プロローグ
魔法と神話が息づく世界で対立する英雄が絆と愛で誤解を乗り越え、宇宙規模の脅威を打ち砕く希望の物語。
物語のジャンル
●ヒロイックファンタジー
転生や転移要素を無くした異世界ファンタジーモノ、になります。
美しい自然と魔法が存在する惑星アステガルド。
かつてその地には、魔法と科学を完璧に融合させた超文明国が栄えていた。人類は宇宙へと手を伸ばそうとしたが、その輝きを「進化しすぎた種」として危惧した神によって、一夜にして文明は焦土と化した。
しかし、王族の血筋は途絶えていなかった。彼らは「いつか星が解放される時」を信じ、隠れ里にて1000年の間、静かに血を繋ぎながら潜伏し続けたのである。
【宿命の誕生と悲劇の夜】
21年前、名もなき隠れ里。
ここは嘗て栄えた超文明の子孫が暮らす隠れ里の一つだ。
里に暮らす少女ルナリアもそんな子孫の一人だった。
ルナリアは毎日平穏に暮らしていた。
そしてやがて里の青年と恋に落ち、三人の子供を授かった。長男をアルヴィン、次男をガイウス、そして長女をセリナと名付けた。しかし、そんな子供達との生活は長くは続かなかった…。
子供達が産まれてから1年程たったある日(今から20年前)、隠れ里が襲撃を受けたのである。
襲撃者の腕には連邦と書かれた腕輪がはめられていた。
連邦と言う謎の勢力による強襲を受け、里は炎に包まれる。
その時ルナリア達はまだ知らなかったのだ、里には神の思想を受け継いだ連邦の監視網が張られており、ある資質を持つ存在が生まれた時、連邦本部に知らせがいくようになっていたということを…。
ルナリアは、まだ幼い三人の子を守るため、断腸の思いで彼らをバラバラに逃がす決断をする_。
超文明が滅んだ後、文明の生き残りが隠れ里に身を寄せる中、世界は2つの超大国が覇権を争う情勢になっていた。
一つは西の王国セレスティア。
一つは東の帝国ヴァルクロス。
2つの大国は隠れ里のことを知っており、隠れ里にて近々運命の子供達が誕生すると予見していた。
そこでそれぞれ2つの大国は使者を里に送ることにしたのだ。
セレスティア王国からは王国を長きにわたり支えてきたアステガルド随一の魔法使いとして知られる大賢者ゼノンを。
ヴァルクロス帝国からは長きにわたり帝国を守護してきたアステガルド随一の剣の使い手である騎士長バルドを。
二人はそれぞれ別々のルートではあるものの偶然か必然か同じ日に隠れ里の近くまでやって来ていた_。
ルナリアは逃げる中で子供達が一緒にいることで子供達自身が狙われやすくなっていることに気づき、バラバラに逃がすことを決断したのだ。
里はかなり標高の高い場所にあった。
眼下には右を向けば川が、左を向けば森が広がっていた。
炎に見舞われる中、眼下の右を見やると王国の紋章をつけた老人が歩いているのが見えた。
彼女はその老人を見つけるなり、側にいた長男を託すことにした。
逃げる最中で敵に追われていた為、眼下まで降りる時間は無かった。
その老人がいる場所まで高さは約10mと言ったところだろうか。
彼女は全てを託す想いでその老人に向けて長男であるアルヴィンを投げた。
一見人殺しとも言われかねない無謀すぎる行動。
しかしその老人は赤子を見るなり全てを察し、頭上にいたルナリアと目を合わせ、そして見事にアルヴィンを抱きかかえることに成功する。
別れを惜しむ余裕も安堵する余裕も無かった。
敵は側まで来ていた。
彼女はすぐさま左の眼下に見えた馬車に乗っていた騎士長バルドに向けて次男のガイウスを託すことを決め投げた。
バルドもまたゼノンと同様にルナリアと目を合わせ全てを察し子供を抱きかかえた。
二人がアルヴィンとガイウスを連れてその場を後にすることを見届けたルナリア。
後は長女のセリナだけ。
しかしもう託せる人を探す時間は無さそうだった。
彼女は逃げる途中で大量の火傷と傷を負っていた。
そんな中で彼女は最後の力を振り絞って娘に防御結界の魔法をかけた。
これは彼女の死後も3日間は効果を発揮し、加護を授けた相手を保護する存在が現れた時に解ける、愛の結晶のような魔法だった。
その魔法をかけた後、ルナリアは力尽きて遂に命を引き取る。
そして2日後、村が滅び連邦も去った頃、近くの村から様子を見にやってきた老夫婦によってセリナは引き取られることになる。
これは、宿命に翻弄されし英雄達が世界を救うまでの物語である。
初めまして、クロユキと言います。これから不定期で更新していく予定です。
初めて書くので圧倒的に文章力に問題があることをご了承ください。




