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49歳独身ニートパチンカス転生したら最強魔術師になっていた件 〜確率変動と確定演出で異世界を高速消化します〜  作者: 吉田修造


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ヘソに入れれば確定演出!?

初投稿です!よろしくお願いします!


※この作品にはパチンコ用語やオカルト表現が含まれます。


※この作品は書き溜め分を順次投稿しております。しばらくの間、毎日14時ごろ更新でお届けする予定です

朝6時、気温3度。

並びの42番目。吐く息は真っ白で、かじかんだ指先はもう感覚がなかった。

「……今日こそ、スマパチで巻き返す……」

それが、49年の生涯で俺——佐藤善三(さとうぜんぞう)が残した、最後の言葉だった。

親のすねをかじり倒し、実家の子供部屋と近所のホールを往復するだけの人生。49年間、定職に就いたことは一度もない。世間からはゴミだのクズだの言われてきたが、俺には誇れるものが一つだけあった。

49年間、毎日ホールに通い詰めて磨き上げた『台の挙動と波を読む圧倒的な嗅覚』だ。

だが、極寒の開店出待ちによる急激な血圧変化には勝てなかったらしい。意識が遠のき、視界が暗転する直前、俺の脳裏に浮かんだのは「今日の狙い台、座れたのかな……」という未練だけだった。

◆

「——おい! 聞いているのか、受験生404番!」

怒声で目が覚めた。

眩しい光に目を細めると、そこはホール……ではなく、古代ギリシャの神殿みたいな巨大な大理石のホールだった。

周りを見渡すと、刺繍の入った高級そうなローブを着た10代半ばの少年少女たちが、ズラリと並んでこちらを睨んでいる。

「な、なんだ……? 新台の整理券配布か……?」

「何をボケッとしている! 次はお前の番だ、前に出ろ!」

厳めしい髭を蓄えた老人が、壇上の巨大な水晶玉を指さす。

自分の手元を見て、俺は思わず二度見した。

……しわくちゃでタバコ臭かったはずの俺の手が、すべすべした若い男の手になっている。

着ているのもヨレヨレのジャージではなく、質素な布の服だ。

(マジかよ……これ、ネットで見た『異世界転生』ってやつか……?)

頭の中に流れ込んできた記憶によると、俺の名前は「ゼン」。18歳。

どうやらここは「王立魔導学院」の入学試験会場らしく、目の前にある水晶玉に手をかざして魔力を測定するらしい。

「ほら、早くしろ! 魔法理論の筆記テストが0点だったのだから、せめて魔力測定くらいまともにやってみせろ!」

試験官の老人が苛立ちを隠さずに吐き捨てる。

周りの受験生たちからもクスクスと失笑が漏れた。

「筆記ゼロ点だってよ。どこの馬骨だ?」

「魔力回路の基礎すら理解してない出来損ないだろ。どうせ測定器も光らんよ」

雑音が耳に入るが、49年間パチンカスとして生きてきた俺の心には一切響かない。ホールで隣のオバチャンに「アンタ引きが悪いわね」と言われるのに比べたら、こんな煽りは蚊の刺したようなものだ。

(魔法理論とか言われても知らんがな……要するに、この台(水晶玉)に玉をブチ込めばいいんだろ?)

俺は静かに水晶玉の前へと歩み出た。

「ふん、無駄な抵抗を……」

試験官が鼻で笑う。

俺は水晶玉の上に、そっと両手をかざした。

魔力の流し方なんて分からない。だから、俺はいつもの『祈り』を捧げることにした。

パチンコ台のレバーを引く時、ボタンを押し込む時、脳内で思い描くあの最高のイメージ——。

(頼む……ヘソに入ってくれ……! ここで当たらなきゃ天井だ……!)

体内の奥底、丹田のあたりから、熱い塊がニュッと湧き上がる感覚がした。

それが右腕を通って、水晶玉へと吸い込まれていく。

チャリ〜ン……

脳内で、パチンコ玉がスタートチャッカーに入った軽快な効果音が響いた。

(よしッ! 保留が点灯した……!)

