ついに成し遂げた
合格発表の日。
三月十五日、辰の刻。
貢院の外壁に設けられた照壁には、赤い紙に白い文字で順位がずらりと並んでいた。見物に来た童生たちが壁を隙間なく囲み、外側の人々は爪先立ちで首を伸ばし、内側の人々は押し合いへし合いをしている。騒ぎ声は半町先まで響き渡っていた。
「誰が受かったんだ?」
「案首は誰だ!?」
やがて榜示が糊で貼られると、すべての視線が最上段の名前に集中した。
県案首、林海棠。
その名前の横には、極めて珍しく知県の直筆評語が、金粉で書かれた赤い紙とともに貼られており、ひときわ目を引いていた。
「幼くして奇質を秉ち、筆は造化に参じ、心に大清を懐き、盛世の元音なり。」
人々は一瞬で沸騰した。
「林海棠……って、あの林家の、まだ九つになったばかりの坊ちゃんじゃねえか!?」
「九歳で県案首だと!? おいおい、人間業かよ……」
「盛世の元音だと? 評価が高すぎるだろう!」
この知らせは瞬く間に海澄県全域に広がり、官道を伝って周辺の府城へと飛び火していった。
——その頃、林家大院。
林伯謙は杖を突きながら書斎から出て、廊下に立ち、遠くから孫の姿を静かに見つめていた。
林海棠はわざわざ榜示を見には行かなかった。今も庭の海棠の木の下に座り、黒い碁石を指先で摘んだまま、目の前の碁盤をじっと見つめている。
ちょうど花の盛りで、薄紅色の花弁がひらひらと舞い落ち、何枚かが碁盤の上に落ちていた。黒と白の間に、鮮やかで不思議な彩りが加わっている。
「おじいさま」
林海棠は振り返らず、碁石を指で弄びながら言った。
「もしこの碁を最後まで打ってみて、向かいに座っているのが人ではなく『天』だったとしたら……どうやって勝てばいいのでしょう? わざと負けてやるべきでしょうか?」
林伯謙は少し沈思した。
この子は学問を教えて以来、妙に老成した物言いをするようになった。いったい誰に似たのだろう。
彼はゆっくりと碁盤の対面に腰を下ろし、白石を一つ摘み上げた。
「天が勝ちたがっているのなら、勝たせてやればいい。お前が最後まで生き残っていれば、それが、お前の勝ちだ」
「勝たせてやる……ですか」
林海棠は小さく微笑み、ふとある人物を思い浮かべた。
——和珅も最後まで生き延びたが、結局は嘉慶に清算された。
「おじいさま、最後まで生き残ったからといって、必ずしも勝ちとは限りません」
林海棠は碁盤を見つめたまま、静かに続けた。
「生きているうちに、次の誰かの駒に成り下がってしまう者もいます。それでも勝ちと言えるのでしょうか?」
林伯謙は彼の横顔をじっと見つめ、言った。
「……前朝の魏忠賢か? それとも当時の年羹堯のことを言っているのか?」
林海棠は答えず、独り言のように続けた。
「正しい主君に一生を捧げ、主君が亡くなった途端、次の主君が最初にすることはその者の粛清だった……そんな人生は、勝ちだったと言えるのでしょうか?」
「書物には『狡兎死して走狗烹らる』とあります。犬であっても、賢すぎ、有能すぎれば、主人はいつか邪魔に思うものです」
「お前が言っているのは、権臣のことだな」
林伯謙の声は穏やかだったが、目には深い思索の色が浮かんでいた。
「自分の根を、主君の心の奥深くまで張り巡らせてしまう者……そういう者のことだ」
「はい。主君が健在の間は天下第一ですが、主君が亡くなれば何者でもなくなります。一生かけて積み上げたすべてが、他人の花嫁衣装にされてしまう……」
林伯謙の目に、憂いではなく、むしろ深い満足の色が浮かんだ。
「自分自身に、警告しているのだな」
「戒めています」林海棠は祖父の目を真っ直ぐに見つめた。「孫は、あの道は歩みたくありません」
「正しい主君に仕えるのは一生の問題ですが、この世には一人の主君しかいないわけではありません。乾隆帝の次には次の帝がいて、その次にもまた……」
彼は言葉を区切り、静かに言った。
「孫は、自分の根を、一人の人間の心にだけ張りたくはない。それはあまりにも、危険すぎます」
林伯謙は長く沈黙した。
やがて、彼はぽつりと言った。
「では、お前はどこに根を張りたい?」
林海棠は黒石を指で軽く握り、考えた末に答えた。
「『事』に根を張ります。正しいことをし、成し遂げた事績に……それらの功績と功徳は、誰かが死んだからといって消えたりはしません」
林伯謙は小さく頷いた。
「よし」
そう言って、彼は一枚の白石を盤上に置いた。
「ならば、そのように打て」
林海棠はその白石を見つめ、しばらくしてから、自分の黒石を落とした。
一黒一白、二つの石が盤上でしっかりと位置を占めた。
その後、祖孫二人は言葉を交わさず、ただ静かに碁を打ち続けた。石が盤に落ちる、澄んだ音だけが響く。
海棠の花弁はまだ散り続け、黒石と白石の間に静かに降り積もっていった。林海棠はそれを払うこともなく、ただ見つめていた。
「若様! 受かりました! 受かったんですよ!」
前庭から突然、興奮した声が響き渡った。
下男の阿福が息を切らして後庭に飛び込んできた。
「旦那様! 若様が県案首を取られました! 一位です!」
阿福は地面に膝をつき、両手で大きな赤い喜報を高く掲げた。
「知県様が自ら評語まで書いてくださって、『盛世の元音』だと! これは一族の面目を施す大慶事です! 外はもう大騒ぎになっております!」
「わかった」
老人の声は落ち着いていたが、目には明らかな喜色が浮かんでいた。
「前に行って、帳房から褒美をもらってこい。林家の顔に泥を塗るでないぞ」
再び庭に静けさが戻った。
ただ、海棠の花弁が、さらさらと落ちる音だけが聞こえる。
林海棠は碁盤を見下ろした。いつの間にか、勝負は終盤に差し掛かっていた。
白に追い詰められていた大龍が、気づけば活路を見出し、逆に白の一角を食い破っていた。
「お前の勝ちだ」
「辛勝です」
林海棠は最後の黒石を指で転がしながら言った。
「おじいさま、さっきの一手……もしわざと息を残してくださらなければ、孫の大龍はとっくに死んでおりました」
「あれはお前が自分で勝ち取った息だ」
林伯謙は首を振り、石を碁笥に戻した。
「府試は四月だ。もう一ヶ月もない。決して気を緩めるな」
そう言い残し、彼は書斎へと戻っていった。




