シリアルの街
シリアルと言う街に到着した。
シリアルは結構な賑わいを見せている。
露天商が立ち並び奥には馬屋や宿っぽい店が並んでいる。街は中世のファンタジー世界そのまんまと言った感じだ。
串焼きの露店があり、腹が減ったから試しに購入する。
金額は一本鉄貨一枚、地球だと十円らしい。
安っす!!
ちなみにこの世界での金額は下のようになっているみたいだ。
鉄貨1枚 → 10円
銅貨1枚 → 100円
銀貨1枚 → 1,000円
金貨1枚 → 10,000円
大金貨1枚 → 100,000円
白金貨1枚 → 1,000,000円
俺はウィンリーと合わせて二本買って食べた。
「うっ。不味いです。とても不味いです」
確かに不味くて食えたもんじゃない。
腐りかけの肉を無理やり焼いた感じだ。
この世界の料理は品質がいいもので作られていないみたいだ。
俺はもったいないので無理矢理食べた。
………吐きそう。
俺はなんとか堪えながら街を歩いた。
んっ?
横切る男たちの視線を感じる。
男たちはニヤニヤしながらこちらをみる。
その視線の先にはウィンリーがいた。
こんな美女が胸の谷間をあらわにして歩いているのだ。気になるのは仕方がないのだろう。
仕方ない。
「ウィンリー、服屋で服を買うぞ」
「わかりました」
このままじゃ、目立ってしょうがない。それに俺も地球にいた時の服じゃ目立つからな。
「いらっしゃい」
カウンターには大柄な男が立っていた。
刈り込んだ短髪や頬の大きな傷が、只者じゃない感を伝えてくる。
「服を買いたいんだが?」
「おいおい、服がズタボロじゃねえか! 一体どうしたっていうんだ!?」
服屋の親父は眉を寄せながらウィンリーを覗き込む。
「魔物に襲われてな。頼むよ」
「わかった。そっちに私服が並べてあるから好きなの選びな」
親父が手で指し示す。
「なんでも好きなのを選んでいいぞ」
「わぁー、ありがとうございます」
ウィンリーは服選びに迷っていた。
決めると更衣室に入って、着替えくる。
ウィンリーの服装は上がピンクを基調とした服に、白いニーハイソックスと黒のショートパンツで、全身が覆われていた。
「どうだ?」
「あっ、はい! 大丈夫です! ミツボシ様、ありがとうございます」
嬉しそうに微笑むウィンリー。
俺は通りを歩く人と同じようなくすんだ色のシャツに茶色いズボンを購入した。
「親父、いくらだ?」
「全部で銀貨五枚ってとこだな」
服は思ったよりも高かったが、とりあえず人目が気にならなくなったのでよかった。
「よし親父、これで頼む」
「ありがとうございやした」
俺は服屋を後にする。
あと食材屋で卵、魚、野菜、調理器具を数点買ってみた。
他にも種が売っていた。
種も買って植えてみるか。
ぐぅぅぅ
ウィンリーの腹の音がなった。
「ミツボシ様ーー、お腹減りました」
ウィンリーは苦笑いする。
そう言えば飯がまだだったな。
俺も腹減ったし、情報収集も兼ねてどっかの店に入るか。
「じゃ、あの店に入るか」
「はいですーー」
俺たちは適当な酒場に入った。
その酒場は冒険者の行きつけの店のようで、冒険者が沢山いた。
俺たちは席に座り店員さんにビールと食事を注文する。
ぼんやりとメニューが運ばれてくるのを待っていると後ろから怒鳴り声がした。
「チクショウ、戦争のせいで金が稼げねーぜ」
「全くだ」
「この国の王様は何を考えてんだ? この時期に戦争なんて」
彼らは冒険者みたいだ。
ビールを片手に怒りをあらわにしている。
「後ろの二人に話を聞いてみるか?」
「はいですーー」
