23 君のことが、大好き。
君のことが、大好き。
結局その日、何度か実験を繰り返したのだけど、郡山第三東高等学校オカルト研究会のメンバーは、UFOを呼び出すことができなかった。実験は失敗ということだ。
「おかしいな。絶対うまくいくと思ったんだけどな」朝日奈くんは言う。
「まあ、そう簡単に成功したりしないよ。朝日奈くんの先輩たちもずっと失敗してきたわけだしね」鈴谷先生が言う。
「でも、実際にUFOを呼ぶ実験を体験できて、私楽しかった」硯が言う。
「私もです」
葉摘が言う。
「……まじかよ」
そんなみんなの意見を聞いて、新谷くんはなんだか変な顔をしてそう言った。どうやら新谷くんは、このUFOを呼ぶ実験を実際に自分の体で体験することが、あまり楽しくなかったようだった。
「萌は? どうだった?」硯が言う。
「うーん。普通、かな?」
萌は答える。
でも、その答えは嘘だった。実は萌は案外、みんなでこのUFOを呼ぶ実験をすることが、結構前日から楽しみだったし、今も、それなりに楽しかったのだ。
だけど、そのことは萌だけの秘密にすることにした。
なぜなら、萌は、……実験を楽しんでいる自分の心に、苦しさのようなものを感じていたからだった。
「まあ、僕と早川さんが普通ってことだな」と新谷くんは言った。
でも、その新谷くんの認識は間違っていた。萌も普通ではないのだ。たぶん、ここにいるオカルト研究会の部員のメンバーの中で、いわゆる『普通』と呼べる人は、きっと新谷翔くん一人だけだと萌は思った。




