勇者ユキヤ
新展開です。第三者視点です。ネタがないです!爆
ミンストレイル王国王都で一際輝く白い建築物、ミニスタ城はそこにあった。
城内のとある一室、五人の男達は人目を避ける様に外套を被り論議を交わしていた。
「して、前回議題にあった白銀の部隊からの報告はどうなっている?連絡が途絶えたと聞いているが…英雄殿、どうなっておる?」
30代前半の男の声が議題を広げる部屋の中に響く。彼は今月の主題者であり他の者はその件を扱う外套の男に目を向けた。
「その件については部下を使って探っている。結果待ちだ。」
英雄と呼ばれた男は低い声が室内に響き渡る。
低く冷静な声だ、その呼び名に恥じぬ幾千もの修羅場を潜ってきた覚悟を持つ胆の据わった男の声。
「分かった、そちらは任せよう。話題を変えよう。もう一度英雄殿に問おう、勇者殿の育成具合についてだがそちらはどうなんだ?」
主題者から【勇者】というワードが上がると卓を囲んでいた他の四人の顔色が変わる。
「順調に進んでいる。だがまだあれは実力不足だ。現在は国外れにある迷宮に籠り、着実に力を付けているとの報告が来ているが使えるのは当分先の話だろう。天秤さんよぉ…この話は何度も報告してる筈だぜ?」
同じ男がその問いに続けて答える。両案件とも彼の管轄だからだ。
「あの小僧か。無知とは幸福なものよのう。聖剣を与え、綺麗所の使用人を複数与えただけで勝手にやる気を出しておる。」
年老いた嗄れた声で皮肉めいた声が上げる。
英雄と呼ばれる男は聞こえない程の大きさで舌打ちをした。
「止しなよ、賢人のじいさん!それ以上は勇者殿への侮辱だよ。私達は静観して国の舵取りをする同じ穴の貉…いや、言い換えれば一蓮托生の身。下手を打てば全員が首と胴体で泣き別れすることになるからね。あぁ、怖い怖い…!」
少し粗暴さの残る高い声が響く。此度の集まりの中でそれは異質であり、一人だけの女性参加者だった。
「貴様口を慎めよ!我々がこうして秘密裏に活動しているからこの国は長年南の覇者として今日まで在り続けている。昨日今日頭角を表し始めた小娘がこの【王国最高評議会】に出れただけでも奇跡だということを弁えろ!傾姫などと大層な名を貰っているがたかが知れるわ!」
主題者、天秤の向かって左に座る激情家の男が怒りを隠さず喚く対局に座る女は、
「あーうるさいねぇ…!あんたも独狼なんてお名前がお似合いさね。誰彼構わず噛みつくその態度がね…。ふんッ…!」
と言いながら面倒臭そうに卓に肘を着いた。
その態度に男、独狼は更に癇癪を起こしてぎゃーぎゃーと喚き散らす。
【王国最高評議会】…それがこの集まりの正体だった。
「議題を進める。此度の進軍経路だが北上し森人族の里を制圧後、中継先として迷宮都市へと軍を進める。ここまでは良いか?」
見るに堪えなかった主題者、天秤が話を進めると言い争っていた男女も鎮まり真剣に話を聞き始めた。
「マルスど…いや此処では身分を捨てるんじゃったな。英雄殿、そなたの視点から見て此度の領土拡大戦、どう見る?」
議会の間にて賢人と呼ばれる老人はマルス…英雄と呼ばれた男へ静かに問うた。
「勝てねえな。絶対に負ける。情報もない、地理もない、戦争経験もない王子さんが大将じゃ負けるさ。箔付けに出したのはいいけど戦場を舐めすぎだ。下手したらあの世に王子さんもいっちまうぞ?もし戦場にバカ弟子…勇者が行っても実力が着いてこねえ。ねえねえ尽くしの戦じゃ絶対に負ける。」
それは核心に近い言葉だった。英雄は静かに朗々と語る。
天秤、英雄、賢人、独狼、傾姫の五人で構成されるこの【王国最高評議会】は波乱を前にどう立ち向かっていくのか…。
