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後輩ティータイム  作者: ゆめ
第1章 先輩くんは振り回される
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後輩ちゃんとニセコイ


「先輩!私と付き合ってください!!」


 また突然変なことをあおが言い出した。


 なんせさっきまで、すきな水中専用モビルスーツの話をしていたところでいきなりの愛の告白だ。全くついていけれん。


「どうしたの急に。惚れちゃったの?俺に。」


 茶化すように言うとあおは、

「ちょ、先輩何言ってるんですか、そんなキメ顔で言われても全然かっこついてないですよ。」


 こいつ自分から告白しておいて………。


「で、どうしたの急に。」


これ以上会話をしていると、話が全く進みそうにないので、ミルクティーを一気飲みし、話を切り出す。


「それがですね………。」


 話をまとめると、こうだった。


 先日、またもや男子に告白を受けたあお。そのあと、女子生徒に「彼氏いないのに振ってばっかりじゃ、男たらしみたい。」と言われたそうで、このままでは友好関係が崩れてしまうかもしれない。

 それを阻止したかったあおは、「実は秘密にしていたが彼氏がいる。」と言ったそうだ。

 すると、その友人が今度の休日、会いたいと言い出したそうで、断るに断り切れず、結局承諾したらしい。

 そして彼氏役なんて頼めるのは俺だけだったので、こうしてお願いされたのだ。



「んや、やだよ。」


 もちろん答えはNOだ。


 今度の休日は妹と家で映画見ていたい気分なのだ。


「もーなんでですか!」


「だって、面倒だし。だいたい俺とお前じゃ釣り合い取れてないし。」


 片や学校のアイドル、片やよくわからん学生君だ。


 きっとあおの恋人が俺なんかだと嘘を疑われるに違いない。


「もー先輩ったら、私がいくら超絶美少女だからって気を使わなくてもいいのに。」


 そんなことをからかうように言っているあおだが、耳が真っ赤だ。

 自分で「超絶美少女」とか言ってて恥ずかしくなりやがったな。


「まぁそこらへんは大丈夫ですよ。秘策があるので。」


 そう言ってウインクをしてきた。あざと可愛い。


「それでは今度の休み、よろしくお願いしますね!」


 そういってあおは教室に戻っていった。


 残された俺は紙カップを投げ入れながら思う。


 あれ、学年一の後輩と恋人のふりって結構役得じゃね?


 放物線を描きながら放たれた紙カップは、ごみ箱をわずかに外れた。


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