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主要用語説明 (第001話~第051話)

1 世界関連


・アミユレート

世界「フィアース」において「神」を指す言葉であり、表現上、存在名として使用。一神教「カラートアミ教」により信仰されている。元々は現在の共通語ではない古い言葉で「至高の方」を意味していた。


・フィアース

作品の舞台となっている世界及び惑星の名前として使用。「大地」を意味する言葉である。元々は、カラートアミ教が広めた創世話にある「大きな球」を指していた。


・属性

火・風・水・地の4つ。元々は創世の際に使った区分であり、4つもあれば十分ということで設定されたと人間達は推測しているが、実際アミユレートもそう考えて設定(四色定理と同じ理屈らしい)した。


・精霊

元々、アミユレートがフィアースを創造するにあたり、環境を整えるのに使用したが、その後は独立した人格を与え、世界の流転を管理させた。各属性の精霊は様々な場所に存在する。精霊同士は、別属性でも存在を確認し、意志の疎通ができるが、人類は同属性の精霊のみ、存在を確認したり、意志の伝達ができる。魔法が自分の属性のみ実行できるのはそのため。なお、精霊には嘘を見抜く力と、悪意を感じる力がある。


・精霊界

世界の流転を精霊が管理する際に、精霊の数を調整するために設定された異空間。基本的に精霊のみが居住できる。精霊女王もここに居住する。


・魂

意志の根源。フィアースでは脊椎動物に魂が存在しているが、人の魂は強い力を持つ。精霊や特定の自然物にも人格はあるが、精霊女王を除き、魂は存在しない。魂はアミユレートが管理しており、魂には4属性のうち、いずれかの属性が付与されており、属性の色が瞳に現れる。


・人間族

フィアースの多数派(87.5%)を占める種族。基本的に地球人と大差ない外見。寿命は約70年。


・妖精族

誓約の樹があるウォールレフテ国周辺に住む少数種族(2.5%)で、人間族と異なる点は、耳が長い所。基本的にほっそりしており美形。精霊術を使用する。寿命は約500年。


・魔素

フィアースに遍在し、意思を伝達することができる。また、魂が魔素を大量に浴びると変質し、魔物化する。魔素はどの精霊も操作できない、無属性の存在。魔素は人や動物の体内にも存在するが、これらは魂によって感化され、体内にある限り属性を持つようになる。この状態の魔素を属性魔素といい、魔力の根源になる。



2 地理関連


・ユートリア大陸

フィアース最大の大陸。8つの国家が存在する。また、カラートアミ教の本部である神域「クェイトアミ山」がある。


・ロイドステア国

フィリストリアが生まれた国。ユートリア大陸の東側に位置し、国土は大陸中2番目に広く、農業を主産業としている。気候は温帯が多いが、北部は冷帯になっている。国民は人間族。ユレート歴1204年に初代国王により建国され、現在に至るまで基本的に政治は安定している。北西部に広がる大森林は、魔物暴走多発地帯として有名。


・アルカドール領

ロイドステア国侯爵領の1つで、最北・最東に位置する。気候は冷帯。現在の領主はフィリストリアの父であるクリトファルス。ノスフェトゥス国と隣接しており、領主は国境警備を国王から命じられている。


・テトラーデ領

ロイドステア国伯爵領の1つで、王都の南に位置する。気候は温帯。領主家はエヴァンジェラの実家。茶の産地。海産物も豊富で、牡蠣の養殖を行っている。


・セイクル市

アルカドール領の中心都市で、領兵を含めて5万人程度の人口。フィリストリアが居住する。


・トロス砦

アルカドール領内にある、ノスフェトゥス国との国境付近にある砦。北東街道沿いにあり、出入国の管理施設としても利用されている。最大1万人の篭城が可能。


・北東街道

ロイドステア国の王都からアルカドール領を抜け、ノスフェトゥス国に続く街道で、両国間の移動における主要経路で、基本的に国が整備している。概ね20~30キート毎に、町村がある。


