↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49歳独身ニートパチンカス転生したら最強魔術師になっていた件 〜確率変動と確定演出で異世界を高速消化します〜  作者: 吉田修造


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
2/2

消化効率と大連チャン

「で、では……次、405番! 前へ……」

試験官の声はまだ震えていた。

壊れた魔力測定器の煙が漂う中、後続の受験生たちは完全に引き腰だ。俺の後ろに並んでいたヤツなんて、生まれたての子鹿みたいに膝をガクガクさせている。

(いや、そんな怯えなくても……。台の機械トラブルなんてホールじゃ日常茶飯事だろ。エラー解除待つだけだって)

俺は心の中でつぶやきながら、指定された待機エリアへと移動した。

魔力測定(保留チャージ)の試験が終わると、次は実技試験——『標的への攻撃魔術』のテストだった。

広いグラウンドに設置されたのは、魔法耐性を付与された重厚な鉄製の標的(ターゲット)。

受験生たちは一人ずつ前に出て、呪文を唱えて火球や氷の矢を打ち込んでいく。

「——いでよ猛りし炎、我が糧となりて敵を穿て! 『ファイアボール』!!」

隣のラインで、良家の坊ちゃん風の少年が朗々と呪文を詠唱していた。

ポーズを決め、約10秒ほどかけて放たれた火球が標的に命中する。

ドカン!

標的の鉄板が少し赤くなり、表面が凹んだ。

周囲の受験生から「おおっ!」「さすが名門の御曹司!」と歓声が上がる。当の本人はドヤ顔でドックンと胸を張っていた。

だが、それを見た俺の感想は一つしかなかった。

(……詠唱、なっが。消化効率悪すぎだろ)

1回の攻撃に10秒もかけてたら、1時間で360回転しか回せない計算だ。そんなテンポの悪い台、今のパチンコホールじゃ即客が飛ぶぞ。速さこそ至高、即当りこそ爽快感の醍醐味だ。

「次! 受験生404番、ゼン!」

試験官に呼ばれ、俺は標的の前に立った。

周りの受験生たちが一斉に固唾をのむ。

「おい、例の測定器を壊した奴だぞ……」

「どんな恐ろしい大呪文を詠唱する気だ……?」

視線が痛い。だが、魔法の理論なんて1ミリも知らない俺に、長々とした詠唱なんてできるわけがない。

(要するに、手元から一番威力の高い『玉』を爆速で飛ばせばいいんだろ?)

俺は標的に向けて右手をかざした。

脳内で思い描くのは、P機特有の『高速消化モード(アタッカー開放中)』のイメージ。

体内の魔力をヘソにストックし、一気に右打ち(アタッカー狙い)で流し込む!

ピピピピピ……!!

脳内で連チャンアタッカーの開放音が鳴り響く。

「……【無詠唱】……ッ!?」

試験官が目を見開いた。

俺の右手の前に、レインボーの魔法陣が一瞬で10重に展開される。

(来い! 消化スピードMAX! 怒涛の10連チャン!!)

シュババババババババババババババッ!!!!!

「なっ……!??!?」

呪文の詠唱など一切なし。

手元から放たれたのは、拳大の極大雷撃弾『サンダーボルト・レインボー』。

それも1発や2発ではない。1秒間に数発という狂ったような連射速度(高速消化)で、怒涛の10連撃が標的に叩き込まれた!

ズガガガガガガガガガガガガガアンッ!!!!

1発目で標術の鉄板が蒸発し、

2発目で後ろの防護壁が砕け散り、

3発目〜10発目で、グラウンドの奥にある小山ごと跡形もなく消失した。

爆風と土煙が吹き荒れ、試験会場全体が静まり返る。

「……あ」

俺は煙の向こう、影も形もなくなった山を見て冷や汗をかいた。

(やべ……やりすぎた。右打ちなのにハンドル捻りすぎてオーバー入賞(過剰火力)しちゃったわ……)

あまりの威力の前に、受験生たちは腰を抜かしてへたり込み、試験官は泡を吹きかけて倒れそうになっている。

「無、無詠唱で……最上位雷撃魔術の……十連打……!?」

「標的どころか……演習場と……裏の訓練山が消失したぞ……!?」

静寂の後、雷鳴のような歓声が巻き起こった。

「す、すごすぎる!!」

「これが伝説の古代魔術……!」

「天才だ……いや、魔術の神だ!!」

熱狂する周囲をよそに、俺は手元を見てふーっと息を吐いた。

(ふぅ……初当りからのRUSH完走、余裕だったな。出玉性能(火力)も申し分なし)

パチンコでいうなら、一撃万枚オーバーの大勝利だ。脳汁がドバドバ出て止まらない。

こうして実技試験もトップの成績(というか測定不能)でパスした俺は、無事に王立魔導学院への入学と、全額免除の特待生寮への入居を勝ち取ったのだった。

「よし……これで家賃ゼロ、三食昼寝付きの最強引きこもり生活のスタートだ!」

俺は満面の笑みで、あてがわれた豪華な寮のベッドに飛び込んだ。

49年間のニート生活で培った『引きこもり力』を、この異世界で存分に発揮してやる——そう心に誓いながら。

ここまで読んでいただきありがとうございます!

「続きが気になる!」と思っていただけたら、ぜひページ下部のブックマーク登録や、評価の「★★★★★」をポチッと押していただけると、めちゃくちゃ執筆の励みになります!

次回第3話は「引きこもりたいのにトラブルが向こうからやってくる(?)編」です。お楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。