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頭に隕石がぶつかったら、スペースオペラが始まった。  作者: 大間九郎
二章 さあ、お約束のハーレム展開だ
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深見深と楽園物質

宇宙に出ても会話劇でござるー

 地球を出て結構時間がたってるが窓の外の光景は星ばかりで全く変わり映えしない。もう五日はたってる。


 珠代は結構立ち直ってるようでよかった。結構明るく『ジャルパカ』とも仲良くやってる。


「おにぃちゅわん朝ごはんできたよー」

「はいなー」

「珠代ちゃんなんで僕の分はないのかな~?」

「エイリアンさんの食べるものとか分からなかったんで、作ってないです。テヘっ」

「珠代ちゃん!?」

「かわいいなー珠代はー」

「シン君!?」

 こんな感じで仲良く宇宙生活を楽しんでいる。

 それより俺は取引をした、俺の頭の中の恒星破壊装置、これを『ジャルパカ』はどこかに届けなくちゃならないらしい。さてどこへなのだろうか?

「ねえ『ジャルパカ』この頭の中の装置、誰と取引してたの?」

「そりゃ悪いヤツだよ~」

「悪いヤツなの!?」

「うん、すごく悪い奴らなんだよ~僕の雇い主はある物を悪い奴らに奪われた、悪い奴らは取引を申し出た、ある物と恒星破壊装置を取り替えようじゃないか、なに君たちが暮らしている銀河ではこの装置は使わないだから安心してこの取引に応じていいんだよ~ってね~」

「悪い奴なんでしょ?」

「そりゃもう」

「だったら信用できなくない?」

「信用できなくても取引に応じちゃうくらい大切な物が奪われたんだよ~」

「でも両方持ってドロンって可能性もあるわけじゃん?」

「だから僕が運び屋に選ばれたんだよ~」

「なんで?」

「優秀でつよいからだよ~」

「お前弱いし無能じゃん?」

「シン君!?」

「お前そんな大切な物、居眠りしてて俺の頭の上に落としたの? それは無能って証明じゃないの?」

「シン君、これは君のせいでもあるんだよ~いやほとんど君のせいなんだよ~」

「なにってんの? 責任転嫁? 殴りたおすよ?」

「シン君これはまじめな話本当に宇宙戦争勃発の危機なんだよ~」

「そんなこと知らんわ、戦争なんて好き勝手にやってもらって結構だし、俺そんな『君が戦争回避最後の切り札だ!』って言われてムリクリ話の中心とかに持ってこられてもウザいだけだし、まったく関係ないし、お前のこと殺したいし、今話してるは責任の所在と、お前の無能っぷりだろ『ジャルパカ』?」

「宇宙戦争だよ!?」

「『宇宙戦争』だろ? そんなもん映画で見たわ、最後は地球上に存在するバクテリアにエイリアンが全滅するって話だろ? お前も全滅しろよエイリアンなんだろ?」

「いやいやその『宇宙戦争』じゃないし、まったく宇宙空間に飛び立たないのにタイトルは『宇宙戦争』って題名のSF巨編のことじゃないし、それよりも同じ監督が撮った『スターウォーズ』のほうの宇宙戦争だから。帝国軍と共和国軍だよ~心躍る話だよ~」

「お前ジャバザハットな、俺ジャンゴ・フェット」

「珠代ちゃんは?」

「イウォークのどれか」

「全員端役だね~」

「お前そこそこじゃね?」

「いやいやご謙遜、あなただってエピソードⅤ・Ⅵは結構な活躍だったじゃないですか~」

「でもイウォークの活躍には負けるか」

「唯一、良い者だもんね~」

「原始だけどな」

「原始だけどね~」

「それでお前何が言いたいの殺すぞ?」

「シン君が話の腰を折ったんでしょ~そんなことより宇宙戦争、共和国軍と帝国軍ではないけど、ジオン軍と連邦軍ではないけど、けっこう大きな組織同士が戦争寸前なんだよ~」