・ノスフェトゥス国

ユートリア大陸の北端に位置し、国土は大陸中3番目に広い。全体的に冷帯であり、厳しい環境も相まって好戦的な傾向が見られる。



3 特殊能力関連


・魔法

意志を自然現象に反映させる手法。広義には2種類、精霊を通じて事象を変化させるものと、神の恩寵がある。狭義には、世界に遍在する魔素を媒介として精霊に意志を伝達して、事象を変化させるもので、通常はこちらを指す。狭義の魔法は、約1万年前に、アミユレートが精霊に対して「意思を持つ存在の事象変化の願いを実行せよ」と命じたことにより、行使が可能となった。


・魔力

属性魔素がどれだけ身体に存在するかを指す。具体的な数値を出す場合は魔力量という言葉を使う。魔力が高いと、精霊に強く意志が伝わるため、魔法の威力が高まる。


・魔力操作

体内の魔力を操作することで、魔力の活性化、属性魔素の密度変化、体外への魔力流出の制御を指す。習熟すると、体内の魔力循環を意識的に変化させる事も可能。


・活性化

属性魔素と意志を同調させること。従来は体内の魔力循環を意識することで、体中の属性魔素との同調がなされていた。活性化を行うと、属性魔素が体外に放出され、魔力が減少していく。


・アンダラット法

フィリストリアが発見し、アンダラット男爵が体系化した、画期的な魔力操作法。フィリストリアが語ったのは魔力の活性化法のみであったが、アンダラット男爵が魔力操作全般に応用して検証・体系化した。臍下丹田を起点とし、全身に放射状に仮想パスを構築することで、魔力操作がより効率的になった。


・身体強化

魔力操作を応用することで、反射速度や筋力を向上させる手法。基本的には、魔力量と魔力操作の習熟度で強化率は異なる。なお、アンダラット法を習得すると、強化率も多少向上する。


・精霊術

精霊を直接使役するか、又は精霊と意思を疎通させ、情報収集などを行う術。精霊術には3つの段階がある。妖精族以外の種族の精霊術士が行う意思疎通と情報収集等。妖精族が精霊の加護を得て行う使役、感覚共有。精霊女王の加護を得て行う体の一部または全部との同調。フィリストリアは、部分同調を同化、全体同調を和合と呼称している。


・精霊視

精霊の存在を知覚できる能力を指す。特殊能力だが神の恩寵ではない。妖精族は全員が精霊視を持つが、他種族においては、精霊視を持つ者は僅か。


・魔法士

魔法の使用を伴う業務を行う者の総称。一部の例外を除き、資格は不要だが、魔力量は最低1000以上は無いと厳しい。


・魔導師

ロイドステア国においては、王都魔法学校を良好な成績(概ね上位3分の1以内)で卒業し、かつ、魔力量が10000以上ある魔法士を指す。当然、全員貴族の出である。他国においても、一定以上の魔法の知識と、魔力量の多さを基準にしており、概ね同じ。


・魔技士

魔道具を作成する魔法士を指す。基本的にはどの国も何らかの基準を設けて管理している。ロイドステア国においては、魔法省魔道具課が毎年試験を行い、合格した者を魔技士に認定している。


・精霊術士

精霊視を持ち、精霊術を行使できる女性を総称している。ただし、妖精族には精霊術士という言葉は使わない。ロイドステア国においては、洗礼時などに精霊視を持つと確認されると、精霊術士として政府に雇用され、魔法省精霊課で勤務することになる。


・精霊導師

精霊女王の加護を得た精霊術士を指す。フィリストリアは歴史上2人目の精霊導師。精霊導師は、精霊と同化や和合を行うことで、対応する属性を意のままに操ることができる。世界初の精霊導師であったエスメターナの死後、精霊導師の力を恐れた各国は、再び精霊導師が誕生した場合、一国による過度の独占を禁じるとともに、災害などに際して助力を要請できる協定を結んだ。各国の求婚を可能にするという話も、この協定の一部。


