第491話 極上炭水化物・奪還逆走ツアー(16部構成・その7:極太麺と超巨大ラザニアの塔! 狂熱のボロネーゼ大宴会)
第491話 極上炭水化物・奪還逆走ツアー(16部構成・その7:極太麺と超巨大ラザニアの塔! 狂熱のボロネーゼ大宴会)
ズゴォォォォォォォォォンッ!!
「ギシャァァァァッ!」
「カッカッカ! トマトの次は『キノコ』と『ナス』か! ミートソースには最高の具材じゃねぇか! 【剛腕絶技・超振動マッシュルーム・スライス】ォォッ!」
「お任せを! こちらの巨大ナスは私が薄切りにして差し上げますわ! 【貴族剣技・メランツァーネ・カッター】!」
超重力の嵐が吹き荒れる【超重力・黄金麺帯の大峡谷】。
移動料亭要塞『星海大宴殿』は、峡谷のさらに深部へと潜行していた。重力異常はさらに激しさを増し、空から降り注ぐパスタの形状も「細麺」や「平打ち麺」から、きしめんよりも太い『極太タリアテッレ』や、座布団のように巨大で平たい『神話級・黄金ラザニアシート』へと変化していた。
それに伴い、襲い来る魔獣たちもミートソースにうってつけの陣容へと変わっている。
空を漂う『無重力・星海茸』や、隕石のような大きさの『暗黒紫茄子』を、ガレスとエリスが次々と極上のスライスへと解体し、甲板へと降らせていく。
第一フェーズ:氷室大開放! 究極のボロネーゼ・ソース仕込み
「よし! 具材はバッチリだ! 今日は氷室のスペースを最も圧迫している【エイジング・マンモスのブロック肉】を限界まで消化するぞ!」
トウヤが甲板に設置した、直径三十メートルの超特大魔導深鍋に火を入れる。
「ジン! 氷室からマンモス肉をありったけ出して、全部『粗挽きミンチ』にしてくれ!」
「……了解した。細胞を潰さず、肉汁を閉じ込めた完璧な挽き肉にする」
ジンが神速の双短剣を振るい、数トン単位のルビー色に輝く熟成マンモス肉が一瞬にして極上の粗挽きミンチへと変わる。
「まずは香味野菜だ! 星海ニンニク、極上タマネギ、ニンジンをじっくり炒めて甘みを引き出す! そこへ、ジンの挽いたマンモス肉をドーンッ!!」
ジュワァァァァァァァァァッッ!!!!!
熱した鍋底に数トンの熟成ミンチが叩きつけられた瞬間、暴力的なまでの肉の焼ける匂いと、熟成香(ナッツのような芳醇な香り)が爆発的に弾け飛んだ。
「うおおおっ! 肉じゃ! 圧倒的な肉の匂いじゃ! 炭水化物も良いが、やはり肉の焼ける匂いは魂が震えるのぅ!」
エルドリア元皇帝が、ヨダレを拭いながら鍋の周りをウロウロし始める。
「肉の色が変わって、脂がジュクジュクと湧き出してきたら、ここで昨日獲った『星空トマトのピューレ』と、ガレスたちが獲った『星海茸』『暗黒紫茄子』を全量ブチ込む! さらに、出汁スープと極上赤ワインを加えて、ひたすらコトコト煮込むんだ!」
グツグツ……ボコボコ……!
鍋の中は、深紅のトマトソースと黄金の肉汁が混ざり合い、マグマのような『極上ミートソース(ボロネーゼ)』へと姿を変えていく。
マンモス肉の野性味、キノコの強烈な旨味、ナスのトロトロとした甘み、そして赤ワインの深いコクが一つになり、大峡谷の超重力をもねじ伏せるほどの重厚な香りが立ち昇った。
第二フェーズ:超巨大ラザニアの塔、建設開始
「トウヤさん! 上空から『神話級ラザニアシート』が大量に降ってきますわ!」
マリアが白神の杖で結界を張りながら叫ぶ。
「ナイスだ! ゼノス、クー! その座布団みたいな平たい生地を、甲板の【特大ボイラー(茹で鍋)】に順番に誘導してくれ! 茹で上がった端から、ラザニアの『層』を組み上げるぞ!」
「フッ、重力と空間の芸術、見せてやろう」
「キュィィッ! ペラペラの麺、お湯にいれるー!」
ズゴォォォォンッ!
