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転移大学生のダンジョン記~拳一つでフルボッコだドン~  作者: 如月 燐夜
四章 攻める者と護る者
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エルフの里へ

予約時間をミスりました…すみません…


俺、ブルース、プルネリア、セレナ隊の十三人は必要な物を買いながら歩を進めた。


クロッセア南門に向かうカミツレ、ティア、チトセ、アリシアと双子ヒューイとリラを除いた、別動隊には悪いがチトセの背に直接乗ってもらい、先に防護柵や里の皆へと注意喚起をして貰いに行っている。


チトセが戻るまであと一時間程度か。

空でゴマ粒みたいになったチトセを目で追いかける。


ロープに食料、砥石や予備の武器なんかを思い付くかぎりありったけ買いブルースの収納と俺のマジックバッグに分けて詰め込んだ。


前回の様なヘマはするつもりはないが経験は生かさないとな。


買い物を終え南門から少し離れた場所に陣取った俺は早速準備を始める。


「主殿。大籠の件ですが、まもなく完成します。それと平行してエルフの里にて分身体が落とし穴を設置しています。」


「おう、頼んだぞ?まぁ、ブルースのことは信頼してるから大丈夫だとは思うが。」



「はい!拙者にお任せ下され!」


ブルースは現在移動用の大籠を作っている。大きめの馬車を解体、接合して20人が乗れる大きな物だ。ドワーフの血を引く手先が器用なホーリーを従えてブルースは作業に取り掛かっている。


もう殆ど大工仕事は終わってるので後はチトセに繋ぐ皮紐や仮眠スペースを取り付けるくらいだ。


プルネリアの家から持ってきた家具がこんな所で役に立つとは思わなかった。本当は新居で使いたかったけどプルの同意ももらえたしここはお言葉に甘えよう。


「ソラト、少し休んだらどうだ?」


「いや、まだだ。思い付く限りの作戦をここに書く。セレナ、知恵を貸してくれ。」


「ソラト…。あぁ、私も一緒に考えよう。」


俺は言えばだらだら過ごしてる訳ではなく、机と椅子に腰掛けながら羽ペンを持って羊皮紙と睨めっこだ。前世で起きた戦争や戦い、対多人数を相手にする少数戦を思い付く限り書き起こしていた。


俺とセレナの横にはブルースの分身体が別動隊に着いていたブルース分身体が見た上空からの景色を羊皮紙に書き写していた。


風景画…ではなく周辺地理の俯瞰図だ。山や森の高低差を事細かに羊皮紙に書き写している。


昔何処かで聞いた話だが地理を把握しておけば勝利は確実なものに近づく。


という話をなんかの漫画だか小説だかで聞いたことがある。よく覚えてないがどっかの国の軍人だったかが話してたんだっけか?


少数精鋭での戦闘といえばやはりゲリラ戦だろうか。と思い付き俺は紙に筆を動かした。


それぞれの能力を生かした戦術をセレナと相談しながら追記していくとあっという間に時間が過ぎていった。


「主殿、そろそろ時間でござる。」


「あぁ、行こうか。」


立ち上がった瞬間後ろから声が掛かる。


「何処に行くって?」


「エルフの里に…なんでユリアンがここに?それにカインさんまで…!」


「水臭いじゃねぇか!坊主、俺も行かせろよ!」


「あぁ、ミンストレイルには僕も因縁が少しあってね。」


ユリアンとカインさんは歯を剥いてそう呟いた。全くこの二人はお節介すぎだよ。


「あぁ…もう、好きにしてくれ。だが、命の保証はしねえぞ?」


「僕たち三人が揃えば敵無し…だろ?」


「あっはっは、【金竜の牙】再結成ってか!」


「はぁ…本当に大馬鹿野郎達だな。しょうがねえ、いっちょ喧嘩買いに行くか!」


「「「おう!」」」


俺は大きく溜め息を吐きながらも二人の頼もしい戦友を受け入れた。これ程心強い味方はいないだろう。


時刻は夕刻に差し掛かってきた。俺に出来る全ての事はした、後は明日に備えるだけだ。空に黒点が見える。頼れる仲間のお出ましだ。


エルフの里の戦える人口は八十人ほど。俺達を入れて百人も居ない。だが上等だ。


この戦争確実に勝利してみせる。


五万対百の決戦の時は近い。

すこし短めでしたね。すみません。


前回のユキヤ視点は如何でしたでしょうか?


ユキヤはこれから物語の中核を担う人物、謂わば第二の主人公ってやつです。


ユキヤはユキヤの正義を、ソラトはソラトの正義を掲げ接触しようとしています。


少しでも皆様に楽しんで頂けたら幸いです。

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