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46 あなた(君)のことが、大好きです。

 あなた(君)のことが、大好きです。


 六月。雨ばかりの梅雨の季節。

 ……あの人が死んでしまった月の日。萌は、今年も、毎年と同じように、雨ばかりの辛い一ヶ月を、いつか晴れる日が来ると信じて、……乗り越えた。


 七月。期末テストが終わって、一学期の終業式の日。

 明日から一ヶ月の夏休みを迎える日。

 萌は、その日を、くすんだ気持ちのまま、迎えることになった。


 そして、八月。

 白い雲と青空と、太陽の季節。

 あの人が一番好きだった季節。……あの人がたどり着くことができなかった、時間。そんな時間の中に今、私は生きている。……みんなと一緒に、生きているのだ。


「おはよう」

「おはようございます」

 八月のある日。郡山第三東高等学校オカルト研究会のメンバーは、せっかくの夏休みだというのに、旧(現)校舎の中にある、オカルト研究会の部室の中に集まった。

 その目的は、春に一度、失敗をしたUFOを呼ぶ実験の、もう一度の再実験を行うことだった。

 今度は、前回失敗した校庭の隅っこでの実験ではなくて、UFO呼ぶ本に書いてある通りに、学校の屋上で、その実験を行うことになった。

 もちろん、学校側の許可もとってある。

 鈴谷先生も(今回も先生が付き添いをするという条件で)、屋上での実験を了承してくれた。

 これが、進学校である郡山第三東高等学校における、オカルト研究会の三年生の最後の本格的な部活動となる。(あとは、受験に集中する。……遅いくらいだけど)

 鈴谷林太郎先生は、このあいだの実験のときは屋上は危ないからだめだと言っていたらしいのだけど、今回は、その実験を了承してくれた。

 もちろん、部長の朝日奈くんの説得などもあったとは思うのだけど、それはどうしてなのだろう? と疑問に思い、萌が「どうしてなんですか?」と鈴谷先生に言うと、鈴谷先生は「君たちのことを、信用しているからだよ」と萌に答えた。

「三ヶ月一緒に部活動をやってみて、君たちが本当に信頼できると、わかったからだよ」と鈴谷先生はにっこりと笑って萌に言った。

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