空飛ぶ巨大なラザニアシートが鍋でアルデンテに茹で上げられ、トウヤが用意した特大の耐熱オーブンパン(五十メートル四方)の中に敷き詰められていく。
「一段目、ラザニアシート! その上に、今煮込んだ【極上ボロネーゼ・ソース】をたっぷり敷き詰める!」
ドバァァァァッ! と、肉汁滴るミートソースが黄金の生地の上に広がる。
「さらにその上から、天空チーズ連峰で乱獲した【特濃ベシャメル・チーズソース】をぶっかける!」
ドリュゥゥゥゥンッ! と、真っ白で濃厚なチーズソースが層を覆い尽くす。
「これをひたすら繰り返すんだ! 生地! 肉! チーズ! 生地! 肉! チーズ! 氷室の在庫が減るまで、天まで届く勢いで積み上げろォォッ!!」
トウヤの狂気的な掛け声と共に、ラザニアの塔が十層、二十層、三十層と凄まじい高さへと組み上げられていく。
本来なら自重で崩れてしまう高さだが、そこはゼノスとクーの重力制御魔法が完璧にサポートし、美しくそびえ立つ『肉とチーズと炭水化物の摩天楼』が完成した。
第三フェーズ:魔導オーブンでの焼き上げと、狂熱のボロネーゼ大宴会
「完成だ! ゼノス、このまま特大魔導オーブンにぶち込んで、表面のチーズがカリッカリに焦げるまで一気に焼き上げろ!」
「承知した。【絶対空間・超高温火炉】!」
ゴォォォォォォォォォッ!!
魔導オーブンの中で、数十層に重なったラザニアが熱せられる。
やがて、オーブンの扉から溢れ出したのは……人類の食欲の限界を突破させる、狂おしいほどの「焦げたチーズと肉汁」の香りだった。
「あかん……! もう我慢できん! 胃袋が、胃袋が破裂しそうじゃァァッ!」
ヴィルヘルム上皇が、マイ・フォークを両手に握りしめて涙を流す。
チーンッ!!
「焼き上がりだァァッ! 氷室消化ツアー・パスタ編第三弾! 【超巨大・神話級ボロネーゼ・ラザニアの塔】! そして、同じソースをかけた【極太タリアテッレのミートソース】の同時提供だ! さぁ食えェェェッ!!」
ズバァァァァァァンッ!!
トウヤが黄金の大剣で、巨大なラザニアの塔を一気に切り分ける。
その断面からは、何十層にも重なった黄金の生地の隙間から、マグマのように熱いミートソースと、トロトロの特濃チーズが滝のように溢れ出した。
「「「いただきますだァァァァァッ!!!!」」」
権力者たちと開拓者たちが、自分の顔よりも巨大なラザニアの塊に、一斉に食らいつく。
「むごぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっっ!!!!」
エルドリア元皇帝が、ラザニアを頬張った瞬間に白目を剥き、天を仰いだ。
「なんじゃこの悪魔的な層はァァッ! 表面の焦げたチーズのサクサク感! その下から現れる、モチモチのラザニア生地! そして生地の間から爆発的に溢れ出す、熟成マンモス肉の野性味と、トマトの酸味、キノコの旨味が完全に一体化したミートソース!! 噛むたびに、口の中で旨味の大規模な土砂崩れが起きておるゥゥッ!!」
「こちらの極太タリアテッレも最高ですわ! きしめんのような平打ち麺に、濃厚なミートソースがこれでもかと絡みついて……お肉のゴロゴロ感と麺の弾力が、無限の咀嚼を要求してきますのーっ!」
エリスが、口の周りをミートソースでドロドロにしながら、極太パスタを豪快に啜り上げる。
「ガッハッハ! ナスがソースの旨味を全部吸い込んでて、口の中でトロッと溶けやがる! 濃厚な肉の脂をトマトがスッキリさせてくれるから、この巨大な塊がエールと共に無限に胃に消えていくぜェッ!」
ガレスが樽ジョッキを空にし、ジンもまた、無言でラザニアの塔を精密なカッティングで崩しては口へと運んでいく。
「あぁ……このベシャメルチーズの優しさと、トマトの酸味……老いた胃腸が歓喜の声を上げているぜ……。肉料理なのに、パスタという土台があるだけでこんなにも胃に優しいとは……っ!」
ケンジは、胃薬を握りしめたまま、至福の表情でラザニアの断面を攻略していた。
第四フェーズ:氷室のダイエットと、止まらない麺の暴走
狂乱のミートソース大宴会が続く中、トウヤはブリッジのシステムモニターを確認し、ガッツポーズを取った。
「サイラス! どうだ!?」
『……驚異的だ。貴様らの異常な胃袋と、ラザニアという層構造(物理的な圧縮)のおかげで、氷室の【熟成マンモス肉ストレージ】と【チーズ専用タンク】の残量が、一気に30%も減少した。これで完全に適正量だ』
「っしゃァァァッ! やっぱり炭水化物に肉とチーズを挟み込む(乗せる)のは最強の在庫処理方法だぜ!」
トウヤがニヤリと笑い、甲板で飲み食いする仲間たちへ振り返る。
「野郎ども! ボロネーゼの次は、峡谷の底流に潜む『強烈なニンニクと唐辛子』の魔力を持った特異点だ! 明日は、氷室のオリーブオイルと出汁を限界まで使った、究極のシンプルにして至高のパスタ……【神話級・絶望のペペロンチーノ】の大宴会だァァッ!!」
「「「ウオォォォォォォォォォォォォォッッ!!!!」」」
肉とチーズの重厚な在庫を見事に減らし、氷室の「ダイエット」に成功した大宴殿。
しかし、彼らの「炭水化物への渇望」は未だ満たされてはいない。狂った超重力が支配する大峡谷のさらに深くへと、彼らは暴食の魔王のごとく突き進んでいくのであった。
(その8へ続く)
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