第七話 Other side
今回はカッツェちゃん、ヘル、ゲヴィッターの視点のお話がそれぞれひとつづつ入っています。
一応本編なので読んでみていただけると幸いです。
私の名前はカッツェ・リーブリヒと言います。
私は世界でもまれな部類に入る回復魔法の使い手で、そのおかげで有名なエリート養成学校に入学し、Sクラスになることもできました。
その学校の教育の一環として月1回、職場体験があります。
私は今その体験のために治療院にいます。
「それじゃああなたは、ここに来る人たちの治療をお願いね。」
そういわれたので擦り傷や切り傷、打撲など比較的軽症の患者さんを私は次々と治癒していきます。
しっかりと治癒しながら私は目の前のこととは別のことを考えていました。
それは同じクラスになったクリンゲル・ヴァールハイト君のこと。
彼は小柄で、恐らく、Sクラスの中で最年少ですが、妙に大人びていて、…かっこいい感じがします。
いつからか私は彼のことばかりを考えるようになっていました。
「はあ…」
つい口から出たため息に今治療していたおばさんが、
「どうしたの?何か悩み事?」
と聞いてくださりました。
幸いにもこの人で今日の治療は最後です。少しお話をしましょう。
「はい。少し気になることがあって…」
「当ててあげようか?…あんたは誰かわからないが男のことで悩んでいる。違うかい?」
「!…正解です。なぜ…」
理由を問おうとした瞬間に声を被せておばさんは言いました。
「顔に書いてるよ。」
え?そう思って私は自分の顔を触ります。
「ホントに書いてるわけないでしょ…
大丈夫。あなたの気持ちはその男の子にもきっと伝わっている。
だから結果じゃなくて、その気持ちを忘れないようにね。」
それだけ言うとおばさんは颯爽と去っていきました。
「…私の気持ち…か。」
せっかくの職場体験なのになんだか1日目を無駄にしてしまったような気がしましたが、私にとってはなにかをつかむことができたような、そんな1日になりました。
2日目私は昨日と同じ場所に配置されました。
昨日と違い気分が少しすっきりした私は少しでも回復魔法を上達させようと熱心に患者さんを治療しました。
「君は、職場体験中なのに素晴らしいね。」
「何が…ですか?」
「そのやる気だよ。大体の人間はこういうの嫌いなんだ。もちろん私は好きだからこういう仕事をしているがね。
なのに人一倍熱心に治療にあたる。君はすでにプロの域に達している。」
そう院長に言われました。
私はそれがとてもうれしくて、さらに仕事に打ち込みました。
そのかいあってか、私はついに本物の治療師さんの助手として働くことになりました。
「ああ、この患者は重症だ。すぐにベットに運んでくれ。」
「はい。」
私は助手としての仕事を黙々とこなします。
誰かの役に立っている。それが目に見えてわかる職業だからこそ私は回復魔法が使えるようになって良かったと心から思えるのです。
先ほどまでの仕事とは違い、ここには次々と重症の患者さんが運び込まれてきます。
忙しさも先ほどまでとは大違いです。
そんなことを考えている間にも患者さんはやってきます。
さあ、気合入れて仕事しますよ!!
「ふぅ、疲れましたぁ…」
私は休憩室に入ると大きな独り言を言います。
独り言なんてはしたないですが朝から今まで物凄い数の患者さんの治療をしました。
ですがそのおかげでだんだんと魔法の効果も上がっている…ような気もします。
「あ、明日で職場体験は最後ですか…」
なんだか思い出した瞬間に寂しいと感じます。
もう少しここで働いていたい。あと1日しかない。
そんな思いが頭の中をめぐります。
「でも、また来月も来れるし、今日と明日、頑張ろう!!」
私は悩みを吹き飛ばすためにあえて口に出してそういいます。
もっと多くの患者さんに頼りにされるように頑張るぞ!
3日目の朝が来ました。
なんだか治療院が騒がしいです。
なぜなのか近くにいた人に聞いてみました。
「近くの森でドラゴンが出たらしい。その戦いに行った冒険者たちの治療、もしくはサポートに行くことになるから、準備してくれ。」
ドラゴン!!騎士たちが何人も集まらないと相手にされないほど強いあのドラゴンでしょうか?
