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目指すは深層、まずは腹ごしらえから! 〜現代知識と【拠点創造】で始める、前人未到の大迷宮スロー攻略記〜  作者: 盆ちゃん


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第209話:神の悔し泣きと『極楽の温泉鼈(スッポン)』、そして活力爆発の大宴会

### 第209話:神の悔し泣きと『極楽の温泉鼈スッポン』、そして活力爆発の大宴会

【閑話:神界の玉座、悔しさと歓喜のポップコーン】

「……くっ、くそぉぉぉっ! 私が百年かけてデザインした『枯山水の砂紋ギミック』と『泥中の神竜鰻パズル』が……たった一日で、あんなに美しく解き明かされるなんて!!」

次元の遥か彼方、白亜の神殿。

巨大な魔力スクリーンの前で、【迷宮神】はクッションをバンバンと叩きながら、悔し涙を流して地団駄を踏んでいた。

しかし、その口元は完全に「ニヤケ顔」である。

「あーっはっはっは! でも最高!! ガレス君の大盾を熊手代わりにして完璧な波を描くなんて、誰が想像できる!? しかも、泥の中の鰻をヒールで寝かしつけてから泥の抵抗ゼロで引き抜くとか……もう、神の想定システムを完全に超えた『変態的なまでの調理アプローチ』じゃないか!!」

神は、抱えていたキャラメルポップコーンを空中に放り投げ、口でパクッと受け止めながら、嬉しそうにスクリーンの映像を巻き戻しては何度も見返していた。

自分が仕掛けた「超絶ハードモード(という名の意地悪ななぞなぞ)」が、トウヤたちの手によって「世界で一番美味しい答え」として具現化されることが、神にとってはたまらなく至福のエンターテインメントとなっていたのである。

「ふふっ……でも、今日の第5階層はそう簡単にはいかないよ?」

神は、楽しげに足をパタパタとさせながら、現在のトウヤたちが映るリアルタイムのスクリーンへと視線を移した。

「第5階層のギミックは……【紅蓮の沸騰泉と、白銀の氷瀑ひょうばく】。ただ熱いだけじゃない。温泉の底には、世界最高のコラーゲンと滋養強壮エキスを秘めた『神話級・千年極楽鼈スッポン』が隠れてる。でもこいつ、少しでも殺気を向けたり、お湯の温度が気に食わないと、一瞬で自爆して泥水になっちゃうんだから!」

神は、ニヤリと悪戯っぽい笑みを浮かべた。

「さあ、トウヤ君。スッポンは今、熱すぎる温泉の中でガチガチに緊張して硬くなってる。……君のその鼻と知恵で、この『気難しい珍味』をどうやって最高のお肉に変えるのか……見せてごらん!」

***

【第5階層:氷と炎の二重奏、そして閃き】

和の国ミズホの迷宮、第5階層。

そこは、入った瞬間に「猛烈な熱気」と「肌を刺すような冷気」が交互に襲いかかってくる、極端な環境のエリアだった。

「(……あ、あちぃ! なんだこのサウナみたいな湿気は!)」

「(しかし、右半分からは凍えるような風が吹いてきますわ!)」

ジンとエリスが、それぞれ汗を拭い、身震いをする。

目の前には、ボコボコと煮え滾る『紅蓮の温泉(約90度)』の巨大な池と、そのすぐ隣の崖から流れ落ちる『白銀の滝(マイナス数十度の氷水)』が存在していた。

「(……みんな、ストップ。武器は絶対に抜くなよ)」

トウヤは、鼻をヒクつかせながら、目を閉じて深く匂いを嗅ぎ取っていた。

「(トウヤ、何が匂う?)」

ルミナが小声で尋ねる。

「(……強烈な『滋養強壮』の匂い……高級なゼラチン質と、極上の出汁の塊だ。おそらく、スッポン。それも、とんでもない年月を生き抜いた神話級のヤツが、あの沸騰した温泉の底に潜んでる。……そして、上空からは、極上の『卵』の甘い匂いもする)」

トウヤが上空を見上げると、温泉の湯気の向こう、高い岩場の上に『黄金の霊鳥(鳳凰の雛)』が巣を作っているのが見えた。

「(なるほどな……神様のギミック、完全に理解したぜ)」

トウヤは、数分間の沈黙の後、カッと目を開き、ニヤリと笑った。

「(いいかお前ら。温泉の底にいるスッポンは今、熱すぎるお湯のせいでガチガチに緊張して身を硬くしてる。このまま倒せば、肉はゴムみたいに硬くて食えたもんじゃない。……だから俺たちがやるべきことはただ一つ!)」

トウヤは、仲間たちを振り返り、ビシッと指を突きつけた。

「(この紅蓮の温泉に、隣の氷の滝の水を完璧な割合でブレンドして……スッポンが一番リラックスする【40度の極上露天風呂】を作ってやるんだ!!)」

「「「スッポンのために、露天風呂を作るゥゥッ!!?」」」

「(そうだ! しかも、湯加減が完璧になれば、上空の霊鳥が安心して『黄金の卵』を産み落とし、それが温泉の熱で最高の【温泉卵】になる寸法だ! ガレス、滝の水を盾で弾いて温泉へ誘導しろ! ルミナとマリアは、温泉全体の温度を魔力で探り、ピッタリ『40.0度』になるように微調整しろ!!)」

