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現実世界と魔法少女の交流  作者: 藤崎 紫
14/20

シャルの祈り

前話の続きです。読まれていなければ是非読んで戴けると話がつながるかもしれません。


 お互いの自己紹介が済んだ所で話の内容はシャルの話になる。アイズは昔懐かしげに話始めた。

 シャルが教会で歌声を披露するまでには相当な時間が必要だったそうだ。(主にシャル自身の葛藤なのだが)

 その葛藤の末での「一度だけ」という条件でシャルを舞台に上らせ、披露したところ、反響は大きく”次回も”という声が多かった。どうするべきか悩んだ末、シャルにその話をして激論の末、今では教会の看板になるほどの人気を持ち、フレイブルグに数多くある教会の中でも礼拝に訪れる人数の上位にいる。


 シャルの親であるアイズとリーナは元々信徒で出会いのきっかけもこの礼拝だったという。

 アイズは高等教育機関の教師、リーナはフレイブルグの病院の看護師をしていてリーナについてはその日は偶々休みが取れて教会を訪れたそうだ。丁度お隣で祈りを捧げていたアイズがリーナをお茶に誘い幾千もの会話のやり取りを繰り返して、どちらからともなくプロポーズをしていた。

 最初は平凡なファーストコンタクトだが、最後は最高の形でのハッピーエンドと言える。

 その後、初めて出会った教会で式を行い、数年後、シャルを授かったそうだ。

 

 シャルの家庭内事情を聞いた所でこれまで言葉少なめだったリーナがカノンの方を向いて呟いた。

 「シャルは家では・・よくカノンさんの話をしてくれるの。優しい年上の女性がお店の仲間になったって。嬉しそうに。あの子・・引っ込みがちな所があって、人の見る目はないから・・心配だったの。これからも仲良くしてくださいね。お願いします。」

 「こちらこそ、シャルちゃんには何かとお世話になりっぱなしで何も返せていないのですが。今後ともよろしくお願いいたします。」


 その返答を聞いたリーナはほっとしたように顔が緩み、少し笑みを浮かべた。カノンはその笑みを見て

 笑顔で返しながら(やはり、親子だな)と感じた。


 (別視点 シャル)

 「シャルさん、今日は今まで以上に歌声良かったよ。何かいいことでもあった?」

 牧師のクリスは少しにやけ顔で訪ねてきた。正直に答えると馬鹿にされそうだったのではぐらかすことにした。

 「そんなことは無かったと思いますよ。いつも通り歌えていたと自負してます。」

 クリスの目を見てはっきりと答えた私は礼拝室から出ようと足を動かす。

 「すみませんが、両親が終わるのを待ってくれていると思いますので、皆様方お先に失礼します。」

 自分の知識で一番丁寧なおじぎをして部屋から出た。


 今日の賛美歌、主への捧げよりもカノンさんへの想いが届くようにと祈ったものだった。

 午後の賛美歌を歌う直前、褒めて貰えた。それがとても嬉しかった。もっとお話をしていたい。足取りがどんどん早くなっていく。そして広間の扉を開き、まだカノンさん達がいることに安堵しながら近づいていった。


 (視点 カノン)

 礼拝室が少し慌ただしい雰囲気が出ている。どうやら午後の方も終わったようだ。それと同時くらいにシャルが広間の扉を開け、こちらに来ていた。

 カノンはねぎらいの言葉をシャルにかける。

 「シャルちゃん、お疲れ様。喉渇いたよね?紅茶入れようか?」

 シャルはその言葉に少しテンパり気味でお願いしますと伝えた。シャルが午後の賛美歌を歌っているときにコーヒー以外の物として教会の給湯室を借りて、紅茶を用意していた。

 即座にシャルの席にティーカップに紅茶を注いだ。ダージリンの香りが拡がった。

 シャルが一口カップに口を付けると”おいしい”と小声で呟いた。


 シャルが少し落ち着いた所でリーナがシャルに告げた。

 「今度のお休みの日にカノンさん達を家に招待することにしたから」

 シャルは少し固まったがすぐに笑顔になった。私自身もリーナさんからこの提案を受けた時どうしようかと思ったが、セレス・エーデル同伴でということなので了承した。

 こうしてお茶会は日が沈むまで続いた。


 


ここまで読んでいただきありがとうございます。かわいいキャラクターは好きです。シャルにしてもカノンにしてもまだ大人になりかけてない所が出ていて、書いていてほっこりしてきます。

純粋な憧れ・興味は素晴らしいものです。

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