↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
4/4

家族

偉大な魔術師の家族になる少女……。

少しでも面白いと思っていただけたら、高評価やブックマーク等お願いいたします!

〝西の町〟

 アルトに指定された町にたどり着いたアルファは、特に目的もなく町の市場を歩いていた。

 ぼうっと歩きながらも風の精霊と感応し、周囲の警戒を怠らないのはアルトの教育の賜物だった。

 そんな拡張されたアルファの聴覚に悲鳴がこだました。

 

「だ、誰か! その人を捕まえてください!


 シスターだった。地面に膝をつきながら、走り去る男に手を伸ばしていた。

 その男は、ちょうどまっすぐアルファの方に向かって走って来た。

 

「どけ! クソガキ!」


 男はそう恫喝しながらアルファをつき飛ばそうとするが……。

 アルファは顔色一つ変えずに風の精霊の力で大気を操り、男の首を締めながら中空に持ち上げるのだった。

 

「ぐっ……が……」


 男は苦しみ、目に見えない大気に締め付けられた首を必死にかきむしるものの、当然そんなことで抵抗できるはずもなく、すぐに酸欠で意識を失った。

 意識を失った男に興味を失くしたアルファは首を絞めるのをやめ、重力に誘われるままに男を地面に落とす。


「よかった……。追いつきました……!」


 先ほどのシスターが男に駆け寄ると、彼が手にもっていたカバンを持ち上げて。

 

「あの、あなたが捕まえてくれたんですか? ありがとうございます」


 少しだけ間の抜けた顔をしたシスターは、朗らかに笑みを浮かべてアルファにお礼を言った。

 

「いや……」


 未だ師であるアルト以外とのコミュニケーションに慣れていないアルファはぶっきらぼうに答える。


「なにかお礼をさせてください!」


「別にいい」


 特に興味なさげに返したアルファは踵を返し、その場を立ち去ろうとした。したのだが、シスターの少女は彼の袖をぎゅっとつかんで離さなかった。


「そうおっしゃらないでください! ここで帰しては神様に怒られてしまいます」


 アルファは小さく息をつくと少女を振り返る。その様子に、少女はぱあっと顔をほころばせた。

 

「ありがとうございます! そうだ! お昼をごちそうさせてください。ちょうどこれから帰って準備をするとこだったんです。あの、あなたのお名前は?」


「……アルファ」


「アルファ様……私はサーヤと申します」


 これが偉大な魔術師の家族となる少女との出逢いだった。



無断転載、盗作を禁じます。

Reproduction is prohibited.

©️スナオ 2020 All Rights Reserved.



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。