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第1章 初めての勉強会



修学旅行から3日後。


ドゴォォン!!!


「ふぅ、、」


『もう一度やってみろ』


「っし」


(自分の所為でみんなを危険に晒した)


再び立ち上がり、拳を構える。


「ハァ!!」


『やっぱり無理だな』


「はぁ、はぁ、、」


(みんなを危険に晒したくせに自分は魔力を封じられたくらいで何も出来なかった)


『何せあん時の記憶を忘れちまったからな』


「せめて少しでもあん時の事覚えてたらな、、」


『まぁ、感情で動かしたみたいなもんだから正確には使えたことにはなってないからな、それより早く学校行かなくていいのか?』


「あぁ、、そうだな」


(もっと、、強くならないと)


拳をにぎりしめた後、急いで家に帰りシャワーを浴び、すぐさま学校へと向かう。


ジリリリリリリッ


バタン!


「セーフ!」


「おはようカイト」


「うっす」


「相変わらず時間に余裕を持てないのか?」


「余裕ぶってると足をすくわれるぞ〜?」


「うっとうしい」


「それより体の具合はどうなんだ?」


「今日から授業に参加していいとの許可が降りた」


「そうか!んじゃあ俺が相手してやるからまた病院送りにしてやるぜ!」


「たわけ、貴様に2度目の勝利はやらん、なんなら怪我していた状態で丁度ぐらいだからな」


「んだとぉ!?俺なんか本気出せば、お前なんか片手で倒せるんだよ!」


「だったら俺は指一本だ」


「俺は動かないで、指一本だ」


「俺は目を瞑って、魔力を使わず指一本だ」


「だったら俺は逆立ちしながら指一本だ!」


「だったら俺は重力負荷を受けた状態で、指一本で逆立ちしながら、指一本だ」


「なんでそんなに指にこだわるのかな、、」


「はーい!静かにしなさーい!」


「ぐぬぬぬっ」


「ふんっ」


「いよいよ来週定期試験があるけどみんな大丈夫?」


「え?」


「みんなちゃんと勉強しておくようにね〜、んじゃあ〜」


「え?セニカ?」


「まさかカイト知らなかったの?」


3回高速で頷く。


「はぁ、、」


「フンッ、試験すらまともに勉強してないくせに、俺に勝とうなんぞ片腹痛いわ」


「でも前回の小テストでアルベルト君2点だったんでしょ?」


「え!?お前2点だったのか!?ダァーッハッハッハ!!!俺とあんま変わんねーじゃねーかよ!!」


「き、きさまは何点だったんだ?」


「ふっ、、4点だよ」


「なっ!!この俺が、、こんなアホズラに」


「百点満点の1問2点なんだけどね」


「取り敢えずセニカ!」


「うわっ、、なに!?」


「お勉強会しよ?」


「へ?」



場所は変わり、休日のセニカの家の屋敷。


コンコン


「すみませーん!」


少し時間が経つと…


ガチャ


「あらいらっしゃい!セニカからは聞いてるわよ?カイト君でいいのかな?」


出迎えてくれたのはセニカと同じ金色で艶のある髪をしたセニカの母であった。その見た目は勿論セニカの母なので…


「す、すげぇ綺麗、、、あ!は、初めまして!カイトと申します!」


丁寧にお辞儀する。


「あらやだ、そんな綺麗だなんてもう!さぁとりあえず上がってらっしゃい!」


(ファーストコンタクトは大事だ!将来の義理の母になるかもしれない人だからな)


「お邪魔します!」


「ちょっと待っててね、今からセニカを呼んでくるから」


「あ、はい!よろしくお願いします」


広いリビングで1人佇んでいると、奥の方からジタバタした足音でセニカが走ってきた。


「え!?カイト!?」


「よ!」


「約束の時間はまだでしょ!?なんでそんなに早く!?」


「だって家にいても暇だったし、早く会いたいなーって」


「もう!嬉しいけどいや!」


「それはどっち?」


「半々です!取り敢えず待ってて!」


そしてセニカはすぐさま部屋へと走っていった。


「ちゃんと部屋片付けてなかったのか?なんか悪い事したな」


「あら?セニカはまだ来てなかったの?」


「あ、その僕があまりに早く来てしまったので、多分部屋を片付けに行きました」


「まぁあの子ったら、それじゃあ待ってるのもアレだからお話でもしましょうか?」


「はい!喜んで!」

(言い方悪いけど、点数稼ぎは出来るうちにいっぱいとっとかないとな)


