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空気が淡く消えていく。


光が自分から離れていく幻想見たいに。


漂う浮遊感。


沈む体。


辺りを支配しているのは黒。


いや、紺と言った方が良いのだろうか。


苦しくはない。


でも胸は痛い。


涙が出ては、回りの水と同化する。


俺がここの一部のように。


ここが俺の物のような。


不思議な感覚。


耳はもうとっくに聴こえない。


手の感覚も消えてきた。


鼻と舌ははよくわからないが、もうここでは使い物にならないだろう。


残る俺の五感は視覚のみ。


正直、目もあまり長くはもたないだろう。


すでに霞んで来ている。


嗚呼。


ここで俺は死ぬのだろうか。


死ぬのはかまわない。


死ぬのが怖くないわけではないが、自分の寿命だと思おう。


しかし。


ここで死ぬのは、卑怯だ。


俺は、生かされているのだ。


お前等によって。


生きる選択をさせられたのだ。


お前等によって。


ここで死ねば。


選択を誤ったことになる。


それだけは嫌だった。


お前等が、俺の為に選んでくれたのだ。


こんなところで。


死ねない。


でも。


生きていても。


一人は辛い。


お前等が居ない世界で、俺はどうやって生きていけばいいんだ。


俺は、嫌だ。


生きたくない。


ここで死んでしまいたい。


それが許されない事なら。


せめて心の準備をさせてほしかった。


狡くて弱い俺に、


時間を下さい、神様。


困ったときだけ神頼みは、俺達の国民性でしょ?


だから。


せめて、時間が欲しい。


俺が強くなれるまで。


一人で立てるまで。


そばに、アイツ等のそばに


居させて下さい。


生きていくのが怖い、


そんな罰当たりな俺に、


少しは同情してくれてもよくないですか?


今までろくな人生は送れなかった俺の、最初で最後の、一生のお願いです。


聞いて下さい。


お願いです。


ふと体が捕まれた気がした。


ついにお迎えが来たか、と思ったが、どうにも違うらしい。


光が近くなる。


もう目は見えない。


光が全身を包む。


体が引っ張られていく。


上へ上へ。


どうやら、神様は意地悪らしい。


こんな矮小で欲物な俺の願いなんて聞けないんですね。


まぁ、そりゃそうですけど。


本当に、これでお別れなんだ。


アイツ等が選んだ通りになってしまった。


これから、


ずっと、


ずっと、


独りぼっち。


多分、俺の腕を引いる人間は


助けている人間が、この手をはなして欲しいと思っているなんて、


きっと夢にも思わないだろう。


ふと、


いきなり手に何かの感覚が降ってきた。


そこにあるのが当然なような感触。


そこで俺は理解した。


それがなんなのか。


何に必要なのか。


俺にいるのか。


神様。


俺はきっとこの時、


笑って居ただろう。


信じてやらんこともない、と。



そんな決意を胸に


俺は、


上へ、光溢れる新鮮な空気いっぱいの世界に帰ってきた。





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