「それに、冒険者…クリンゲル君、カームちゃん、大丈夫かなぁ。」
私はとても心配になって一刻も早く現場に向かいたいと思う気持ちを抑えきれずにいました。
ついに森へと出発しました。
もうすでに森が見える位置まで来ましたが特に何も変わった様子は見られません。
と、思っていましたが、
「なんだ?あれ?」
「あの黒いのは…まさか…!」
「ドラゴンじゃないか!?」
とても大きな影が森の真上に見えました。
もしも、二人があのドラゴンに目をつけられていたら…
そう考えると、背中がぞっとしました。
ようやく森の中の広場につくと多くの人がドラゴンと戦っていました。
見た限りでは二人はその中にはいませんでした。
危険だから連れてこられなかったのかもしれない…
そう思うと一気に安心して全身の力が抜けてしまうようでした。
でもそうしてはいられません。
私も皆さんと共に戦わなければ!
「援護します!『サンダー』!」
私は無詠唱で『サンダー』を撃つとドラゴンの近くで倒れていた冒険者さんを救助しに行く。
しかしドラゴンには大したダメージもなく、気に障ったようで私を標的にしました。
「こんな時に…」
思わず悪態をついてしまいます。
彼なら…クリンゲル君ならこんな奴きっと瞬殺してしまうでしょう。
「偉大なる神よ、我ここにその力欲したもう!その力持って神の敵打ち砕き消し去らん!
『テラサンダー!!』」
この魔法を使うとしばらく私は魔法を使えなくなるのですが…
今はそんなことでうじうじ言ってる場合じゃありません。
流石のドラゴンもこの魔法では動きを止めざるを得ないようでした。
「さぁ!早く!今のうちに!」
私は近くで戦っていた冒険者さんに瀕死の冒険者さんを助けるように指示を出します。
その冒険者さんはおろおろしながらも瀕死の冒険者さんを担いで戦線を離脱しました。
私もすさまじい倦怠感と戦いながら必死にドラゴンから離れようとします。
しかし私は今ドラゴンの標的になっています。
ドラゴンが簡単に私を逃してくれるわけはありません。
ドラゴンが足を止めている今のうちに。
そう考えて必死に足を動かしますが全く力が入りません。
「あと…少し…」
そうつぶやいた瞬間、私の後ろにはある程度回復したドラゴンがいました。
そのままドラゴンは私をまたいで私の正面に立ちます。
(あ…私…死ぬんだ…)
そう思うと自然と目から涙がこぼれ落ちました。
その時でした。目の前のドラゴンがいきなり横に吹き飛んだのです。
「何が起こって…」
私には理解できませんでした。
しかし反射的に私の体は動き、ドラゴンの死角に入り込んでいました。
一瞬で緊張の糸が切れて、これまでの疲労が私を襲います。
でもまだドラゴンは倒れていないのです。気は抜けません。
そういえば誰がドラゴンの巨体を吹き飛ばしたのでしょうか。
ドラゴンが吹き飛んだ方向の反対を見ると、
冒険者4人のパーティがいました。
きっとあの人たちがドラゴンから私を助けてくれたのでしょう。
ドラゴンの方を見るとその巨体が仇となりまだ立ち上がることができないようでした。
「今のうちに!畳みかけろ!!」
パーティのリーダーらしき人がみんなに号令をかけました。
冒険者の皆さんは鼓膜が裂けるほどの雄たけびを上げて、ドラゴンに向かっていきました。
ドラゴンも必死に抵抗していますが立ち上がれていないために尻尾を振り回すことや噛みつくことしか出来ていません。
