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3 sealed artery

お久しぶりです。亜屍御羅です。

ようやく活動時間が安定してきました。10月末まではしばらく投稿続けられそうです。

今回はかなり文章に凝ったので、楽しんでいただければ幸いです。

 ————ガシャーン————

 突然、鈍い轟音が辺りに響いた。

「……なに……今の……?」

 アイローゼの声が、広い空間に落ちる。

 レオードとフリゼンが急いで入口の方へと駆けていく。俺たちも慌てて後を追いかけた。


「そんな……ゲートの封鎖を確認! 誤作動かと思われますっ……!」

「ちっ、まずいな……フリゼン! 至急本部に緊急連絡!」

「ダメですっ……! 電波が遮断されて通信できません!」

 二人が相当焦っている。やはり只事ではないらしい。

 

 「……ねぇ……あたしたち、ここで死ぬの?……」

 アイローゼが俯きながらポツリとこぼした。声がか細く震えている。

 誰も返答できなかった。俺たちは人を殺した、それは事実だ。だが、死ぬ準備などできているはずがない。

 奪うのに、奪われないとその瞬間まで信じている。それが人間《いきもの》だ。

 試しにゲートを軽く叩いてみる。ゴンゴンと硬い金属音が鳴るだけで、当然のようにびくともしない。

「……ソウくん、一人でこんなでっかい扉開けるつもり?」

 背後からウィルの間の伸びた声が聞こえる。

「試すならさぁ、俺にも手伝わせてよね。仲間なんだし。」

「……まだお前のことは仲間だと思ってない。」

「んもー……冷たいなぁ。」

 ウィルの反対側に回って、もう一度、二人で扉を引いてみる。

 だが、手応えの一つもない。

「……これ、扉開けるだけじゃダメかも。」

 しばらく扉の様子を見ていたオーリスが、こちらをジロジロ見ながら言い放った。

「ここ、扉の隙間から岩肌が見えるだろ。多分ゲートが閉じた衝撃で、天井かどこかのコンクリートが崩落してる。」

 この短時間でそこまで分かるとは、なかなか頭の回転が早いらしい。

「さっすが俺の弟。冴えてるね。」

「うっさい黙れ兄貴。」

 舌の回りようもなかなかすごいが……まぁ、おかげで雰囲気がいくらか緩んだ。


 しばらく経った後、通信機をじっと見ていたレオードが口を開いた。

「……この場にいる皆に告ぐ。先刻、ゲートが不具合で閉鎖し、さらに建物の破損で完全に出入り口が塞がれた。しかも、電波まで遮断されている。……つまり、私たちは今、この第三魔発に閉じ込められた。」

 少し緩みかけていた雰囲気が引き締まった。やはり、ただの不具合ではないらしい。

「……警察官さん、閉鎖されたゲートの他に出入り口はないのですか?」

 震えるアイローゼの背をさすりながら、ジュリーナが冷静に答えた。

「ないわけではないが……この状況ではルートが把握できない。なにより、他の出入り口付近は、直属部隊が全滅したとされる場所に限りなく近い。」

 大きさからして、おそらくここがメインゲートなのだろう。安否が確認できない状況で、狭い出入り口に向かうのは得策ではない。

「では、食料や飲料水などは? この場所で救助を待つには、かなり時間がかかると思うのです。」

「元は私たちが到着した後に運び込むつもりだった。あるとすれば、バンの中にある残り物の食料と、私たちが常備している非常食くらいだ。」

 少なくとも、地下鉄でこの場所に向かうのには3日はかかった。その食料の量では、この人数分は賄いきれない。

「うーん、どうすればいいんだろう? ね、ソウくん?」

 ウィルだ。ことあるごとに突っかかってくるな、なんなんだ本当に。

 ふと、足元に目をやる。散らばったメモ、あちこちに伸びるパイプ、そしてコンベヤー……

「……この辺り、魔発だけじゃなくて、本当はいろんな工場やらが併設されてたんじゃないか?」

 魔発……正式名称『魔力暴走式発電所』は、魔力を使って電力を発電するための場所だ。そこで生み出された電力を直接使うために、工場を近くに建てることは多い。

「確かに、近くには工場がいくつか併設されていたと報告書には書いてあったが……それがどうした?」

 はぁ……変なところで鈍感だな、この筋肉警察官。

「工場になら、食料の一つや二つはあるんじゃないのか? もっとも、食料品を生産する工場なら。」

 手に持っていた缶を見せる。文字は掠れているが、パッケージは食料品のものだ。。

「これがバンの下に落ちていた。近くに工場や倉庫がある可能性は高い。」

 「……そういうことなら話は早いな。」

 一瞬、レオードの顔がほんの少し緩んだ、気がした。

 

「至急、皆に告ぐ! この場所の近くには食料があることが見込まれる! チームを分け次第、捜索に向かうぞ!」

 ここから動くのにはリスクが伴う、だからと言って、ここで餓死するわけにはいかないのだ。

「食料探し? いいね、面白そう!」

「……少し口を閉じたらどうだ?」

 ウィルの声を無視して、ポケットに缶をしまう。

 生き残るためには、協力するしかない。

いかがでしたか?今回はソウの名推理が光る回でしたね。

ちなみに、タイトルは「封鎖された動脈」という意味です。

続きの展開にも、乞うご期待を。

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