表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺はドMに目覚めない   作者: 幸運を殺す者
42/66

第四十一話 少年が与えた変化

〈ギルドside〉


早朝、当番ではないにも関わらず早出をしている後輩の姿を横目に見て多少の驚きを見せながら受付に着く。


「ミリーナ、今日は随分早いじゃない。」

「うぅー。誰かに会いたくて〜。リーゼ〜。」


抱きついてくるのを咎めず頭を撫でてやる。

全く、しょうがない後輩である。


「ナイ君はもう関所に着いたかしら。」

「あぁ〜言っちゃだめなのに〜!!ナイくんロスだよ〜戻ってきてー!!」

「はぁ・・・前まではナイくんがいなかったのが普通でしょ。諦めて依頼書の整理でもしてなさい。」


受付嬢をする彼女らにとって、冒険者とは仕事をする上で最も相手する存在である。

当然誰の顔も名前も覚えているのだが、その中でも最近印象深い冒険者が一人現れた。


それがナイ。

出処不明でありながら、はじめての薬草納品の依頼の最中クラスイエローを単独討伐。

大規模討伐時にはクラスイエローを三人逃がし、単独でクラスホワイトと戦闘。

討伐までしたという話だ。

まるで英雄の物語でも聞かされているようである。

年齢が近い後輩がお熱なのも分からなくはない。


「ミリーナあなた何歳だっけ?」

「あたしは十四歳だよ~!リーゼの十個下〜!!」

「今私の年齢と比較する必要あった?」

「わ〜おこったー!」

「はあ、そろそろ時間よ、料理長さん?」

「いってきまーす!」


彼女にも助けられている。

自称冒険者兼、料理長兼、受付嬢ということはある。

一人で本当にそれだけの仕事をこなしているのだ。

受付嬢に関しては、お手伝いに近いが・・・。

冒険者と言う仕事が未だそこまで浸透していないこの王国においてミリーナの存在はギルドにしてみれば宝なのだ。


「よう、仲良くやってるか?」

「いつも一緒にいるんだもん、仲良しに決まってるでしょ。」

「そりゃそうだな。」


やはり時間通り。

朝一番を狙ってこの二人がやってきた。

夫婦冒険者と裏では呼ばれている、クリフとリンダだ。

彼らは朝一にギルドで朝食を食べ、適したクラスの依頼を安定して達成し帰ってくる。

二人を見ていると呼び鈴がなる。

仕事のようだ。


「あら、フリーク。今日は朝を食べずに依頼?」

「・・・いや、お前と話したい。今日は・・・あの小さいのは・・・いないのか?」

「あ、そういうこと。ナイくんのことかしら?彼なら今日からクラス昇格の試練で腐死の鉱山よ。」

「っ・・・そうか。・・・・・・それは心配だ。」

「あなた結構気にかけてるわよね、無視されてるけど。」

「言うな・・・。頼む。」

「あはは、ごめんなさい。」


焦った。

いきなり話したいだなんて。

孤高の狩人なんて呼ばれてる彼だけど、結構いい人なのよね。

声が小さいけど。

大規模討伐依頼の時なんて、数少ないクラスレッドだからって一人で北方の関所の魔物抑えてたし。

高クラスが出ることを身をもって知っているから心配なのだろう。

思えばほとんどの冒険者がナイくんの宝石に注目する中、一人だけ体を心配してたわ。

周りに掻き消されてたけど。


「・・・リーゼ。・・・見てくれ。」

「ん?どうしたの?」

「違う・・・俺の顔を・・・・・・見るな。」


彼は深く被ったフードをさらに深くして顔を隠し、指さす。

見ると討伐証拠預り台の転送先の方に黒くて綺麗な石が転送されていた。


「あれは、ナイくんのね。植物は言ったはずだけど、石なんていいのに。」

「リーゼ・・・鑑定しろ。・・・・・・ゴーレム・・・だ。」

「えっ?あっはいはい・・・」


クラスレッドの彼の言うことだ。

受付嬢の力を見せつける時だろう。


「鑑定。っうっそほんとに。」

「疑ってたな・・・まあいいが・・・・・・。」


戦闘系のスキルの中でも所持者が少ない鑑定。

その効果は物体の出処を解き明かすこと。

少年から転送されたただ綺麗なだけの黒い石。

それはクラスレッドのゴーレムの物だった。


「初日にクラスレッド討伐なんて普通信じられると思うの?」

「あの蜘蛛を・・・一人でやったなら・・・有り得ない話じゃない。」

「そうだけど。あなたあれ本気で信じてるの?」

「あの宝石は・・・紛れもなく本物だ・・・・・・そして、あの価値を知ってるなら・・・譲る奴はいない。」


「でもロイが本物だって言ったからって、ねえ?」

「俺を・・・試しているのか?俺の目に・・・狂いはない。いくら人がいようとも・・・見間違えないさ。」

「ごめんなさい。ちょっとからかっただけ。許して、ね?」

「ふっ・・・お前のことだ・・・分かっていたさ・・・何より同じ鑑定持ちだろ?・・・不安は・・・分かる。」

「ありがと。ほら、あなたの心配してるナイくんは無事にクラスレッドを倒してきてますよ。ゆっくりご飯でも食べてきたら。」

「あぁ・・・そうさせて・・・もらおう。」


気付いたら目の前にはもう彼の姿はなく、食堂に座って食べ始めていた。

孤高たる由縁、彼は速すぎるのだ。

持ち前の素早さと攻撃で斧槍を使うスタイル。

間合いさえ間違えなければ短剣使いのナイくんと相性いいんじゃないかしら。

ナイくんが戻ってきたら提案してみることにしましょう。

勝手にランキング 様 に登録しております。

目次/各話下部にリンクがあります。

もしよろしければ応援のクリックをお願い致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