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ミンストレイル王国の王都より北にある迷宮、試しの洞窟にその少年は居た。
汚れなき白の鎧に身を包み腰には人振りの剣を差す。
傍らには三人の女性。
いや、女性と言うよりは少女と言った方がしっくり来るだろう。
成人しておらず、年端も行かない三人の幼女が立っていた。
それ以前から一部の付き合いはあったが本格的に、少年が彼女達と行動を共にし始めて三ヶ月が立とうとしていた。
「ねーねー、ユキヤ!ネムお腹空いたー!」
弓と矢筒を背に携えた、絡まった羊毛のようなふわふわした橙色の髪をした眦の下がった少女が、少年ユキヤに向かって空腹を訴える。
丈が合わないのか手元が隠れておりその小さな手は見えない。
痩せ細った体は貧困街で倒れていた彼女を拾った時と比べ少しふっくらしてきた。
当時の暗い目はなくキラキラと澄み光っている。
「ネム、今はダンジョン攻略中よ!すこしは気を引き締めなさい!」
短い槍を持った長い赤髪を揺らし貫く様な目が印象的な少女がそれを嗜める。革鎧に身を包み男装をした少女である。ユキヤとは一番親交が長く共に暮らしている。しっかり者の印象を受けるが…
「トトは気を引き締めすぎ。そんなんだからおねしょが治らない。」
その脇から毒舌を披露し口を挟む少女は身の丈を越える杖を持ちすっぽりと体を覆う外套を纏い印象的な紫色の髪をして頭には尖り帽子を被っている。
外套で隠しているが角度を変える度にちらりと覗く首元には、元奴隷なのか首輪の痛々しい痕が残っていた。
「キィー!ワタメのくせに生意気よ!あと、おねしょは今関係ないじゃない!」
「あたしは本当のことを言っただけ。治せないトトが悪い。あたしはもう卒業した!」
ふんすと鼻息荒く所謂どや顔を披露したワタメである。その後も二人の言い争いは続いた。
「こらこら喧嘩するな、お前ら。ほら、左からオークが来るぞ?構えろ!」
それを少年ユキヤが嗜め敵の接近を伝えた。
ユキヤ、この世界では珍しく黒髪をしていた。それもそのはずであり、彼は半年前にこの世界にやってきた転移者である。それも国によって召喚されたのだ。
手には国王より授かった聖剣、ガラティーン。
白銀の刃を閃かせやってきたオークを両断に切り伏せた。
「はい!お水ー!えへへ」
橙色の髪の少女、ネムがユキヤへ水筒を手渡す。その顔は褒めてと言わんばかりの屈託ない笑顔だ。
「ユ、ユキヤ!これで汗を拭いなさい!フン、ネムに先を越されて悔しいなんて事ないんだからね」
頬を染め目を背ける赤髪の少女、トトは手拭いをユキヤへと差し出した。
しかしユキヤは汗など掻いてないのだが素直にそれを受けとる。
「ユキヤすごーい!私も頑張るよ~!それー!」
「あ、コラ!バカ、洞窟が崩れたらどうする!ワタメの魔法は強すぎるんだから少し抑えてくれ。」
「へーき、へーき」
紫色髪の少女ワタメが何かを詠唱するとその右手からは火の玉が何発も飛び出す。
それは先程ユキヤが切り伏せたオークの後ろからやって来たオークに着弾した。
オークの居た場所にはドロップアイテムのオーク肉や魔石の入った袋が散乱していた。
ユキヤは競う様に三人の少女がそれをせっせと集め始めるのを眺めていた
。いつもの光景だ。
そう、彼らはミンストレイル王国勇者ユキヤ一行である。
ロリコン勇者爆誕!笑
さぁ、どうやって話に絡めようか…予定は未定。(すっとぼけ
一気に八人も新キャラ出して読者さん着いて来れるだろうか?大丈夫だよね…?(涙目