「それじゃあ少しお屋敷を歩きながらお話しましょうか」


「はい!」


セニカの母に連れられて屋敷を見て回りながら、セニカの小さい頃の話などを聞かせてもらう。


「アッハハ、今のセニカからは想像が出来ませんね」


「ふふっ、そうでしょ?今は少し大人になったから冷静で大人しく見えるけど、本当はあの子は誰よりも甘えん坊で意地っ張りなの」


「母さん!」


「あらセニカ」


「もう片付け終わったのか?」


「取り敢えず行くよ!カイト!」


「あらやだ、照れちゃって!お漏らしのお話はもうしちゃいましたよ〜フフフッ」


セニカの顔が真っ赤になりながらも、カイトの手を引いて部屋に連れて行く。


ガチャ


「ふぅ緊張したー」


「もう母さんったら!」


「それにしても綺麗な母さんだな!」


「で!?何を聞いたのほかに!?」


「え!?ちょっ、それ以外聞いてないって!」


他にも幼少期の秘密があるだろうが、これ以上聞けば命に関わるかもしれないので、これからは聞かないでおくと心に決めたカイトであった。


「にしても、これが女の子の部屋か〜」


「カイトにはお姉ちゃんがいたでしょ?」


「俺ん家はここほど広くないから、姉ちゃんとは同じ部屋で過ごしてたんだ」


「そうなんだ」


「にしてもここに来て、また改めてセニカが貴族ってことを思い出すわ」


「結構色んな所でそれ言ってるよね」


「それに普段着のセニカも見れてなんか嬉しいし」


「そ、そう?変じゃない?」


「変じゃないって、最高だよ!」


「と、取り敢えず勉強始めるわよ!」


「そうだったな!」


そして夕方になるまでセニカの部屋で勉強を教えてもらったカイト。


「そしてアグシュカ歴1443年、ルヨルド出身、後のルマリア王国初代国王ルマリア・サラザールによって、4つの小国、サニーカ、ラムニル、ザーバック、ルヨルドは平定され、1つの国になったのです」


「あぁー、覚えきれねー」


「この辺はちょっと覚えるのが大変だよね」


「こんな事より、適当に剣だけ振っときゃ昇級出来るようにしたらいいのに」


「ダメだよ、卒業した時に何も知識がなかったら困るよ」


「それもそうだけど、セニカと一緒に旅するんだから、任せても、、」


「もう!教えないよ?」


「ごめんごめん!」


バタン!!


