人外の生贄
ここは、極東の国。
縦縞模様の粋な和装した、人間達が暮らしていたが、日々の労働に明け暮れているものの、一部の男達は富裕層に盗賊、強盗を生業にし、女はお気入りの男に入れ込み、体を売ってでも、金を稼ぎ、そのお気入りに好かれようとしてた。
そんな、殺伐とした世の国でも人々は、懸命に生きている。
そして…この国にはバクフと言う、統制機関がある。
統制機関の首長は、なんと人ではない。
人ならず者の名は、人の言葉で正義と呼ばれていた。
所謂、鬼と呼ばれる者に、風貌は、そっくりで、肌は白く、体も人間離れした大きさだ。
普通の鬼と違い、角が額に一本、両側頭部に一本ずっつ生えていた。
着ている着物は、上下、白に統一された、袴を纏い、神秘さも醸しだしていた。
その正義に誰も逆らえなかった。
いや、逆らえなくなったと言った方が正しいのか、この正義は、徹底的に人の心を折ることを知っており、尚且つ、それを愉悦として自分の心の清涼剤としていた。
正義は、酷く独善的な性格で、気に入らない者は、とてもつなく酷い方法でいびる。
ある者は、肉体労働を従事され、穴を深くふり、そして、穴を埋める、何の生産性のない労働を朝から夜中までさせ、それをニ週間続けさせる、そして、その者は決まって正義の前で晩飯だけを摂らされた。
気持ち悪い作り笑いで正義は見ている。
それとは裏腹に、飯は豪勢に鰻の蒲焼、豚汁だった。
肉体労働に腹が空いてる体には、うってつけだった。
蒲焼きをかきこみ、豚汁を貪るように啜った。
正義は、ニ週間経つと、その者を罰から解き放った。
あの気持ち悪い作り笑いを浮かべながら…
そして、ニ週間ぶりに家族に会えると、嬉しく家に帰ったが、いない。
父、母、妻、息子、誰もいない。
いない、いない、何処に行ったと、その者は、近所の住人に聞くと、二週間前に自分が城に連れて行かれたと、同時に家族もバクフの者に別の道に連行されたと言うではないか。
男は…全てを悟った…そして…道に吐瀉物を撒き散らかす。
あの気持ち悪い作り笑いの正義公の顔を思い出しながら…
っとそこへ、誰かが駆け寄った。
「お侍様――!!」
「誰だい……君は…」
駆け寄ったのは、ニ十代の田舎侍と言うべきなのだろうか、上下、黒の袴を着て、腰に立派な刀を携えている。
「お侍様、こんな天下往来の道の真ん中で、吐くなんて、とんでもない目にあったんでしょ」
「全てを失った……俺が悪いんだ、俺が悪いんだ、全て…」
その様子を見た、田舎侍は、男に触った。
理解した。
斬るべき相手を。
「お侍様、ワシは塚原アオハルと申すもの、あんたに非があろうと、ワシはあんたの味方バイ」
「君に何が理解るんだ――――!!もういい、俺には死しか救いがない…君が優しいのは…ウゥゥ」
男は泣き崩れる、立派な髷を掴み、引きちぎる。
最底辺の僕です。
気になったかった方は、どうかポイントください。
励みになるんでお願いします。




