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人見知り令嬢は小さく息を吹きかける。~これは肺活量で解決しますか~  作者: ロミ
第1章 小さな白い魔石

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小さい白い魔石は偽物!?

従者のトンボと、魔物討伐部隊員マルク視点です。

 



「いらっしゃいせ」


「ここに、虹色の魔石ストラップがあると聞いたんだのだけど、本当?」


「ありません。ここにはありませんよ」


「知り合いは、ここで購入したと言っていたのに」


「知り合いの方、どこか違う売り場と、勘違いしているのかと思います。白い魔石で作られたストラップならありますよ。どうです1ついかがですか」


「ん~。遠慮しておくわ」


 女性は、何も買わずに、その場を離れた。



「ハ~。虹色の魔石ストラップの問い合わせばかり、白色の魔石ストラップは売れませんね~」


「そうね、今日は一本も売れてないわ、これでは、また在庫が余ってしまう。赤字よ」


「「ハ~」」

 俺と、テトお嬢様は大きなため息をついた。







 ◇◇◇







「お、ルシファー、今出勤か」

「ああ、今日は夜勤だからな、マルクは今から飲みに行くのか」

「いいや、今日は女とデートだ」

「また、違う女かよ、ほどほどにしろよ、そのうち罰が当たるぜ」

「ははは、夜勤頑張れよ」

 ルシファーは、俺の肩を叩いて、更衣室に入っていった。




 夜風が頬をかすめる、テラス席。

 マルクと、今日の女は、二人で酒を飲んでいる。


「マルクが欲しがっていた、虹色の魔石ストラップ手に入れたわよ」


「わざわざ、辺境まで行ったのか」


「用事があったからね、ついでよ。でも、どのアクセサリー屋でも売ってたわ。

 それで、このストラップが何?。魔石が虹色なのは珍しいけど、それだけよ。王城の鑑定士に鑑定してもらったけど、ただの色を塗った白い魔石だったわ」


「ん~。そうか。実はな俺の同期のルシファーが、前の討伐の時、虹色の魔石から魔力を補充したんだ」


「前の討伐って、カマキリ型のB級魔物ね。死者が出なかった事が、奇跡だと言われていたわね」


「そう、俺は、ルシファーを助ける為に向かっていた。カマキリの魔物がルシファーの首めがけて鎌を振り下ろしす瞬間、ルシファーが腰に付けていた、ストラップが光ったんだ。光はルシファーに補充され、魔力が尽きてかけていたルシファーが、素早く動いて鎌を回避した。

 討伐の後、あいつに話を聞いたら、虹色の魔石から7つの魔力を同時に補充したと、それで助かったと話していた。

 7つの魔力を補充したストラップの魔石は、白い石に変わっていた。魔石でも何でもない、ただの白い石にだ」


「そう、もしその話が本当なら、とんでもない事だわ。今までは、1つの体に1つの魔力(エネルギー)しか補充できないわ。もし7つの魔力を同時に補充できるとしたら有用性は計り知れないわよ。しかも、ハズレ魔石といわれる白い魔石に魔力を貯める事ができるなんて、色付き魔石を人工的に作りだせるなんて画期的よ」