「(ガッハッハ! 料理の仕込みが『風呂の温度調節』とは、相変わらずデタラメじゃのう! 任せておけ!!)」

「(魔力による温度の完全制御……やりますわ!)」

世界最強のパーティーによる、前代未聞の【ワンオペ・スーパー銭湯業務】が開始された。

ガレスが大盾で氷の滝を絶妙な角度で弾き、温泉へと注ぎ込む。ルミナとマリアが、池全体の温度が均一になるように魔力でかき混ぜる。

「(温度、45度……まだ高い! ガレス、氷水追加!)」

「(おうっ!)」

「(42度……41度……40.0度! ピッタリですわ!!)」

その瞬間だった。

ボコボコと沸騰していた温泉が、嘘のように穏やかな湯気を放つ【極上の癒し空間】へと変化した。

『……カァァァ〜〜〜ッ(極楽じゃ〜〜)』

温泉の底から、甲羅の大きさが馬車ほどもある巨大なスッポン――『千年極楽鼈』が、完全に警戒を解き、だらんと四肢を伸ばして水面へと浮上してきた。その肉は緊張から解放され、極限まで柔らかく、コラーゲンがプルプルと波打っている。

「(今だッ!! 【無振動・脳天一突き】!!)」

リラックスしきって目を閉じているスッポンの眉間を、トウヤの無振動の刃が「痛みすら感じさせずに」一撃で貫いた。

ポッチャン!

同時に、上空の霊鳥が極上の湯加減に誘われ、ポロリと『黄金の卵』を温泉の中へ産み落とした。

「(よっしゃあああ!! 神話級スッポンと黄金の温泉卵、最高の状態でゲットだぜ!!)」

トウヤの歓声と共に、第5階層の極上ギミックは見事に打ち破られたのであった。

***

【星繋ぎの迎賓館:活力爆発の極上宴会】

その夜、アルカディア王国の迎賓館・大宴会場。

円卓の席についた王たちや転生者たちは、運ばれてきた土鍋から漂う「圧倒的な生命力の匂い」に、すでに理性を失いかけていた。

**【本日の和の国・極上フルコース(第5階層編)】**

* **『千年極楽鼈スッポンの黄金コラーゲン鍋』〜第1階層の黄金竹出汁仕立て〜**

* **〆の極上メニュー:『スッポンの旨味全吸収・雑炊』〜霊鳥の黄金温泉卵を落として〜**

* **特製ドリンク:『スッポンの生き血と時空リンゴのフレッシュジュース』**

「さあみんな、今日の食材はヤバいぞ。食った瞬間に全身から魔力と活力が爆発するから、覚悟して食ってくれ!」

トウヤが土鍋の蓋を開けると、黄金色に輝くスープの中で、プルプルのコラーゲンをたっぷり纏ったスッポンの身がグツグツと煮立っていた。

「(おおおおおっ!! な、なんじゃこのスープは!! トロトロに輝いておるぞ!!)」

ヴィルヘルム国王が、熱々のスープと身を小鉢に取り、一気に口へとかき込んだ。

「――――ッッ!!!」

カッ!!

国王の瞳孔が開き、全身から目に見えるほどの「黄金のオーラ(活力)」が噴き出した。

「(う、美味すぎるゥゥゥッ!! ぷるっぷるのコラーゲンが舌の上で溶けた瞬間、とてつもなく上品で濃厚な『命の出汁』が五臓六腑に染み渡る!! 噛めば噛むほど、鶏肉と魚のイイトコ取りをしたような極上の旨味が溢れ出し……体がッ! 身体中が熱いぞォォォッ!!)」

「(うおおおおおっ!! 陛下のおっしゃる通りですぞ!! この雑炊、ヤバすぎます!!)」

ガルド宰相が、鍋の残りのスープで作られた『雑炊』に、黄金の温泉卵を崩して頬張る。

「(スッポンの旨味を極限まで吸い込んだお米に、霊鳥の超絶濃厚な黄身がトロリと絡みついて……!! 一口食べるごとに、寿命が十年延びるような圧倒的な美味さ!! 私の腰痛が! 腰痛が完全に治りましたぞォォォッ!!)」

「(ヒャッハー!! この血のリンゴジュース、全然生臭くねえ! むしろリンゴの甘みと混ざって究極のエナジードリンクになってやがる!! 力が……力が無限に湧いてくるぜェェェッ!!)」

ジンがジョッキを叩きつけ、上半身裸になって筋肉をアピールし始める。

「(ああぁ……お肌が……お肌が内側からパンパンに張っていくのが分かりますわ……! これはどんな神聖魔法よりも効く、究極の美容食ですのね……!!)」

エリスやマリアたち女性陣も、コラーゲン鍋を無心でかき込みながら、自身の肌の異常なまでの艶やかさに歓喜の涙を流していた。

魔王ゼノン(太一)に至っては、あまりの活力の爆発に耐えきれず、迎賓館の窓から王都の空へ向かって極大の火炎魔法(花火)を打ち上げてストレスを発散している始末である。

「(ガッハッハ! トウヤよ、今日の収穫もまた一段とぶっ飛んでおったな! まさか迷宮の中で『風呂の温度調整』をさせられるとは思わんかったわい!)」

ガレスが、汗だくになりながら笑い飛ばす。

「ああ。神様のギミックはどんどん変態的シビアになってきてる。でも、その分だけ……ドロップする食材の味は、間違いなく【神話の領域】へと足を踏み入れてるぜ」

トウヤは、自身も熱々の雑炊をかき込みながら、最高の笑顔で東の空を見つめた。

第5階層にして、すでにこの美味さと恩恵である。

この先、第100階層、そしてその先の『未踏の大陸』には、一体どんな恐ろしくも美味しい食材が待っているのか。

最強の美食家たちによる、神をも翻弄する「究極の迷宮舐め回しツアー」は、絶対同盟の底なしの胃袋と活力を満たしながら、さらなる深淵へと潜っていくのであった。


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