名乗ってからの戦闘開始!
「面倒だなぁ。」
そう呟く一人の少女。
彼女の手には、一枚の手紙が握られている。
そんな彼女の前には一人の青年。黒く艶やかな長髪に、深紅の瞳。長身で、手には漆黒の巨大な鎌。
「お前が次の勇者か?」
「不本意ながら。」
少女は甘そうなストロベリーブラウンに、淡い茶色の瞳。
至って普通の顔立ちだ、ただ・・・何とも気だるそうな目をしている。
例えるなら、死んだ魚の目みたいな。
「私は魔王のリレイアだ。」
「ご丁寧にどうもー。某は勇者の羽雪だよー。」
勇者退治にでも来た?と、愛想も感じられない無気力な喋り方でそう問いかけた。答えは求めていないのか、己の髪を指先にクルクルと巻きつけ弄りながら目も合わさずに。
羽雪のそんな態度にもリレイアは何とも思わないらしく、ずっと無表情だ。
「お前は私を殺すのだろう?」
その問いに羽雪は髪を弄るのを止めた。
目だけを動かし、その光のない目にリレイアを映す。
「そうだね。某が闘って勝ったらそうなるだろうね。」
まるで他人事のように、至極どうでもいいように言った。
「君が勝ったら、某を殺そうが・どうしようが・・・君の勝手。」
言いながら、リレイアを指差した。
「さー始めようか。」
彼女が指差した方向に、空に突如現れた幾つもの氷の刃が放たれた。
それを、リレイアは難なく避けながら羽雪に近付いていく。
「凄いね、君。」
やはり、他人事のように言った。
羽雪が鎌の間合いに入ったのか、鎌を振り上げた。
ソレに対し氷の壁を作り、防ぐ・・・鎌が振り下ろされるが、壁が持ちそうにない。




