久しぶりのお姉さん
久しぶりだね、元気してた?」
そしてやってきた休日。
集合時間10分前、前回と同じ駅で待っていたのだが…
なぜかそこにいたのは、美玖さんだった。
「いや、なんでここに美玖さんが…。」
俺の質問に美玖さんは、
「?なんかあおちゃんが恋人ってことで律君を友達に紹介するって言ってたから、どうせならお姉さんが飛び切りのイケメンに進化させにきたのよ。あおちゃんには内緒でね」
なるほど、……・……なるほど。
まぁこれもあおの彼氏役を務める宿命でもあるだろう。
少しでも彼女に見合う男になっておくべきだ。
「まぁ、じゃあ、よろしくお願いします。」
「おう、まかせなさい。」
そのまま俺は美玖さんのお店へと連れ込まれた。
「イケメンが居ますね…………。」
「イケメンがいるわね……………。」
「イケメンがいるな……………。」
三人そろえて言う。
鏡の前にいたのはイケメン。元、渡部律だ。
美玖さんに髪セットをしてもらい、男性店員からいただいた服を着ればもういつもの渡辺律は存在していなかった。
自分でも今の自分は少しかっこいいなと思ってしまう。
一言でいえば、「清潔感の塊」だった。
チノパンになんだかおしゃれな白Tシャツ。
腕時計がよく映えていた。
髪型もチャラすぎずかっちりし過ぎず、なんだかおしゃれだなと感じた。
「あ、あの、ありがとうございます。お代いくらですか?」
深く頭を下げてお礼をする。
ヘアセットだけではなく、服までいただいてしまった。
「うんん、お金はいいよ。」
美玖さんがそう言うと、男性店員もうんうんと頷く。
「でも……」
さすがに申し訳ないので食い下がる。
「ならね、今日一日、あおちゃんのわがままにしっかり付き合ってあげて。幸せにしてやれよー。」
そう言ってにししと笑う美玖さん。
本当にこの人には感謝しかない。
「なら、お言葉に甘えて。本当にありがとうございます。」
改めて頭を下げる。
「うん、また来てね。」
そう言って男性店員が笑いかけてくれる。
「律君、十分後に駅前で待ち合わせだから、早く行ってあげな。」
「はい、ありがとうございました。失礼します。」
そのまま別れ、俺は駅前へと向かった。
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