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子爵令嬢から王子妃になりました!でも王族を抜ける予定です!多分?  作者: 朱井笑美


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「今夜、南の国に向けて東の国を発ちます。王妃様のご実家の侯爵家に立ち寄らせてもらう予定です」

 と伝令鳥を王太子殿下に送っておいた。


 我々が南の国を発つ日は国王陛下のご配慮で、また深夜の5時間ほどの間、王都の道を封鎖してくれる事になった。

 次は南に向かう道なので行きとは逆になる。


 出発の日の夜、私達は神様にご挨拶して伯父や王族の皆様に見送られ、スネイプニルにまたがる。

「やっぱりリリベル妃は王子様がいいねぇ」

「王子様はこちら側ですよ、王女殿下。マックス殿下も金髪です」

「ホントだ!でも忘れてた」

「よく言われるだ」


 確かにマックス殿下は王子らしくない。

 かと言って平民にも見えない。服装や体格のせいで騎士なんだと一目瞭然ではある。

 しかしスネイプニルの騎馬隊所属だし国ではきっと一目置かれた存在なのだろう。

 だけど本人が気負わない雰囲気の方なのだ。


「またいつでも遊びに来て二人とも。マックス殿下も」

「ありがとうございます」

 私達が王都の街に馬を走らせると、沿道には夜にもかかわらず人々がたくさん見に来ていた。

 また何か新聞に書かれるのだろうか…。


 王都を抜けると更にスピードを加速する。

 道が規制されている5時間の間に進めるところまで進まないと野宿だ。

 今のところ、まだ野宿はした事はないけどマックス殿下は普通にあるらしい。でも理由はスネイプニルを連れているからというのも大きいそうだ。


 北の国でもそうなんだな。

 冬場には、さすがに一人は無いそうだが、人数がいる時は雪でかまくらを作るのだそうだ。

 それ“雪国の生活譚”で読んだ!

 確かに南の人が憧れる理由が分かると思う内容が多い本だった。


 走行中は風魔法で空気抵抗を減らし必死にサオリにしがみ付く。

 サオリの全力疾走の時は余計な事は考えず、ただひたすらしがみ付くのだ。そうしないと危険だしサオリも私が全力でしがみ付いているから本気を出せているんだと思う。

 ここが普通の馬とは違うスネイプニルとの信頼感だ。


 ただマックス殿下はこれを魔石なしで、全てご自身の魔力と魔法だけでやってらっしゃるのが凄い。

 研修所の事件でマックス殿下が光の剣をかまえた時、彼の魔力が溢れ出た。きっと女神様の子孫という理由だけでなく、普段からの訓練でも魔力を鍛えてらっしゃる成果なのだろう。


 ちなみにリリベルは短剣なら草レベルから茎レベルにまで光の刃を出せるようになったが、まだ剣とは呼べるレベルにはほど遠い。

 そしてザック殿下の治癒魔法は患部をジワッと温める“血行を良くします”レベルだが根気よく練習を重ねれば、この旅の終盤には虫刺されくらいは治せるのでないだろうか。


 私達は日が昇るまで走り続け、少しの休憩を挟んでまた走る。

 人通りが増えると距離を伸ばせないので早朝までが勝負だが、昼前に無事に侯爵領に入ったようだ。

 サオリがスピードを落とすと2頭が追い付いて来て、街の中心に進んで行くと案内の騎士と思われる方が待ち構えていて先導下さった。


 まあ我々は白馬だからすぐ分かるんだろう。

 本当、スネイプニルでは隠密行動はできない。


 侯爵邸に到着すると屋敷の皆様がお出迎え下さった。

 恐らく王妃様のご両親やご兄弟と思われる方々だ。

「ようこそ侯爵家へ。我が家で西の第三王子殿下ご夫妻と北の王子殿下をお迎えできて誠に光栄です」

 侯爵家当主と思われる初老の男性がそう仰った。


「こちらこそ世話になる。東の王城でも王妃殿下には、大変気に掛けていただいた。とても感謝している」

 私達はまず馬達を厩舎に入れてから屋敷に入る。

 有難い事に厩舎はすでに整えられていて我々は回復魔法をかけてやるだけで済んだ。


 居間に通されると、ここにも私達の結婚式の絵が飾ってあった。

 何で?


「いやぁ〜殿下方の衣装に私どもの領地の絹を献上しました礼に、色々、返礼品を頂戴しまして、むしろこんな立派な衣装に仕立てていただいたので飾らずにはおられませんでした」

「そうですわ。流石にこのレベルのドレスは貴族でもなかなか仕立てられませんが、私達の絹が憧れの物になる事は間違いありませんわ」

 侯爵夫人もそのように言って喜んで下さった。

 それは良かったが…


 ここの絵はザック殿下が私の手をひいて階段を上がる絵姿で、ドレスは半身しか見えていないが火山の国の金糸の布とレースで作られたトレーンやベールがシルクのドレスを引き立てている絵姿だった。

 確かにこの絵をここに送ったのは正解な気がするが微妙に腑に落ちない。

 どれだけ私達の絵姿は種類があるの?


「今は我が家でこの絵を愛でておりますが、そのうち絹製品を扱う侯爵家の商会の店舗のほうに飾ろうかと思っております。ハハハハハッ」

 タダほど怖いモノはないと思った瞬間だった。


 マックス殿下の表情は、もう驚きを通り越してらっしゃった。

 そして私とザック殿下は死んだ目になった。

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