体の傷。心の傷。
ガイン!
剣が弾かれる。…弾いたのは…
「おい!何してるんだお前!」
ショータ…何故そいつを庇う…?そうか、ショータはまだ知らないのか…
「ショータ…そいつはユウさんじゃない…ユウさんに化けたナニカだ!」
「なに?ユウさんじゃない?どういうことだ?」
「僕は見た!そいつの顔が一瞬人外の物に変わったのを!そいつは敵だ!」
「…どういうことですか?」
「恐らく、洗脳か、催眠か…何かされたのだろう。誰がやったのかは分からないが」
「どうすれば元に戻るんですか!?」
「術者を倒せば…恐らく」
「何をごちゃごちゃ喋ってるんだ!早くそいつを殺せ!センシンさん達も何をボーッとしてるんだ!ユウさんに化けているんだぞ!」
「いや、しかし…」
「明らかに元と話し方が違うわね…」
「(あれが本当の口調なんだがな…)」
何故ショータは動かないんだ?あんなに近くに居たら巻き込んでしまう…
「ショータ?なんで動かないの?僕の言う事が信じられないの?ねぇ…」
「………」
「もういい!動かないなら巻き込まれても文句言うなよ!」
ブゥン!ブォン!
…この剣思うように動かない…っ!もどかしい…
「ああぁぁ!」
ゴウッ!
「くっ…ソーリ!拘束魔法を!」
「は…はい!」
ガシィン!
ブゥン!パリィン!
どうやらこの剣…魔法を弾けるらしい。
ありがたい…
「うぁぁぁ!」
「危ない!」
ガィン!
「ショータ!なんで邪魔するんだよ!どいてよ!」
「ダメだ!ちょっと落ち着け!」
「僕は冷静だ!問題ない!」
「だからそこが冷静じゃないんだよ!…おい…!少し…落ち着けって!」
ズバッ!
…ズバッ…?
「…あ…しまっ…!」
体を見ると、お腹に横一線に紅い線が出来ていた
「ショータ…?…な…んで…?」
ドサッ…
地面に倒れこむ…力が抜ける…
「すまん!大丈夫か!?」
「ショータさん、ちょっとどいて下さい」
「拘束魔法!回復魔法!」
ガシィン!フワァァ…
「これで大丈夫なはずだ…とにかく元凶をどうにかしないと…!行くぞ!皆!」
「おう!さっさと片付けようぜ!」
「…俺はここに残ります。皆さんよろしくお願いします…」
「エストシアさんの事は頼みましたよ…」
「はい…」
…ぼんやりとした意識の中で、僕は、悲しいと思った。ショータに斬られたのが。ショータに信じてもらえなかったのが。
こっちから斬りかかったのだから、ショータは悪くない、元の世界なら正当防衛だろう。僕が悪い。分かっている。
でも…斬られた傷より心の方が痛い。
…ショータは…僕の味方…だよ…ね…?