「ちょっといいですか?」
「おう、何か用か?」
「実はついさっきこの街に着いたばかりなので、いろいろとお話を聞きたいと思いまして……」
俺はすかさず店員を呼んで二人にビールを頼んだ。
すると、冒険者は「わかってるじゃねぇか」と上機嫌にいろいろ話をしてくれた。
なんでもあのデブは魔獣の増加に便乗して、領土拡大のために戦争を近々仕掛けるらしい。
「近々、ピエンサ王国とも戦争をおっぱじめるつもりらしい」
酒が入ったせいか冒険者2人は饒舌に語ってくれた。
魔獣がいる森はこの国の北側に面しており、ピエンサ王国はこの国の西側に面した国だとか。
「俺たちも早めにこの国からおさらばするつもりだぜ」
「俺たちゃ戦争やるよりも魔物狩ってた方が性に合うからなぁ。あんたも早めにこの国から出た方がいいぞ」
「食材を売りたいんですが、どこかありますか?」
「おっ!! おめぇさんも冒険者か? 冒険者には見えねえけどな。ハッハッハ」
俺は苦笑いで答える。
「素材を売りてえんなら、冒険者ギルドに行くのが手っ取り早いな」
「あぁ、あそこは解体屋も付いてるからな。捌けないやつは格安でやってくれるぜ」
俺たちは冒険者に礼を言って、居酒屋を後にする。
ちなみにここの店の味はたいして上手くなかった。
どうやらこの世界の食べ物の質は高くないみたいだ。
今日は遅いし、どっか宿を見つけて泊まるか。
夜になると魔物も凶暴化するっていうし。
なんせこの街にくるのに徒歩で三時間だからな。
俺たちは冒険者のおっさんに紹介された『跳ね馬』という宿にきた。
「いらっしゃいませーーー」
中年のおっさんが出迎える。
「一晩、泊まりたいんだが」
「へいへい、お二人で銀貨三枚になります」
ぐっ、ここでの銀貨三枚は痛いな。
「店主、もう少し安くできないか?」
店主は苦笑いをして提案してきた。
「わかりました。別のお部屋でしたら銀貨一枚でお泊りできます」
どんどん懐が寂しくなっていくが仕方ない。
「それはありがたい。ぜひ、お願いする」
店主は微笑みながら俺達に鍵を渡してきた。
ってなわけで宿屋に値段交渉した結果………。
なんだこらぁーーー。
部屋にはベッドが一つ。
値切った結果がこれかーー。
男と女が一つベットの部屋。地球にいた頃、自分に部屋に女性がきた事すらないのに。
「ミツビシ様、お風呂入っていいですかーーー?」
ひぇっ!!
おっ、おっ、お風呂――。
童貞な俺は卑猥な声で返答する。
まさかの展開に俺は動揺する。なぜかこの部屋にはシャワーが完備されている。
動揺するな俺。ここは男らしく対応するんだ。
俺は軽く咳ばらいをし、
「入っていいぞ」
と回答した。
今日は疲れたな―。俺は椅子になだれ落ちウトウトする。
「はぁ、さっぱりした―」
「!!」
ウィンリーはバスタオル一枚の姿で出てきた。
白いバスタオルの面積は色んな意味でギリギリで、その端から下は瑞々しい太ももが露出している。
シャワーを浴びていたのを証明するように、つぅっ……と水玉が脚線を滑り落ちる。健康的な白さを持った肌が眩しい。
「お、お前、服くらい着て出て来いよ」
「寝るときはいつも裸ですよ」
ウィンリーはバスタオルから見える谷間を近づけて近寄る。
「こ、これを着ろ」
俺は目を逸らしながら急いで服をウィンリーに渡した。
男用の服でぶかぶかだが、何もないよりマジだろ。
ウィンリーはぶーたれながら服を着た。
「いいか、今度からは服を着てねるよーに」
「はーいですーー」
いろいろあって疲れたし、早めに寝るとするか。
俺たちは明日に備えて寝た。




