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Grave of My Poetry  作者: 敬愛
ダイアリー

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一葉

貴女が溢れて眩しい夜にアニゼットの香りがして懐かしさに涙した 思い出も愛も全ていつか幻想だったと気づくその残酷さにも涙だけは本当に言葉が要らない心の形を示しているんだ


病室の窓から覗く風景はすっかり真っ白で隣のベッドの少年に今日も寒いねって声をかけたけれど返事は無く窓を伝う雫を眺めがらどうして人はこうも暑苦しいのだろうと万年筆を手に取った


電流が走るようにペンを走らせた 君へありったけの想いを伝えたかった 私の事をいつも励ましてくれた命の恩人でしばらく音沙汰が無いから心配する気持ちや恋慕を一葉に書き留めなきゃいられなかった


手紙ってのは書いている時は情熱的だけどポストに投函した瞬間不安や虚しさに襲われるから看護師さんに代配を頼んだ 返事だけ欲しくて我ながら人に執着する悪い癖は治らないなと苦笑しながら


込めたメッセージには長い文章の中に紛れ込ませた真実の短い言葉を宝石のように散りばめた 優し気に懐かしむ文体で貴女との再会を待っている事を赤裸々に書いた 返事が怖くなるほどにあけすけに


何処かで何で私を選んでくれなかったのか その恨み節なんてもんもあったけど良いんだよって私は私を半場諦めていてそんなもんだろうって ただ距離感を埋めるには遠慮も憂いた


しばらくして私に面会者が来たと聞いてそれが貴女でビックリした 先生お元気ですか? と問われて咳き込んで問うた 君は元気そうだけど今は何してるの? って 手紙の話はしなかった


貴女は花嫁修業していましたけど とその後ペロッと舌を出して 嘘ですよ 大学院で勉学に励んでいますと笑ってじゃあ先生お元気でとだけ言って踵を返して病室を出て行った 気がつけば春が近づいていた 

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