しばらくドラゴンのうめき声と冒険者さんの雄たけびとが聞こえていましたが、いつの間にか冒険者さんの声だけになりました。
ドラゴンとの戦いが終わったのでした。
しばらくたって回復した私はけが人を治療して回っていました。
そんなときに森の奥の方の茂みがガサガサと揺れて黒い影が出てきました。
皆さんは魔物かと思い、警戒を強めましたがその陰の正体は、
「クリンゲル君…?」
少しの傷と、煤まみれになった体でしたがクリンゲル君でした。
その横には無傷のカームさんがいました。
「無事でよかったですぅぅぅ!」
私は無意識のうちにクリンゲル君に抱き着いていました。
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僕はヘル・プリンツ。
今日は職場体験で騎士団に来ていた。
「じゃあ、君も今日から三日間、訓練に参加してもらうということでいいか?」
「はい。大丈夫です。」
僕は騎士団長にそう返事をすると近くにいた騎士について行って、訓練場に向かった。
騎士団の訓練は一言でいうときつかった。
しかし、今の自分の力がどれだけ弱いのか、逆に自分の武器はなんなのかが分かる、とてもすばらしい内容だった。
最初に実力を見るという名目で騎士と手合わせをしたのだが、数度打ち合わせただけで剣を弾かれ、負けてしまった。
そして騎士はこう言った。
「君には才能がある。しかし、活かし切れていない。
君の武器は今はロングソードのようだが、それではない。
君は槍の方が向いているだろう。」
言われた通りにして近くにあった槍でもう一度試合をしてみる。
すると先ほどまでとは違い、武器が僕の手に吸い付いてくるように馴染む。
初めて使った武器にもかかわらずだ。
結局は負けてしまったが、騎士にも何度か攻撃を当てることができた。
その後の訓練で騎士団長が、
「君は素晴らしい才能がある…ぜひ卒業してから入団してほしい。
まあ、それを決めるのは君だから今はどうでもいい…
ところで君には私自ら戦いを教えようと思うのだが、良いか?」
といった。
僕には断る理由がないので二つ返事で了承した。
するとどうだろうか。きつかった訓練がさらにきつくなり、吐いた。
「どうした!貴様の覚悟はその程度か!?立て!!」
鬼だな。
その日の夜、僕は貸し出された宿舎に向かう途中に騎士に話しかけられた。
「君…大丈夫だった?」
「ええ、何とか。」
「あの人の教え方は確実に強くなれるけど、死ぬからね。」
「え?」
「いや、死人が出たこともあるんだ。」
「そ、そんな?」
「まあ、君にはそこまでしないと思うけど、無理だったらすぐに言うんだよ?
僕が何とか掛け合ってみるからさ。」
「ありがとうございます。」
死人が出るって…どんだけだよ。
ああ、いきなり僕の命がなくなるかもしれん。
翌日、僕は昨日と同じように一通り体を温めてから騎士団長のしごきを受けていた。
「足元ががら空きだぁ!!」
「くっ…」
やはりきつい。でも、ここまで来ればあとは意地で何とかしてやるぞ。
僕はがむしゃらに突っ込んでいくのを止め、いったん距離をとる。
相手は剣だ。距離を取れば槍が勝つに決まっている。
僕は素早く、突きを繰り出す。
「そうだ!それでいい!」
そう言いながら体を少しずらすだけで避ける騎士団長は人間を辞めている。
だんだん近づいてくるので僕はもう一度距離を取り直し、今度は単発だが、鋭く、速く突きを繰り出した。
「!?」
騎士団長は動揺したのか、攻撃が鎧をかすめる。
これなら…!!
