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131_フライングで挑戦できなくなる。

 陸上競技でも、水泳でも、フライングは一回で失格になったり、2回目で失格になったりしたような覚えがあるのですが、公式の発表を待たないで、その新製品の内容を公表してしまった方は、やはりその製品については失格扱いになってもあまり違和感を感じないわけです。

 競技本番については、緊張のあまりフライングをしてしまうという心証も想像できるわけですが、逆に一度フライングをすることで他の競技者にプレッシャーを与える問いう戦法も考えられるわけで、その辺り小賢しいというのか、勝つための努力を惜しまないと、好意的に評価するのか、見る人の資質とか感性に依存するわけでしょうねと予想します。


 みんなで盛り上げよう、カウントダウンをして内容をできるだけ秘密にしておいて、溜めて溜めて一斉に驚いて盛り上がろうと、企んでいる時に、さらりと先行で、ネタをばらしてしまわれると、これはもう台無しであろうなと、予想できるのです。なので、新商品のフライングによるネタバラシというのは、まっとうに楽しもうとするファンの熱意を奪うし、クリエイターのやる気を削ぐ行為であるので、それらのコンテンツが好きで、愛していると言ってもいいような方々は間違ってもしないほうがよろしいです、という意見が多いと予想します。


 知りたくて知りたくてたまらないように意識を誘導させて、発表の瞬間に好奇心を満足させようというプロモーション戦略をとる限り、我慢できなくてちょっと聞きかじった知識やら、盗み見た内容やらから確定情報とか早取りの情報やらを発信したり、収集したりという行為をする人は、まあなくならないであろうと、想像はできます。

 だからと言って、最初からオープンにして、こうやっていってますよ、こんな開発をしていますよ、こんなものを作ろうとしてますよ、この物語はこんな感じで終わらせる予定ですよ、とネタバレ全開で商品のプロモーションをしていくと、これはこれで、好奇心を刺激しないので、購買意欲をそがれるものとなることは間違いなさそうに思います。

 やはりさじ加減が大事ということと、ファンへの教育というか、ここは我慢してください、そうすれば、お祭りが開始した瞬間からマッハで楽しむことができますよ、とか、爆発的に熱狂できて、アドレナリンが溢れて、多幸感に襲われますよと、アドバイスをする、ように舵をメーカー側から切るべきなのでしょうと、思うのです。


 そうとは言っても、他人の知らない自分だけが知っているという立場やら、知識の優位性というものは、ひけらかしたくなるのもわかるので、作成者側は一層、ファンをつかむために秘密の管理というものが必要になっていくのだろうなと、予想はしていますし、実際にそのような方向性に進んでいるのでしょうね、とこれもまた予想しています。


 これを逆にとって、秘密にしているように見せかけて、相手に探らせて、少し、かなり苦労して情報を手に入れさせて、情報の重要度をあげてみようとかいうテクニックもあるようです。与えられる情報よりも、手に入れに行く情報のほうが、価値が高いと思わせる、技術であるのでしょうね。どこかの漫画か何かのコンテンツで斜め読みした知識ですが、なるほど、確かに、下手に隠されると暴きたくなるという心理は、人にはあるのであろうなと、納得いたしました。


 さりげなく置いておくと、誰も気がつかないとか気にしないけれど、実はそれが後半、クライマックスへの伏線になっていたのだな、という物語を作る上でのテクニックは、秘密の使いかたをよくわかってる方が始めたのであろうなと、思うわけです。複数の伏線を仕込んでおいて、状況に合わせて結末へとお話しを結ぶために使用するものを選択して、使用するという技術も観察されます。

 そして使われなかった、あの伏線はどこに行ったのだろうとか、考えるとちょっと面白いですし、その消え去った伏線からサイドストーリーを組み立てるのは、もう少し面白い遊びになるなと、思う人も一定数いそうですね。


 製作者の癖を完全に読んで、予想だけで、隠された秘密を完全に暴いてしまう。これは製作者の能力が低いのか、暴いたものが遠慮していないのか、微妙なところかもしれませんね、と、ぼんやり思って、今日はおしまいです。


「恋愛は予想が難しいです」

「恋愛?なのでしょうか”ご主人様”」

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