「そうだ、だから本物の虹色の魔石のストラップが欲しい。ストラップを買ったルシファーの恋人の話では、店員が白の魔石に転写して作ったと話していたそうだ」


「そうね、今度は、ルシファーと恋人を辺境に行かせるのはどう。恋人はストラップを購入した場所を憶えているはずよ。ぜひ本物を手に入れて検証したみたいわ」







 ◇◇◇








「おい、マルク。なんで、ルシファーと恋人の旅行に俺達も同行するんだ。恋人がいない俺への当てつけか。あ~。喧嘩売ってるのか、買ってやるぞ」


「まあ落ち着けカブ、これは任務だ。詳しい事はわからないが、王城から正式に任命された仕事だ。うらやましいのはわかるが、堪えろ」


 俺とカブの前を歩く、手を繋いで顔を寄せ合い、クスクス笑い合う幸せそうなカップル。

 カブが、愚痴を言いたくなるのもわかる。この甘い空気に俺も胸やけしそうだ。これが1週間以上続くと思うと憂鬱だが仕方ない。


 乗合馬車を乗り継ぎ、何泊か宿に泊まって、やっと王都の南にあるハッター辺境伯領へ到着した。


「さすがは、物流の要。凄い人だな」

 ハッター辺境伯領は物流の要。ナウーシカ大陸1の大国、オクサレ国と隣接する唯一の領だ。


 3階建てのレンガ造りに建物が立ち並び、その間を人と、荷馬車がひっきりなしに移動する、にぎやかで活気のある領だ。


「マッジさん(ルシファーの彼女)。ルシファーに虹色の魔石のストラップを買った店はわかりますか」


「ん~。街中をいろいろ歩き回って、見つけた店だったので、自信はないですが、たぶんこっちだったと思います」


 マッジさんの案内で、辺境伯領を歩く、歩く、歩く。朝市の店だったので、俺達は朝早くから歩いている。


「あれ、こっちだったかな?違うな、こっちかな?」


 これは、迷っている。


「あっ!ここだ」


 迷いに、迷って昼前。設置テントを片付け、店じまいをしている二人の子どもの店の前に着いた。



「すいません。以前ここで、虹色の魔石のストラップを買った者なんですが、虹色の魔石のストラップは、まだありますか?」

 マッジさんが、男の子に声をかけた。


「すいません、どこかの店と勘違いしていると思います。虹色の魔石のストラップは売っていません」

 男の子は、後ろに控えている、俺達3人をチラチラ見ながら答える。


「そうですか、わかりました」

 マッジさんは、肩を落としてひきさがった。


「すいません、ここではありませんでした。思い出せません」

 マッジさんは、今にも泣きそうだ。ルシファーが肩を抱いて励ましている。


「いいえ、たぶん、ここだと思います。見て下さい、奥にいる黒髪の女の子。虹色の魔石の髪留めをしている。偽物の虹色の魔石は、手で強くこすると、すぐに色が剥がれてしまうんです。でも、髪留めに加工できるほどの染色。本物だと思います」








 ◇◇◇







 やばい、やばい、やばいぞ。

 あの3人は、一般市民みたいな恰好しているけど、騎士だ。

 体型も、目の鋭さも、たたずまいも、一般人じゃない。


 俺も一応、子爵家従者見習い。執事さんや、元ヤンキーの親父(庭師)に連れられて、ごろつきの多い場所や、荒くれ者の多い鉱山にも足を運んでいる。

 その中で、人を見る目は養われたと思う。

 あの3人は強い。

 虹色の魔石のストラップで、魔力を補充できるって、嘘ついたのがバレた?。辺境伯の警備隊の人?

 俺達、捕まっちゃう?どうしようどうしよう。


「どうしたのトンボ、冷や汗すごいし、顔色が青いよ。気分悪いの?」


俺はまだいい。でも、ミラルダ子爵家1人娘のテトお嬢様が、詐欺を働いたとなると、話は別だ。


「はい、気分が悪いですテトお嬢様。なので、ちょっと風に当たってきます。テトお嬢様も一緒に風に当たりましょう」


「?」


 俺はテトお嬢様の手を引いて、後ろの3階建て建物の間を走り出した。


「何?、何?」


 俺は路地裏を、右へ左へ走っていく。


「あの、小僧逃げた」

 後ろから声がする。3人組が逃げた事に気付いた。


 俺は、後ろを振り返らず路地裏を進んでいく。この道は、親父に何かトラブルがあったら使うように教えこまれた道。


「「はあ、はあ、はあ、はあ」」

 30分ほど走って、用水路に出た。


「何?、どうしたのトンボ」


「テトお嬢様、設置テントはあきらめましょう。このまま、隣の子爵家へ徒歩で帰ります」


「めっちゃ遠いよ。歩くと夕方だよ」


「それでもです。事情は帰ってから、子爵家当主様を含めて話し会いましょう」


 俺とテトお嬢様は、足早に、子爵家へ向かった。






 夕方、子爵家に到着したら、あの只者じゃない3人と、女性が子爵家の客間で、俺達を待っていた。


「あー。詰んだ」















人見知りが書けていない。次、書きます。

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― 新着の感想 ―
 ロミさん、こんにちは。 「人見知り令嬢は小さく息を吹きかける。~これは肺活量で解決しますか~ 小さい白い魔 石は偽物!?」拝読致しました。  やばい、また虹色のストラップを買いに来た人が。  …
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