「今の突きは良かったぞ。」
「ありがとうございます。」
「…これからお前に私の技を授ける。これができるようになるかどうかはお前次第だ。
やってみるか?」
「はい!」
そういって騎士団長は武器を槍に持ち替えて構える。
「この技の名前は『絶世』という。名のとおり相手をこの世から絶つ技だ。
これを使うにはまず絶対に相手を殺すという意識が必要だ。
腕を使って突くのではなく体の筋肉をすべて連動させて放つんだ。
全身の力をくまなく槍の先に集めるんだ。」
と、言うと木の人形に向き直り、
「『絶世』!!」
と言って技を繰り出した。
一瞬、騎士団長の右肩から先が見えなくなり見えたと思ったら木の人形の心臓の部分にぽっかりと穴が開いていた。
「…これを僕が?」
「ああ。お前ならできる。」
そうして特訓が始まった。
「違う!そうじゃない!肩をひねるんじゃない!腰をひねるんだ!」
僕は『絶世』を習得するためにただひたすら槍をふるっていた。
やっているうちにだんだんと意識がぼやけてくる。
槍を無心でふるった瞬間、
ドパンッッ!!!と音がして、木の人形の頭が粉々になっていた。
「…成功だな。まだまだ甘いが。」
「…僕が…成功?」
もう一度やろうとしてみるができない。
「なんだ、偶然か。じゃあできるようになるまでそこでやってみろ。」
「はい!」
僕は槍をふるい続けた。
そしてついに…
ドパンッッドパンッッと成功し出した。
「無心で…」
僕は規則性に気付き槍を振るう。
ドパンッッ!!
成功した。
「よっしゃぁぁぁ!!!」
ついに僕は『絶世』を成功させたのだった。
三日目、僕はいつもと同じように訓練場に向かう。
すると、そこには騎士団長がいて、
「おう、来たか。じゃあ、始めるぞ。
今からお前にはここにいる騎士たちと戦ってもらう。」
「む、無理ですよ。」
「いや、大丈夫。死にはせん」
そうして無理やり現役の騎士たちと戦うことになった。
「まずは一人目だ。じゃあ、用意…始め!!」
僕は先手必勝だと突きを繰り出す。
「うっ…」
いきなり騎士は直撃を喰らい倒れた。
「勝者、ヘル。」
え?勝っちゃった。
その後もほとんど苦戦することなく勝利してしまった。
「じゃあ最後は私だな。」
そういうと、騎士団長はロングソードを手に持ち、構える。
「さあ、来い。」
僕は突きを連続で繰り出す。
「ふん!」
全部をよけるか捌くかしていとも簡単に退ける。
「この程度か?」
話しながらも攻撃の手は休めていない。
僕は一度距離を取って槍を腰だめに構える。
「『絶世』!!!」
ドパンッッっと音がして騎士団長の兜が吹き飛ぶ。
「…やるじゃねえか。」
口から一筋の血を流しながらそう僕に告げる。
「手加減は無しだ。」
これまでよりさらに騎士団長の速度が速くなる。
それと同時に攻撃も重くなる。
僕はそれらを捌きながらたまに反撃を加える。
しかしその程度では全くダメージは与えられない。
それを察して『絶世』を何度も打ち込む。
それらは避けられるが距離を取るのには十分だった。
もう一度、全力で自分にできる最高の『絶世』を放つ。
今度は鎧の肩の部分を弾き飛ばす。
撃った瞬間の一瞬の硬直を狙って騎士団長が足払いを仕掛けてくる。
僕はそれをよけきれず地面に倒されると、ゆっくりとロングソードが僕の目の前に突き付けられる。
「参った…」
僕は敗北を認めた。
しかし、騎士の皆さんから惜しみない拍手を受けた。
「まあ、良かったんじゃないか?」
「ありがとうございます。」
「これからも精進しろよ。」
「はい!」
こうして僕は三日間の職場体験を終えたのだった。
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俺はゲヴィッター・テンペストだ。
俺は職場体験で魔法師団に来ていた。
「よし、ではあの的を最速の魔法で撃ってみるんだ。」
「はい。」
そして俺は得意な雷の魔法を打ち込む。
「疾き雷よ雷獣と化し標的を消せ。『麒麟』」
魔法を放つと体が雷でできた雷獣が的を貫き、姿を消した。
「…まぁいいだろう。」
微妙な返答だが合格はもらえたようだ。
「この魔法師団に来たからには魔法がそれなりに使えると自負しているということだろう…しかし、ここではその自信は一度捨ててもらう!
