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 それからUFOを呼ぶ実験の後片付けをみんなでして(図形を消したり、がらがらを戻したりして)、そのあとで、萌たちはみんなでオカルト研究会の部室に戻った。

 鈴谷先生とは校庭のところでお別れをした。これから職員室に戻って、鈴谷先生は仕事の続きをするのだということだった。

「今日は、ありがとうございました」みんなで鈴谷先生にお礼を言う。

「いやいや、僕はオカルト研究会の顧問だからね。別に構わないよ。それに実験。すごく面白かったからね」

 鈴谷先生は言う。

「それ、本当ですか?」萌は聞く。

 すると鈴谷先生はにっこりと笑って、「本当だよ。早川さんたちはまだよく理解できないと思うけどね、……大人になるとね、『こういうこと』が、本当になにもできなくなってしまうんだよ」と萌に言った。

「どういうことですか?」

「『常識の外側にある現象に対して、純粋な好奇心を持って、紳士的な態度で接すること』、だよ」と鈴谷先生は言った。

「……常識の外側にある現象に対して、純粋な好奇心を持って、紳士的な態度で接すること」萌は小さな声で鈴谷先生の言葉を繰り返した。

 その言葉は、なんだかすっと萌の心に突き刺さるようにして、深い印象を伴って、萌の記憶の中に残った。

「ようは子供らしさを忘れないようにってことですよね?」

「好奇心を大切にってことだよね」

 硯と朝日奈くんが言う。そんな、二人の言葉を聞いて、鈴谷先生はにっこりと笑った。

「だから、今日は本当に楽しかったよ」と鈴谷先生は言った。


「じゃあね、みんな。また明日」

「はい。またよろしくお願いします」

 そう言ってみんなは鈴谷先生とお別れをした。

 それから萌は、みんなと一緒にオカルト研究会の部室に戻るまでの間、別れ際に鈴谷先生が言っていた言葉の意味を、ずっと一人で考え続けていた。

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