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神竜帝国のドラゴンテイマー  作者: 八茶橋らっく
3章 猫精族と守護剣
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52話 猫精族の守護剣

あけましておめでとうございます!

今年もよろしくお願いいたします!

「魔王様を封じた封印術を扱う一族など、魔族にとって天敵以上の何者でもない。ヴァーゼルからすれば、一族郎党を皆殺しにするのも当たり前と思うがな」


 合流してからことの顛末を説明すると、アイルはあっけらかんとそう言った。


「でも、俺の一族は帝国でだな」


「スキルもあって、ドラゴンテイマーを代々生業にしていたと言いたいのだろう? 封印術もあくまで、ドラゴンをテイムする手段に過ぎぬと」


 頷くと、アイルは首を横に振った。


「その件だが、恐らく逆だ。レイドの一族はドラゴンテイマーだから封印術を扱えるのではなく、ドラゴンや魔族を縛れるほどの封印術を扱えるからドラゴンテイマーになれたのではないか? 妾から言わせれば【ドラゴンテイマー】スキルの方は、レイドの一族がテイマーとなったから発現したようにも考えられる。人間のスキルには、個人や一族の生活様式が変化することで変質して発生するものもあると聞くのでな」


「確かに個人のスキルが変質するって話は聞くけどな……」


 たとえば、生まれつき【射手】スキルを持っていても稀に、血の滲むような鍛錬の末に【剣術】系スキルに変化するようなこともあるとか。

 つまり一族が全員テイマーとしての生活を始めれば、いつしか生まれる子供たちにも【テイマー】系スキルが発現するようになるといったところだろうか。


「それに妾も段々と思い出してきたが、やはり貴様の封印術は魔力の雰囲気も見た目も皇竜騎士のものと瓜二つだ。あの六眷属共とて、封印術を見てからレイドが皇竜騎士の末裔と判断したのだろう?」


 重ねて首肯を返すと、アイルは続けた。


「ならば間違いようもない。長い年月とヴァーゼルによる一族狩りで伝承も途切れたのだろうが、レイドは皇竜騎士の末裔だ。……魔王様復活が迫り魔物が活発化し、残った四天王が動き始めた中で、レイドが古竜と出会ったのも運命かもしれぬな」


「それって俺がルーナと一緒に魔王を倒す……とかか?」


 あまり荒事は好まないんだが。


「さて、魔族の妾としては魔王様を倒してなど欲しくないところだが……ふむ」


 アイルはちらりと後ろを振り向き、ため息交じりに言った。


「おい貴様ら。こっちの話はひと段落したが、まだ封印は解けぬのか?」


 アイルの視線の先には、守護剣を守る結界の封印を解きにかかっているロアナとメラリアの姿があった。


「もう少し待ってください。メラリアたちも苦労しているのです」


「あたしも頑張るよー……ふぎぎぎっ!」


 猫精族の長の家の地下にある洞窟にて、目の前ではロアナとメラリアが力技で結界を破ろうとしていた。

 他の方法はないのかとさっき聞いたが、この結界は身体能力に優れる猫精族のみが破壊できる仕様になっているとか。

 それでロアナとメラリアが頑張っている訳だが……よし。


「ロアナ、ちょっと手を貸して」


「ほぇ?」


 ロアナの手を握り、俺は魔力を流し込んでいく。

 テイマー系スキルはテイムしている対象を強化できるが、魔力を流し込めばその効果は短時間ながら著しく跳ね上がる。

 筋力で言えば、最大で数倍ほどにまでなる。


「凄いよっ、レイドお兄ちゃんがあたしの中に……!」


『……』


 ロアナが語弊を生みそうな言い方をすると、なぜかルーナが俺を睨んできた。


「ロ、ロアナ。たったの十秒くらいだけど、これで力も上がった筈だ。一気にこじ開けてくれ」


「よーし! ふんっ!!」


 ロアナが勢いよく突進すると、結界はガラス細工のように砕け散った。

 その様を見て、メラリアは「大人でもあんな力は……!」と目を丸くしている。


「さあ、早いところ守護剣を回収しよう。六眷属たちが戻ってくる可能性がある」


 俺たちは結界の先、洞窟の行き止まりまで移動する。

 するとそこには、澄んだ湧き水のたまる泉と、その中に一振りの剣が沈んでいた。

 剣は柄に黄金の装飾が施され、一見して儀礼用の宝刀にも見える美しさを秘めている。

 全員で見ほれていると、アイルが目を剥いた。


「なっ、こ、これは!?」


「アイル、知ってるのか?」


 問いかけると、テイムの紋様が輝いてアイルが渋々といった様子で話し出す。

 どうやら黙ろうとしたらしいが、強力にテイムされているアイルは俺に対して隠し事はできない。


「……これは皇竜騎士インペリアルドラグーンの所持していた、魔王様と対等に切り結んだ剣──神竜皇剣リ・エデン。俗にいう聖剣の一種だ。かつて古竜が秘宝としていた真神鉄ミスリルを神竜帝国の名工が数年がかりで鍛え上げ、竜神によって魔滅の祝福を受けたと聞いている。まさかこのような場所にあろうとは……」


 それからアイルは腕を組んで、小難しげな表情になった。


「神竜皇剣リ・エデンが沈むこの泉の水、魔族の触れられぬ聖水か。……なるほど。六眷属たちがこの地に戻ってくる猫精族たちを待ち構えていたのは、捕らえてこの剣を回収させるためだったか。大方、奴らもこの里を攻めた後で剣を回収して破壊できぬと気がついたのだろう。それと……」


『猫精族の里がヴァーゼル配下の魔物に襲われた理由も、これではっきりしましたね』


 ルーナは聖水に手を浸しながらそう言った。


「アイルを封印できる水精霊に、魔族を封じることができる封印術を持つ俺の一族。さらに魔王を追い詰めた武器を守護剣として守る猫精族……ヴァーゼルが狙う訳だ」


 魔王復活の下準備として、邪魔な種族を次々に滅ぼしてしまえという考え方。

 ヴァーゼルは用心深いと聞いているが、確かに用意周到な奴に思える。


「でも、どうしてそんな凄い剣があたしたちの里に?」


 ロアナはうーんと可愛らしく唸る。

 するとアイルが答えた。


「そう言えば、妾が封印される直前の皇竜騎士のパーティーには猫耳の娘がいたという報告があったが。今思えばその娘、猫精族だったのかもしれん」


「そのツテで皇竜騎士亡き後、剣はこの里で大切に守られてきたと」


「メラリアたち長の家系は代々、この剣には強大な魔を滅する力が込められていると聞いていましたが。まさかそれほどまでの代物とは……」


 メラリアはちゃぷんと泉へ入り、神竜皇剣リ・エデンを回収した。

 近くで見れば、その剣には錆びや傷の一つもないどころか、適当に振っただけでもあの三つ首のヒュドラを容易く葬れるほどの魔力を感じられた。

 あの魔力耐性の高さで知られるヒュドラをだ、それほどまでに研ぎ澄まされた魔力だった。

 ……流石は大陸全土を支配しかけた魔王と対等に斬り結んだ剣というところか。


「これでこの里から出て、竜の国へ戻れるな。他の魔族が出てくる前に急ごう」


 俺の言葉に、その場にいた全員が頷いた。

 それから俺たちは古竜の姿に戻ったルーナとガラードの背に乗り、竜の国まで戻っていった。


《作者からの大切なお願い》


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