ここにいる者たちは少なくともこの国ではトップレベルの魔法使いたちだ。
君たちは最初からそのことを頭に置いておいてくれ。
まあ…そんなことしなくても打ち砕かれるだろうがね。」
なんだここ。結構面倒臭そうな予感がする。
まるでクリンゲルの飯をちょっとつまみ食いしたことがばれた時のような…
「それではまず、訓練に入る!ほかのところでは知らないがここでは実戦形式で訓練するからな!」
と教官から指示が出る。
「それぞれ実力が同じ程度のものとペアを組むように!」
って言われてもな…俺と互角の魔法が使えるのはクリンゲルくらいだしな…
まあ、あいつは手加減して俺と同じだからな。
俺なんか足元にも及ばないが…
とか考えていたら俺一人がペアが組めずにぼっちになってしまった。
「ん?君は余ってるのか…では私と組もうではないか。」
「え?はい。」
教官と組むことになってしまった。
クリンゲルの「面倒臭いことに関わると死んじゃう病」がうつったのか!?
頭が痛い…
「では、魔法を撃つぞ?…ああ大丈夫。手加減はするから。」
「魔力よ、大いなる火を司る精霊よ、相手を焼き尽くす地獄の炎となれ『ヘルファイヤ』」
真っ黒の炎が俺に向かって飛来する。
絶対こいつ手加減してねえな。
俺はイラッと来たので相手の魔法を消し去ることにした。
「神よ!自然ならざる現象を消し去り給え!『ディスアピア』」
この魔法は目の前の魔法を消し去る魔法だ。
クリンゲルが使っていたので教えてもらったら習得することができた。
目の前の黒い炎が一瞬で消え去る。
「なん…だと…」
なんだとじゃねえよカス!てめえなんかクリンゲルの足元にも及ばねえよ!
「どうしましたか?」
「…君はとりあえず団長の補佐に回りなさい。」
なんだかすっきりしたぜ!
団長のところへ行くと
「ああ、やはり君の相手はいなかったか…」
「ええ。」
俺はあえてそう答える。
「…三日間遊んでいいよ。」
「え?」
「多分君、私よりも魔法の腕は上だから。逆に教えてくれよ。」
「…ああ、一つだけ魔法の腕を上げる方法があります。」
「なんだ?それは?」
「自分の気持ちですね。」
「そんなもので変わるのか?」
「はい。絶対に相手を仕留める気持ちで魔法を撃つと良いようですよ。」
「そうか…参考にさせてもらうよ。」
なんだかよくわからないうちに俺は魔法師団のトップに魔法を教えることになってしまった。
しかし、特に教えることもないのでただただ基本の練習をしてもらった。
あれ?もしかして俺の三日間が一番地味なんじゃね!?
こうして俺の三日間は地味に終わったのだった…
と、思っていたが!一つだけ大きな出来事が起こったのだ!
そう!あの最初にプライドをズタズタにした教官が俺に決闘を挑んできたのだ。
「おい!私と決闘しろ!」
と言われたので、地味な三日間になるのは嫌だったので快諾すると、
「ふん、度胸だけはあるようだな。」
とバカにしてきたので、
「あなたこそ一度ボコられた相手に突っ込むなんて…無謀を通り越してバカですね。」
と言い返してやった。
顔を真っ赤にしていた。だるまかよ。
決闘の日、俺は正々堂々と約束の場所に向かっていた。
「どうやろうかな?」
相手をいかにぼっこぼこにするかを考えていた。
そしてやってきた決闘会場。
そこにはすでに教官がいた。
「さあやるぞ!」
やる気満々なようだ。
決闘開始の合図と同時に相手は魔法を放ってくる。
「炎よ!相手を貫く矢となれ!『ファイヤアロー』!」
俺はそれをよけると、
「風よ!目の前の敵を切り裂け!『サイクロン』」
一瞬で教官は吹き飛び、倒れた。
「…勝者ゲヴィッター・テンペスト」
あれ?やっぱり地味じゃねえか!?
こうして今度こそホントに俺の結局地味な三日間が終わったのだった。
いかがだったでしょうか。
視点を変えながら書くのは難しいですがこれも僕の小説家としてのレベルを上げるための第一歩として頑張っていきたいと思います。
次回も金曜日に投稿します。
感想、ご意見、質問等お待ちしております。