、カートに入れてしまっているという。ほとんどコレクタの域に達しているような方々ですが、そういう信者さんでも、やはり続きを渇望している、のでしょう、中には続きを諦めかけている方も結構な割合でおられそうではないか、と想像はいたしますが、作者が生存している限り、続きが出る可能性もわずかながら、全くの0ではないと、希望を捨てきれない方々は、それはもう外から見るに、ちょっと哀れな存在のようにも見える可能性があります。本人たちにとってはほっておいてください、余計なお世話ですという言葉が返ってきそうですが。


 商業的な理由で打ち切られた作品とかもありまして、その手の作品は、書いても描いても利益になりにくいので、作者の方のモチベーションも上がらないのでしょうから、これはもう続きはないのでしょうね、としょんぼりとするわけでありますが、なんとすればひょっこりあれ、これあれの完結編でありませんか、と、たまたま訪れた本屋などに、レーベルを変えて存在することを知った時の興奮と、あれ、このシリーズどこまで読んでましたかねとか、もしかして若干筋とか違っているのでしょうか、とか記憶を引っ張り出しつつどこから買い足したら良いのでしょうか、と、悩んでしまって、結局その時は購入を見送ると、もう一度であうことができなくて後悔してしまうという、方々も存在しそうです。


 レーベルが変わると、書籍の形とかデザインとか大きさが変わってしまうので、もうこれは最初から新しいレーベルで揃えてしまいましょうかとか考えてしまうと、予算がいくらあっても足りないわけでありまして、悩ましいものである、という方がいると予想します。

 ただ、このように悩むのもそれが存在するという、どうしようもない幸せがあるのでありまして、全く存在の影が見えない、これからも見えそうにない作品群に比べると、なんとも贅沢な悩みではあるのでしょう。


 作者が亡くなってしまって、そこで終わってしまった物語も多そうです。密かに好きだったのですけれども、これはもうどうしようもないのでしょうと、諦めてしまう方がいる一方、なんとかして続きを楽しみたいと、変わりの継いでくれる作者を探してしまう方もいるようです。

 究極なのは、自分で続きを考えて書いてしまうということでしょうか、これはこれで、結構な数が存在してしまいそうな、予想があります。

 今ある作品が好みで、次が読みたいのならば、できるだけ作者さんや出版社さんが続きを出しやすくするために、購入しましょう、人に勧めましょう、なぜなら、最低でも作者は生きているので続きが期待できるからです、という身も蓋もない提言で、今日はおしまいです。


「恋愛も延々と続きがあるので楽しいのでしょうか?」

「ゴールが見えないのは続きがあるというのと少し違うような気がします”ご主人様”

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