Prepare lunch
……熟睡の条件はなんだろうか。目が覚めた時に、目が冴えていたら…一日中良い調子になる気がする。
「お前ら……いや、言わないでおこう」
「何よ? 言いたいことがあるなら口にすれば良いじゃない」
アリアとともに屋台を軽く巡った後、再び大きなテントの前まで戻ってきた。ロデルはまだテントの外で待っていたようで、私たちの姿を捉えると、すごく微妙な顔をして迎えてくれた。
「楽しんでるなら、わざわざ口に出すことないだろ。もし気になるなら、今のお前らの姿とだけ答えておく」
そう言われて、確認すると……なるほど、以前ここにいた時とは色々と様子が異なっている。頭にお面を付けて、肩にかけたバックは口を大きく開けて、……手元に至ると何かよく分からない水風船のような何かを手に携えていた。
「まあ……こういうこともあるでしょ」
そんなに不自然だろうか、私だって多少羽目を外すことだってあるだろう。
「フィーちゃんはこだわりはあるけど、それ以外は割と大雑把だからね」
「うっさい、あんただって楽しんでたわよね? それだと、私だけが勝手に舞い上がって……バカみたいじゃない」
何故、今日はこうも私をいじってくるのだろうか。祭りはみんなで楽しむもののはず……よね?
「ふふっ、今日はフィーちゃんの意外な一面が多く見れたから、少し、私たちも驚いてるだけだよ。大丈夫、私たちも祭りに浮かれているから」
「……なら、いいわ。そんなことより、ロデルは何をしてるの?」
これ以上、話題を広げるのは傷に塩を塗るのと同じ行為だと思って、空気を変えようとロデルに話を回す。
「ロデルっ、色々買ってきたよ! あっ、二人も戻ってきたんだ……二人とも、私を見捨てて逃げたのに」
懐に色々と抱えてきたベラがこちらに気づくと、笑みを消して、鋭い瞳でこちらを睨んだ。
「あははっ、悪いと思ってるよ。でも、やっぱりあの話に立ち入るのは躊躇われたから。ごめんね!」
「私だって、もっとロデルと……はぁ、案内したのは私でしたね」
軽く息を吐いて、首を振ると、少し頰を膨らませて、ロデルの側に寄りかかっていた。
「……二人とも、俺たちはもう行くから。次は弟のところにでも行ってやるんだろ? 出し物のテントはあっちだから。……おい、押すなって、じゃ、またな!」
雑踏に消えた彼らを暫く見届けると、手持ち無沙汰になった視線が自然とアリアの方に向いた。
「フィーちゃん、そろそろリューくんのところに行こう。祭りの雰囲気もいいけど、少しの休憩時間に分け合うご飯も美味しいよ!」
「そうね。……って、まだ食べるの?」
「だって、まだ食べ足りないよね? さっ、リューくんが待ってるよ!」
アリアに背中を押されて、私も歩みを進める。
祭りの魔力は不思議で、人々を熱狂に落とし込んで、赴く足を軽くさせるのだ。
りんご飴に、チョコバナナ、牛串に、じゃがバタ……ついつい買いたくなってしまうのも、祭りの魔力。
大きい祭りの人混みも、ひっそりと地域だけで行われる祭りも、どちらもえも言われぬ独特な雰囲気がある。
不要であっても、買ってしまうのは好奇心故だろうか。
くるりくるりと回って招かれる
何処かに紛れてどんちゃん騒ぎ
足を止めた静かさも、何処か心地よい




