2/2
家族
「ユウキ、ユウキ、、」
40代半ばくらいの女が私を見て目を見開き近づいてくる、その目には涙が溢れていた。
女に続いて果物と花を持って少年も入ってきた
女の子供だろうか、少し面影がある
女はゆっくり、ギュッと私を抱きしめ、泣きじゃくりながらこう言った
「あ・・・た・・・わた・・・がどれ・・・けし・・・いして・・・意識・・・も・・・らなくて」
泣きじゃくりながら必死に何かを言っていたが、うまく言葉になっていなかった。
この人は一体誰なのだろう、
少女はただ、この女の懐かしいにおいと、涙を流し抱きしめてくれる暖かさに胸が痛んだ。
しかし、それでも少女は聞かざるを得なかった
「あなたは、誰ですか?」
女が固まる、少年も大きく目を見開いてこっちを見ている
「・・・冗談よね?こんな時に冗談はやめなさい」
さっきまで泣きじゃくっていたのが嘘だったかのように女の表情は変わっていた。
疑いの目、鋭い眼差し。
怖い、少女は背筋が凍る思いだった
でも、事実は事実、伝えなければ
「本当に申し訳ないのですが、私はあなたを存じ上げていません」
「じゃあ、アキラは?」
女が少年を指して言う
「ごめんなさい」
私にはこの一言しか言えなかった




