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120_偶像数回。

 アイドルと書いて偶像と読む、もしくは逆であるのでしょうか、なんとなくアイドルのお話でございます、今日のゴブリンでございます。

 昨今、アイドルが溢れていると思われているようですが、あまりメディアに興味がない方々にはふーんという気が入らない話題でもありそうではあります。ここで言うアイドルというのは、キラキラでふわふわな服を着た見目麗しい若い男女で基本的に歌歌いであるという定義であるのでしょう。ただ、スポーツ選手もまたアイドルであろうし、将棋や囲碁の棋士、新鋭の科学者だってアイドルになり得るでしょうね、宗教家というか、その御本尊とかまんまアイドルの元祖であると思います。


 偶像を崇めると言うのは、心の拠り所、自分という生き方の基準点をそれに決めるという感じなのでしょうか。行動指針の基本を何か別の対象に求めるような、思想とか信条とかではなくて、そのキャラクターに求めるのが、偶像を崇拝するということ、でしょうかと予想するわけです。

 この辺り、偶像論とか言って、詳しく熱く燃えながら、語る方が多いような気がしますし、歴史的に語られてきたテーマではないかなと予想するわけです。

 偶像崇拝に対して、それを禁止するとか人の宗教の動きはそんな感じで、どこかを軸にして行ったり来たりしているように観測できます。それが、いいのかどうか、とか絶対的な価値は、とか一言ある方がこれはこう山ほどおられるのではないかと、予想するわけです。

 宗教家の中にもおられるでしょうし、思想家とか哲学を専門に研究されていた方とか、芸能関係でお仕事をしているライターさんも、結構静かに熱く深く語る方も多いような気がします。それが好きなので、とかその状況が気に入らないからとか、とにかく不思議なので、解明しようと試みている方々、ちょっと探せば山のように出てきそうですね。


 詳しく語りたいとか、知りたい方はそのあたりを調べてみるといいかもしれません。ちょっとアイドルに熱中しすぎているのかもしれない、と立ち止まって考えることができるタイミングがもし仮にきましたら、客観的に分析することは、それほど悪いことではないと思うのです。

 そこで冷静になれない、冷静になりたくないから、熱狂的な信者ということなのでしょうね、とは思いますが。何しろ、自身の行動規範たり得るものですから、ここを否定されると自分の軸というか、立ち位置が途端にあやふやになるわけで、それはかなり不安なことではないであろうかな、と、予想できるのです。


 過度に何かに寄りかかっていると、それがなくなった時に、自分が保てませんよという忠告は、それが永遠に続くのですという幻想というか思い込みによって、聞き入れられないという現象は、まあ、結構頻繁に観測できるような気がします。それはそれとして、熱狂しているものに限りがあるから楽しめるのです、その祭りを盛り上げなければならないのです、という使命感に燃えている方々も一定数いるかもしれませんね。


 いつか終わることはわかっているのです。それまで崇拝するのです、という客観的に熱狂している自分を見て、それでいてなお、踊っている方々もおられるでしょうね。それが、楽しい、生きている感じがするので、良い、楽しんでいる自分が主体であるけれども、同時に全てをそれに預けている感覚が快感である、ような、冷静な、熱狂的信者、というのはクールでカッコイイイメージがあります。

 こう、我らが女神様のために、行きましょうかね。とか、ニヒルに笑いながら、数が少なくなった武装やら、傷だらけのプロテクターとか装備しつつ、同じようなバカを引き連れて、絶望的な戦場へと駆け付けるような。

 熱狂的な信者軍団というと、綺麗で揃った制服のような、きんきらきんの装備に身を包んで、一糸乱れず、隊列を組んで、信じるものをたたえつつ、抜剣の動作を合わせて、強大な怪物に突撃して行って、薙ぎ払われるまでがセットのような。様式美でありますね。


 ずいぶん楽しそうだとは思いますが、そこまでアクセルを踏み込んでいけないことに、残念と思うか、助かったと思うかは、それぞれの感性なんでしょう。とまとめたようで放り投げてみるゴブリンでございました。


「彼が御本尊でありますね」

「生き仏ですか?加工してはダメですよ”ご主人様”」

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