・複数属性者

稀に誕生する人間で、魂が2つの属性を持つ。片方ずつ、各々の属性に対応した瞳の色になる。所謂オッドアイ。複数属性者は転生者であり、前世の記憶を保有する。


・全属性者

全ての属性に対応した魂を持つ存在で、黄金色の瞳を持つ。際限なく魔素を吸収してしまう体質で、このため常に魔力操作を行う必要がある。フィリストリアは前世の記憶から、息を吸うように魔力操作を行うことが出来たため生き残ったが、他の者は魔力飽和で生後すぐに亡くなった。作中では全属性者は異世界転生者ではないか、と推測されているが、結論は出ていない。


・神の恩寵

神が自身の権能の一部を人などに使用可能にさせること、又は使用可能となった権能を指す。


・遠視

神の恩寵の一つ。世界の任意の位置の情報を視覚・聴覚情報として、使用者の脳内に与えるもので、距離や使用時間に応じ魔力を消費する。精霊女王、龍が使用できるほか、10才の洗礼時に、1万分の1程度の割合で使用権が与えられる。


・異空間収納

神の恩寵の一つ。使用者がイメージした仮想空間(別次元に領域を確保)を設定し、その中に物体を保管できる。精霊女王、龍が使用できるほか、10才の洗礼時に、1万分の1程度の割合で使用権が与えられる。


・転移

神の恩寵の一つ。使用者の現在の位置情報を書き換える。使用者は装備品、所持品とともに一瞬で位置が変化するが、状態は変化しない。精霊女王、龍が制限なく使用可能。通常の精霊は、特定位置への転移が可能。


・念話

神の恩寵の一つ。指定した存在に回線を設定することで、自分の意思を相手に伝えることが可能。双方向回線を設定すれば、思考により会話することも可能。精霊女王などは神と同等の念話の能力を持ち、設定した相手とは、距離に関係なく話すことが可能だが、通常の精霊は、自身を認識できる存在に対してのみ、回線を設定できる。

なお、本作においては、念話での台詞を表すのに『』を使用。


・治癒

神の恩寵の一つ。完全な状態の体に戻すことが出来る。怪我が酷いほど、使用魔力が多くなり、魔力が不足した場合は失敗し、状態は復帰しない。対象者の魂が体にあれば、治癒は原理的に使用可能。治癒の恩寵は、修行を積んだ神官に与えられる。


・鑑定

神の恩寵の一つ。対象者の魂から、各種情報を読み取る。魂を持つ存在の、名前、出身、種族、魔力値、特殊技能、状態や犯罪歴などを把握できる。司教以上の神職者が神に祈ることで、発動可能。貴族子女の洗礼時のほか、裁判などで、真実を明らかにする際にも使用される。



4 その他


・アルフラミス

クェイトアミ山などの高地に咲いている花。非常に美しい白銀の花で、暗闇で仄かに光り、カラートアミ教の紋章の中にも表されていたり、高貴な美女の形容にも使われている。王族ではないマーサグリアが「ステアのアルフラミス」と呼ばれたのは、当時の王太子(前国王)がマーサグリアの美しさに一目ぼれして求婚しようとしたが、精霊術士は25才まで独身と定められていたため、王太子としての立場から泣く泣く諦めたという話から。古い言葉で「神を讃える者」という意味があったとされている。


・カラートアミ教

アミユレートの教えを布教する一神教。ユートリア大陸南部にある、クェイトアミ山に本部があり、神域となっている。「カラートアミ」という言葉は、フィアース語で「神の言葉」「真理」という意味がある。


・ユレート歴

カラートアミ教が成立し、初代神子(教祖)が認定された年をユレート歴1年とする暦年。現在のフィアースではどこの国も基本的にユレート歴が使用されている。なお、51話の時点では1519年。


・魔物

魂を持つ存在が、魔素溜まりなどの発生が原因で、大量の魔素を浴びることにより魂を変質させた存在。魔物は魔力、つまり属性魔素を元の魔素に戻そうとする本能があり、通常の魂を持つ存在、特に人を破壊しようとするので、人が近くにいると襲い掛かって来る。基本的には一定以上の大きさの脊椎動物が魔物化する。なお、人は通常、魔物化しないとされているが……。


