最終話 パワーアップ
忍者一族は、数え切れないほど押し寄せる改造人間の軍勢を食い止めることができなかった。
国護りの部隊の指揮官は撤退命令を下す。
ちょうどその頃、仮面ライダー2号はV3の猛攻から彼を守り続けていた。
忍たちは指揮官を連れ出そうと駆け寄る。
しかし、彼はそれを拒んだ。
「お前たちは退け。ここは俺が引き受ける。」
そう命じると、指揮官は銃を構え、V3のマスクへ向けて発砲した。
弾丸は傷一つ付けられなかったが、一瞬だけV3の動きを止めることには成功する。
その隙を狙い、蜘蛛型改造人間が仮面ライダー2号へ飛びかかった。
だが次の瞬間、V3の強烈な拳が蜘蛛型改造人間の胴体を撃ち抜く。
さらに続けざまに、仮面ライダー2号の拳がその顔面へ叩き込まれた。
蜘蛛型改造人間は目を見開く。
「まさか……お前は支配から――」
V3は静かに言い放つ。
「俺の自由を、二度と誰にも奪わせはしない。」
続いて仮面ライダー2号が蜘蛛型改造人間を指差した。
「最初から、お前をおびき出すための作戦だったんだ。」
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蜘蛛型改造人間はスイッチを押し、隔壁を開放する。
無数の改造人間たちが雪崩れ込む。
その戦闘能力は、亀型改造人間にも劣らない精鋭ばかりだった。
仮面ライダー2号とV3は次々と敵を迎え撃つ。
一方、国護りの部隊の指揮官は、繭へ変えられた科学者を救出し、特殊弾を装填した銃でライダーたちを援護する。
意識を取り戻した科学者は、ただちに仮面ライダー1号の人格を呼び戻す方法を探し始めた。
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改造人間一体一体は、ダブルライダーの敵ではない。
しかし、その圧倒的な数だけはどうすることもできなかった。
近接攻撃と銃撃が絶え間なく降り注ぐ。
指揮官は遠距離攻撃を担当する敵を撃破していくが、傷ついた身体は限界へ近づいていた。
その最中――
蜘蛛型改造人間は再び科学者へ向かって歩き出す。
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絶望しか残されていない戦場。
その時だった。
意識を失っていた仮面ライダー1号の複眼が、赤く輝いた。
改造人間たちは一斉に標的を変更する。
ゆっくりと立ち上がる仮面ライダー1号。
ベルトのタイフーンは急速に回転数を上げ、静かな風音は耳を裂くような高音へと変わっていく。
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二体の改造人間が同時に飛びかかる。
だが1号は両腕を十字に交差させ、そのまま力任せに振り払った。
二体の身体は真っ二つとなって吹き飛ぶ。
改造人間たちは恐怖で足を止める。
次の瞬間には逃げ出していた。
しかし逃げ惑う仲間たちも、次々と仮面ライダー1号の餌食となっていく。
危険を察した蜘蛛型改造人間は蜘蛛糸を放ち、追撃を阻もうとした。
一方、仮面ライダー2号とV3も深手を負い、もはや満足に動けない。
そのため、国護りの部隊の指揮官は自ら隣の実験室へ飛び込み、蜘蛛型改造人間が扉を完全に封鎖する寸前で中へ滑り込んだ。
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蜘蛛型改造人間は、仮面の下へ隠した毒針を指揮官へ撃ち放つ。
しかし狙いは外れる。
二撃目を避けようとした拍子に、指揮官は偶然、繭を解放する装置へ触れてしまった。
合成改造人間の幼体が次々と放出される。
幼体たちは一斉に彼へ向かって歩き始めた。
蜘蛛型改造人間は勝利を確信し、再び毒針を放つ。
だがその毒針は、一人の男が素手で受け止めていた。
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拘束から解き放たれたその青年は、腰布だけを身につけ、両腕には古代の腕輪をはめていた。
常人とは異なる姿。
彼は高らかに叫ぶ。
「アマゾン!」
叫びと同時に、トカゲのような装甲とピラニアの背びれを持つ戦士が空高く跳び上がる。
その手刀が蜘蛛型改造人間の肩へ叩き込まれた。
続いて身体を回転させる。
必殺のスーパー大切断。
鋭い一撃が蜘蛛型改造人間の首を切り落とした。
指揮官も跳び込み、短刀で合成幼体を次々と倒していく。
だが、命を救ってくれたその戦士の姿は、すでにどこにもなかった。
やがて仮面ライダーたちも駆け付ける。
そこに残されていたのは、首を失った蜘蛛型改造人間の死体だけだった。
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こうして仮面ライダー1号の人格を取り戻す作戦は成功した。
しかし安堵する暇はない。
押し寄せる改造人間だけではなく、ショッカー政府の武装部隊までもが、この基地へ集結し始めていた。
彼らは直ちに脱出を開始する。
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その後――
ショッカー政府の武装部隊が戦場を制圧していた。
密かに隠れていた蜘蛛型改造人間の首が、マスクから新たに生えた脚で這い出してくる。
それは、この掃討作戦を指揮するショッカー将軍のもとへたどり着いた。
「新しい身体を……。
仮面ライダーどもへ復讐を……。」
蜘蛛型改造人間は懇願する。
しかし返ってきたのは冷たい沈黙だけだった。
次の瞬間、ショッカー将軍の右腕から伸びた鉤爪が、その首を貫いた。
蜘蛛型改造人間は、そのまま息絶える。
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療養を始めたばかりの仮面ライダーたちだったが、すぐに新たな潜伏先への移動を余儀なくされる。
ショッカー、そしてショッカー政府の追跡は、今なお続いていた。
四台のオートバイが一斉に秘密通路を飛び出す。
恐れることなく街道へ走り出していく。
V3だけは途中で進路を変え、自分自身の戦いへ向かって走り去った。
仮面ライダー1号、仮面ライダー2号、そして国護りの部隊の指揮官は、その背中へ向かって右手を掲げる。
親指だけを天へ向け、残る四本の指を握り締める。
それは激励であり、別れの合図でもあった。
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戦え、仮面ライダー。
自由のために。
そして、遠く離れた愛する人々のために。
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完
あとがき
大好きな仮面ライダーを題材にした物語を書くことができて、本当に光栄でした。
この作品を、かつて仮面ライダーとともに育ってきた皆さんに楽しんでいただけたなら、とてもうれしく思います。
最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。
――作者