「セニカー!!!パパが帰ったぞー!!」


「え!?もうこんな時間!?」


「どうしたんだセニカ?そんな慌てて」


ガチャ


「セニカ!カイト君を早く隠して!」


「わかってる!いいカイト?絶対に私が合図するまでここから出ちゃダメよ!いい!?」


「お、おう、、どうしたんだよ急に」


「理由は後で説明するから!」


そう言われ、クローゼットの中に無理やり押し込まれ、閉められる。


ガチャ


「やぁ!セニカ!パパが帰ったぞ!」


「あら早かったのねルベルト!」


「おや!?ミランダもいたのか!丁度いい全員纏めてただいまのハグだぁ〜!!」


「もうそんな年齢じゃないし、嫌だ」


「どうして!?昔はあんなにパパと結婚するって泣いてたじゃないか!」


「もう!出て行って〜」


「ルベルト!美味しい紅茶を淹れたから飲みに行きましょ!」


「ん!?なんだこのオスの匂い」


「さっきレクトがわたしの部屋に入ってきただけだよ!」


「いいや!パパにはわかるぞ!これはレクトの匂いではなく、パパの知らない人の匂い、、」


ルベルトが匂いのする方向へと向かい、やがてカイトが隠れているクローゼットの目の前まで来る。


「そこかぁあああああ!!!」


バタン


「ん?誰もいないな、気のせいか?」


「もういい加減にしてよね!パパなんか大っ嫌い!」


「ぬっ、、、心の臓が押しつぶされる、、」


「い、行きましょ!ルベルト!」


「セニカに嫌われてしまった、、ミランダよ、慰めてくれぇ」


ガチャ


「危なかった〜、にしても個性のお強いお義父さんだったな〜」


セニカの部屋の窓を見ると、セニカから合図があったのでテレポートで入る。


「バレたか?」


「正直バレるかと思ったけど、ナイステレポート」


「明るい家庭なんだなセニカの家は」


「むしろ嫌になる程明るいよ」


「失礼だけど勝手にもっとこう貴族だからギスギスした家庭環境なんだと偏見してたよ」


「うちはまぁ、お爺ちゃんの代から貴族に入った家系だからまだ他の貴族と違って権力争いとかよりも、他の貴族に淘汰されないように現状を維持するだけでも大変なの」


「大変なんだなセニカの家も」


「まぁ家庭の事情には興味を持たないように育てられたし、お兄ちゃんが私の事を思って後を継ぐって言いだしたからわたしは自由なんだけどね」


「お兄ちゃんもいたのか、闘技会では見なかったけどどこか出掛けてるのか?」


「うん、今は確かフルフニカ大陸で色々勉強しに行ってるみたい」


そうこう話していると、時刻は夜になり、明日はルフトやラゼッタも連れての勉強会をカイトの家でする約束をし、家へと帰る。



次の日…


「にーに!!あそぼーよ!!」


「ひーひはへんひょうひへいほはひいほ(にーには勉強で忙しいんだよ)」


カイトが勉強している横でエリーゼがカイトのほっぺを引っ張り駄々をこねる。


「アルト君、1+1は〜?」


「あい!」


「正解〜!!凄いねアルト君は!」


「ラゼッタとセニカもアルトに教えてないで俺にも教えてよ〜」


「あたし達より賢い癖になにしに来たのよあんた」


「ひどい!友達なのに!」


「は〜い、紅茶入れたわよ〜どうぞ〜」


「ありがとうございま〜すおばさん」


「カミラおばさん慰めて〜」


「あ、ありがとうございます」


「母さんエリーゼ連れて行ってくれよ」


「やだ〜!!」


カミラがルフトをよしよししてあげ、エリーゼとアルトを連れてリビングに向かう。


「ねぇ聞いた?今年の大陸大会の話?」


「大陸大会つっても、来年だろ?」


「そうだけど、聞いた話によると、もう選考は始まってるらしいよ」


「どういった大会なんだ?」


「大陸各地の学園の各学年から代表者を5名選出して競い合う大会で、規模は闘技大会よりも遥かに大きな大会よ」


「まぁ俺たちの代なら今いるこの中で俺以外は確実に選ばれるだろうな」


「ばか、あんたも頑張って修行して強くなんのよ」


「ルフトも結構闘技会では惜しいとこまで行ったろ?」


「2日目で負けたけどね」


「確か相手は弓術科の生徒だったよね」


「いやー強かったよあれは」


「そういえば結局何が原因で棄権したんだろ」


「まぁあの魔族が何か関係してるんじゃないか?ラムカ先生によると今は休養中だとか」


「結局魔族もどうなったか分からないよね」


「あぁ、俺も聞きに言ったが教えて貰えなかったし、大人の事情ってやつだろ」


「ふーん」


「あれ?ラゼッタその痣どうしたの?」


「ん?あー、これね!なんか結構前からできてて、消えたり出てきたりを繰り返してるの」


「消えたり出たり?なんだその変わった、、ってそれそういえば闘技会の時にもあったよな」


「確かそんときからあったね」


「大丈夫なの?」


「全然平気よ!痛みもなければ、病気もないし」


「まぁでも一応ラムカ先生に診て貰った方がいいと思うぞ」


「うん、わたしもそう思う」


「まぁみんながそこまで言うなら明日診てみるよ」



結局ラゼッタは次の日ラムカの元へと訪れ診て貰う事になった。


「んー、これは初めて見る痣だね、一応塗り薬渡しておくけど、もしそれでも時間経過で治らなかったり、ひどくなった場合はまたおいでなさい」


「はーい、、、って何であんた達もいるのよ」


「暇だったし」

「心配だから」

「同じクラスだから」


「しっし!忙しいんだから早く用が済んだら教室に戻りな!」


「んじゃあ戻るか」


ルフトとラゼッタと別れた後、授業へ向かうカイト達。

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