・疫病

魔素溜まりで死んだ小動物などから、稀に強力な魔力耐性を持つ特殊な病原菌・ウイルスが発生し、通常ならば魔力により病気に罹りづらい人や動物をも発症させる。菌・ウイルス自体は長期間の存在は出来ないが、各種感染経路により急速に感染が拡大するため、本格的に流行すれば、多数の死者が発生する。対策として、早期に汚染源を燃やし尽くす(浄化)こと、人や物の流通を制限すること、汚染源近傍に水源があった場合は、その水源に連なる水を飲まないこと、感染者への直接接触は避けること、等が神託によって周知されている。


・転移門

特定の2つの領域の間での転移を可能とする、当該領域のこと。大司教以上が設定可能。神より「接続する2地点における魔石の設置及び転移領域の表示」「転移の際は、一定の魔力(属性問わず)を魔石に供給することで発動」「無闇に設置せず、真に必要とする場所のみ設置」という条件が示されている。なお、ロイドステア国は、王都大聖堂~クェイトアミ山、王都各領主邸~領地各領主邸、王城~ウォールレフテ国の間に転移門が設置されている。


・王都騎士学校

平民は10才から、貴族は12才になる年から入学可能な騎士養成学校。剣術、槍術、馬術や礼儀作法、軍事学を学ぶ。平民は5年の課程、貴族は3年の課程を修了して卒業となり、多くは国軍や領軍、警備隊や貴族の護衛などになるが、冒険者になる者も中にはいる。


・王都魔法学校

平民は10才から、貴族は12才になる年から入学可能な魔法士・魔技士養成学校。魔法や魔道具作成の理論及び実技を学ぶ。平民は5年の課程、貴族は3年の課程を修了して卒業となり、魔法省、魔法兵団、町の魔道具店などに勤務するが、冒険者になる者も中にはいる。


・魔法研究所

魔法省の隷下組織で、魔法に関する研究を行っている。危険な研究も行うためか、王都の外れにある。魔法研究所は、共通、火・風・水・地属性の研究室に別れている。その他、実験場などの設備がある。


・領行政舎

領主の領政を支えるため、領主邸の近傍に建てられ、行政官や職員が勤務している。領内に災害が発生した際などは、対策本部が設置されたりもする。行政官は貴族が任命される。


・ロイドステア国の貴族制度

5階級あり、便宜上、公・候・伯・子・男を当てはめている。領主は伯爵以上。子爵・男爵は基本的に領地を持たない一代限りの法服・帯剣貴族で、文官・武官として功績のある者が叙爵される。公爵家は経済的な要所の統治を任され、侯爵家は国境又は魔物多発地帯の警備を任されている。家督を継げるのは男子のみ(養子可)。伯爵以上の、家督を継げない子弟は、無能でなければ子爵か男爵に叙爵される仕組み。子・男爵の子弟は、一定以上の才が無ければ平民となる。後継者のいない領地は、王家が新たに候補者を選定する。王位を継承しない王族の男子は、公爵家などに婿入りして家督を継ぐか、法服公爵として、大臣等の要職に就く。なお、子・男爵は領主の元で分領を統治することが可能。この場合、分領太守という地位になり、家督の継承も可能。分領に関しては、領主に任命・解任の権限が与えられている。


・ロイドステア国内の居住地域の区分


王都:国王が居住し、政治中枢である行政府がある地域。国王直轄地の一つ。


市:領中心都市。領主が居住するとともに、領行政舎がある地域。


公府:公爵領の領中心都市。王都の代替機能を限定的に保有する。


なお、王都、公府、市の長は国王、公爵、領主だが、実質的な行政は執政官が実施している。王都執政官は法服伯爵、公府執政官は子爵、市執政官は男爵。


町:2千人以上が居住する地域。代表者は、領主によって指定された町長。


村:100人以上2千人未満が居住する地域。代表者は、村内で選任した村長。


集落:100人未満が居住する地域。代表者は、集落内で選任した長。

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