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不運な俺は異世界に行っても不運な様です  作者: 試験管
シェッテ王国騒乱
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246 アルスフィアットに出発


 長い冬も終わりが見え始める。

 雪が降らなくなっても寒い日は続いているが、皆で装備を整えてアルスフィアットに向かう。

 勿論、例の犯罪者組織討伐の為だ。

 クランとして初めての仕事なので、常装の団服を着て、レンタルした大型馬車に乗って行く。

 クランになったから専用馬車も用意しないとだな、と心のメモ帳に書き込んでおいた。

 忘れてなければ夏以降にドワーフ達に依頼しよう。


 食料は【アイテムボックス】に充分にあるけど、道中でも買っていく予定だ。

 まあ、まだほとんど収穫されていないだろうけど、ただ移動するだけなんて勿体無いからね。

 品薄の商品を販売したり、物々交換したりしてちまちま増やしていこう。

 あと、冬の手仕事で集められた品を購入してもいいかな。

 籠とか木彫りとか、編み物とか。

 そんな事を考えながら出立準備を進めていると、見送りの人達が出てきた。


 今回遠征するのは俺達『飛竜の庇護』と『烈風』、そして『三本の槍』からレオンさん、グレーテさんの二人。

 正直かなり攻撃的な組み合わせだと思う。

 オーランドや槍士二人の技術はかなりの物であるし、『烈風』のメンバーだって中々のものだ。

 若手有力株とかそんな感じ。

 更に数少ないと言われる魔法使いやら回復魔法が使える者も他のパーティに比べて多くいる。

 『烈風』のアヒムは着々と魔法剣士として成長しているし、フーゴは回復魔法の腕を上げている。

 特にアヒムはオーランドへの憧れから頑張って苦手な魔法の勉強をやって、その鬱憤を晴すか様に剣の訓練に打ち込んでいて、なんとも良い循環?相乗効果?を出している。

 エレオノーレさんは回復よりも攻撃の方が得意だし、うちの戦闘力はかなりヤバめな気がする。

 犯罪組織の討伐なので必ず戦闘があるのだから戦闘力高めで準備するのは当たり前かもしれないし、対人戦は避けられないだろう。

 とはいえ、できるだけ戦闘は控えたいし、戦ったとしても怪我が少なくて済むようにしておきたいのが本音だ。

 


 拠点を守る者は絶対に必要だということで、留守番は責任者として副クランマスターのパウルさん、遠距離担当としてイェルンさん、回復担当としてカトライアさん。

 彼等を筆頭に『緑の手』や『希望(ステラ)』の面々が拠点を守ってくれる。

 まあ、“守る”と言ってもすぐに何かが攻めてくる訳では無いので、通常のハンターのクエストを受けたりもする。

 なのであまりガチガチに守りを固める必要はない。


 アガーテ達拠点維持のメンバーや錬金術師、薬師達、雑貨屋メンバーも勿論留守番である。

 テオやリーゼ、イザークにオイゲンなんかは「絶対についていく!」と騒いでいたけれど、オーランドから即座に却下されていた。

 俺も危ないので留守番していて欲しい。

 そう話せば皆しょんぼりと俯いてしまう。


「店を任せられるのはオイゲン達しか居ないし、リーゼには石鹸販売準備の総監督をお願いしたいんだ」

「むぅ……」

「ずるいぃ……」


 下がった頭を順番に撫でながら一人一人に“おねがい”をしていく。

 不満げに声を漏らしつつ、こちらを見上げる瞳はやる気に溢れている。

 やっぱりこれくらいの子は期待して仕事を任せてもらうのが嬉しいんだろうな。


「イザークとテオも皆を守ってやってくれよ?」

「……わかった」

「……ん」


 そっぽを向くイザークの頬が少し濡れている。

 それには気付かなかったふりをして二人の頭をポンポンと軽く叩き、皆と馬車に乗り込んだ。


「寒い時期の移動にはやっぱり炬燵だよなぁ」

「もうこれがないと冬は無理ね」


 口々にそう言いながらいそいそと炬燵に潜り込むオーランドとエレオノーレさん。

 そう、馬車の中には勿論炬燵を設置してある。

 しかも今回の炬燵は、冬の間に作った馬車専用炬燵・改だ。

 火属性の魔石を利用した安全な熱源を天板裏に付けて、専用サイズの綿入り炬燵布団と汚れ防止の上掛けを挟む形で一枚板の天板を置いている。

 馬車なので、揺れたりガタついたりした時のズレ防止も万全である。

 布団や足部分に穴が空いていて、天板の四隅から出ているストッパーを挿す様にカスタマイズしてあるのだ。

 これも錬金術師達を雇ったからこそ出来たこと。

 いちいち炭を継ぎ足したりしなくていい優れものなのだ。

 必要なのは魔力だけ。

 魔力の補充頻度に関しては使用時間によるが、四、五日に一度で良い。

 うん、進化してる、進化してる。


 御者台は毛布と焼き石懐炉から発熱素材の毛布マントと魔石懐炉にバージョンアップした。

 本当は専用の炬燵をつけたり、風避けをつけたりしたかったけど、借り物なのでそこまでの魔改造は無理でした。


 そんな魔改造した馬車で早速出発する。

 最初の御者はレオンさんで、横にはアヒムがやり方を覚える為に乗っている。


「じゃあ気を付けて行ってこいよ」

「怪我しない様にね」


 留守番メンバーは大きく手を振りながら見送ってくれた。

 これ以上犯罪組織の好きにはさせないよ。


 いつも俺不運を読んでいただきありがとうございます。

 いいね、リアクション、ブックマーク、感想、評価とても嬉しく、制作の励みにさせていただいております。

 誤字報告も本当に何でなくならないんでしょうね…orz

 本当にいつもありがとうございます。


 新章が始まりました。

 急に章タイトルを変更して申し訳ありません。

 初めの頃に全く思い付かず放置していましたが、やっとこさ手をつけました←

 しばらくは説明回が続きます。

 ご容赦ください。

 新しい人がいっぱい出てきて名前を考えるのがとても大変です。

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― 新着の感想 ―
いよいよ犯罪組織退治ですね。 それはさておき、アルスフィアットの領主府の怠慢は、皇帝にシメられて欲しいなと思ったりもします。 彼らは、多分この世界に幾らでもいるはずの、平民など虫も同然と思ってる貴族連…
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