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第48話 ウェスティーの素顔


ルナは深呼吸して精霊召喚術を唱え始めた。


「神聖なる聖域に住まう霊獣よ 今、時は来た

永遠(とわ)の盟約に従い 我が声に応えよ

(なんじ) フォルトゥナ=ウィンクルムの名のもとに顕現せよ」


ルナの周りに光の粒が集まり、左手のほうに集まっていく。

それらは左手の印に収束し、五芒星の印が眩く光った時だった。


「霊獣召喚! 光の神獣 ペガサス!! 」


激しい光の中、皆が目を閉じないように細めながらルナの手の先を見ていた。

光が落ち着いた時、そこには凛々しく胸を張った立派な白い天馬がいた。


「すごいなこれは……」

「凄いねルナ!! とっても立派な翼付きのお馬さんじゃん!!」

「おいフィリア、多分それめっちゃ失礼だぞ? なんか神獣とか言ってた気がするし……」

「え? 神獣? そうなの??」

フィリアがなにそれ?という顔でルナをみる。


「そうなのですわ! この子は神話に出てくる創世神ファリアさまとともに戦った……」

「神獣ペガサスですぅ……あわゎゎゎ……」

ルナの言葉を遮り腰を抜かしたウェスティーが教えてくれた。


「その神話ってのはなんなんだ?」

元神官のデウスとしては気にするなと言う方が無理な話である。


「ペガサスというのは……創世神ファリアと邪神二ージェルが戦った際、創世神とともに邪神に立ち向かった正義の神獣なのですよ……」

ウェスティーが続ける。


「ペガサスはプライドが高く、創世神さまにしか懐かないということでしたが……信じられませんね……」

ペガサスがルナのそばに行き、そのペガサスをルナが撫でている。それを見たウェスティーはそれ以上何も言えなかった。


「ルナ、よかったな! 魔法が使えなくとも、ペガサスが居てくれれば立派な霊獣使いとして戦えるじゃないか!!」

「おめでとうルナ! ペガサスも、これからもよろしくね!!」

ありがとう!というルナに対し、ペガサスはぷいとそっぽを向く。


「ダメですよペガサス。デウスとフィリアは私の命の恩人なのですから、仲良くするのですわよ!」

ルナの言葉を聞き、ペガサスは2人にぺこりとした。

フィリアはえへへと少し照れているようだった。


「えっと……ちょっと信じられないことが多すぎますが……ハンターズギルドに登録させていただきますね」

心ここに在らずのウェスティーが事務仕事に戻った。



数分後。

「皆さま完了致しました。フィリアさんは魔道具を使わないようなので魔法使いとして登録しました。

デウスさんは精霊術士、王女さまは霊獣使いとして、それぞれ登録しております」

デウス、フィリア、ルナはそれぞれハンター登録証として魔法で記入されたカードを渡された。


「これがハンターとしての身分を証明する登録証です。登録したすぐは簡単な依頼しか受注出来ませんが、依頼をこなせば難易度の高い依頼も受けられるようになるので、頑張ってくださいね!」

ウェスティーから登録証を受け取り、この日の目的を達成した一行は一度王宮に戻ることとした。







「やっと帰ったわね……」

デウスたちがハンターズギルドから帰った後、そのままギルド登録の部屋に残ったウェスティーが呟いた。


「オールラウンダーの女に精霊術士の男。そして神獣を使役する霊獣使いとなった王女フォルトゥナ。なかなか厳しいですね……。あの方に報告しなくては」

ウェスティーが魔法を展開する。


「虚無の理よりいずる空間よ

2つの空間を繋ぎ1つとせよ  瞬間移動(テレポーテーション)!」


ウェスティーは王宮のひとつの部屋に移動した。

暗殺部隊ネームレスの待機場所に。


「暗殺部隊名無し(ネームレス)所属。「手がかり」の名前付き(ネームド)、ウェスティーギウム。報告がございます」

名無し(ネームレス)所属の名前付き(ネームド)。悪意あるウェスティーの素顔を、デウスたちは知る由もなかった。


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