「それを止めるのにその奪われたものが必要ってこと?」

「そうなんだよ~」

「その奪ったやつらは悪人で、俺の頭と融合した兵器を欲しがってるってことなのな?」

「兵器じゃ人だよそれは~」

「あん? だって恒星ぶっ壊せるくらいの代物なんだろこれ?」

「壊すんじゃなくて取り込むの~恒星取り込んでエネルギーをその体に溜め込むの~もうその子は七つも恒星を取り込んでいるんだよ~」

「俺の頭ン中に太陽七個!?」

「太陽なんて端物じゃなくてもっとゴツイヤツだけどね~」

「兵器じゃないならなんで恒星なんか取り込んだりするの?」

「恒星を取り込むのはある物を作り出すためだよ~」

「あー凄いエネルギー量なんだもんね恒星って」

「恒星自体のエネルギーを使うわけじゃないんだよ~」

「あん?」

「シン君、恒星がすごい小っちゃくすると何ができる知ってる~?」

「ブラックホール」

「そうだよ~今君の頭の中にはすごい小っちゃい恒星が七つもあるんだよ~」

「あーブラックホール七つ」

「そうなんだよ~それがあるものを引き寄せているんだよ~」

「なに? この前有名になったニュートリノ?」

「あ~惜しいけどちょっと違う、引き寄せてるのは暗黒物質だよ~」

「ダークマター!」

「そう、かなりSF心くすぐられる単語が出てきたでしょ~」

「そりじゃ俺の頭の周りはダークマターでいっぱい!?」

「そんなはずないじゃん、そもそもシン君の頭が暗黒物質引き寄せるくらい高重力になったら地球なんてぷちゅ!だよ~封印されてるの、シン君の頭の中の重力は封印されてるから大丈夫なんだよ~」

「どうやって封印してるの?」

「………………(ぷい」

「なんで顔を逸らすの?」

「…………そこまではわからないよ~」

「知らないの!?」

「その装置よくわかってないんだよね~前文明の遺産的な感じの機械だからブラックボックスが多すぎて再現どころか理論もよくわかっていないんだよね~」

「おまえこれ完全なオーバーテクノロジじゃね?」

「シン君! その言葉はNGワードだよ! もう正統SFとして『SFマガジン』で紹介してもらえなくなっちゃうよ~!」

「いや関係ないから、早川さんだってお前なんか願い下げだから、それにダークマター集めてどうするの? 見えないし、集めても利用法なんてなんもないでしょ?」

「シン君~僕らは宇宙人で星間連絡を個人でできるほどのテクノロジーを持っているんだよ~」

「なになにそれじゃその辺は立証済みってこと?」

「そうだよ~全部じゃないけど、暗黒物質はニュートリノをふくめていろいろな物があるわけ、その全部の総称が暗黒物質って呼ばれてるわけ、その中で『ダルガルサル』って物質がとんでもない有用な力を持っているわけ~」

「どんな力を持ってるの?」

「楽園物質だよ~」

「は? なに言ってんの? 楽園なのはお前の頭の中だろうがボケ」

「ちがうよシン君~この楽園物質はすごいんだよ~生命を生み出して、体を電子にして、すべて手に入る的な宇宙のSF世界だけど決して手に入らないものがあるんだよ~」

「なに?」

「なんだと思う~」

「いや全然思いつかないんだけど?」

「それはピースだよ~」

「はぁ?」

「手に入らないのはラブ&ピースだよシン君~。どれだけ手に入れても、神のようにふるまっても、この宇宙は平和ではないんだよシン君~そしてその平和をもたらすものが~」

「楽園物質」

「そ、ゆ、こと~」

「ヘロインみたいのもんか?」

「シ、シ、シ、シン君!? ヘロインは楽園をもたらさないよ!?」

「あ、あぁそうか悪い悪い」

「そんなものじゃなくて宇宙に平和をもたらす、楽園をよぶ楽園物質すごいでしょ~」

「あーなんかすごいね」

「あらあら気乗りしないようだね~」

「楽園なんかねーよ」

「?」

「この世に、生きてる現世に楽園なんかねーよ」

「あらあらそれはシン君の星の宗教観か何かかな~?」

「そんな立派なモンじゃねーよ、でも楽園はねーよ、どんだけ欲しがっても、欲望のドン詰まりでもそこは楽園なんかじゃねーよ」

「それじゃすべてを手に入れて命すらもコントロールできるようになった僕たちが行きつく先はどこなのかな~?」

「そんなもん決まってるだろうが」

「?」

「ウロボロスだよ、楽園だと思って喰らいついた先は自分のしっぽさ」

「つまり降り出し?」

「そうやって世界はできてんだよ」


             ☆☆☆☆


「ところで珠代お前何そのかっこ? 軍服?」

「へへ、セイラさん」

「いやいやいや、なんでファースト?」

「おねがい……優しくして……父さんにも、ぶたれたことないんだからね(ぽっ」

「いやいやいや、キャラ違うし、そんなあざといセリフじゃないし」



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