次の瞬間、俺の視界が一変した。

目の前の水晶玉の内部に、青い文字でハッキリと文字が浮かび上がったのだ。

【予告:信頼度 5%】

(あ? 青文字……? ふざけんな、初手で青保留とか単発確定じゃねぇか!)

俺は思わず歯を食いしばる。

このままじゃハズレて不合格だ。49歳の意地がある。異世界に来てまで「単発駆け抜け」なんて惨めな思いはしたくない。

(来い……変われ……! 頼むから色が変わってくれぇぇぇ!!)

俺は手にぐっと力を込め、体内の熱い塊を限界まで絞り出して水晶玉に流し込んだ。

キュキュキュキュイーン!!

脳内で、あの甲高い『保留昇格音』が鳴り響く!

水晶玉の中の文字が、一瞬で書き換わった。

青 ➔ 緑【信頼度15%】

緑 ➔ 赤【信頼度60%】

「おい、水晶が赤く光り始めたぞ……!?」

周囲の受験生からざわめきが起こる。試験官の老人も目を見開いた。

だが、俺のオカルト魂はこんなところじゃ止まらない。

赤保留なんて余裕で外れるのが今のパチンコだ。勝ち確(確定)まで持っていかなきゃ安心できねぇ!

(押せ! 押せ! レバーを引けぇぇぇぇぇ!!!)

心の中で、筐体のデカボタンを思い切り叩き込むイメージをぶちかました。

ピキィィィィィン!!!!

「「「確定(レインボー)ッ!!!!」」」

脳内に響き渡る絶頂のPフラッシュ音!

それと同時に、透明だった水晶玉が七色(レインボー)に激しく発光した!

「な、なんだこの光はぁぁぁぁ!?」

「目が! 目が眩むぅぅぅ!!」

あまりの眩しさに、試験会場全体が狂乱の渦に包まれる。

赤でも金でもない、神々しいまでに輝く虹色の光。

そして——

ドゴォォォォォンッ!!!!!

耐えきれなくなった魔力測定器(水晶玉)が、爆音と共に木端微塵に吹き飛んだ。

激しい衝撃波が壇上を駆け抜け、試験官の老人は豪快に後ろへ吹き飛んで倒れ、受験生たちは悲鳴を上げて床に伏せた。

静寂が戻った会場で、煙の中から現れたのは——何事もなかったかのように立っている俺だけだった。

「……あ」

粉々になった水晶玉の破片を見つめ、俺は冷や汗をかく。

(やべ……台(測定器)壊しちゃった……。弁償とか言われたらどうしよう。俺、金持ってないんだけど……)

青ざめる俺をよそに、倒れていた試験官の老人が、震える手で俺を指さしながら叫んだ。

「て、計測不能……! 魔力属性……全属性適合(レインボー)……!!」

「な、なんだってー!?」

「伝説の『古代大魔導士』と同じ領域だと……!?」

会場全体が、地鳴りのような歓声と驚愕の悲鳴に包まれる。

周りの受験生たちが、まるで神でも見るかのような尊敬の眼差しを俺に向けていた。

「すごい……あんな魔力、見たことない……!」

「筆記ゼロ点なんて、魔術理論を超越していたからなのか……!?」

(いや、ただ単に勉強してないからゼロ点だったんだけど……)

俺は心のなかで静かにツッコミを入れた。

どうやら弁償はさせられずに済みそうだ。それどころか、何だかよく分からんが「凄いヤツ」扱いされている。

(まあいいや。初当りは軽かったし、確変入ったっぽいな)

俺はフーッと一息つくと、ポッケに手を突っ込んだ。

「よし……これで学園の寮に入って、三食昼寝付きの引きこもり生活確定だな」

こうして、49歳パチンカスニートの異世界セカンドライフが、空前絶後の爆発(大連チャン)と共に幕を開けたのだった。

ここまで読んでいただきありがとうございました!


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