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         1 男爵令嬢

 マイクはマリエールのお守り役。ある日マリエールは樽を持って来た。水を入れるから村人を呼んで来てとマリエールは言う。

            1  男爵令嬢


 マイクはマリエールのお守り役の6歳、父親は男爵の執事だ。母親も男爵家で家事を任されている。マイクも男爵家の手伝いだ。今3歳のマリエールのお守りだ。男爵は元々騎士だった。戦功を認められて男爵になった。領地は広がったが痩せた土地だ。森があるから水源はあるはずだが魔獣が多いので冒険者か狩人しか近づかない。

 マリエールが不思議な物を持って来た。普通の人の背丈の倍もあるような大きな樽だ。マリエールは、

「村の外で見付けたの。水を入れるから村の人達呼んで来て。」

3歳のマリエールがこんなに大きな樽何処からどうやって持って来たんだ。水だって井戸水しかここにはないぞ。どうして水があるんだ。まぁそれにしても水があるなら村人を集めるしかない。マイクは、

「判った。みんなを集めて来る。」

15分後には村人の多くが集まった。マリエールは意気揚々と樽の説明をした。樽の下の方に蛇口があって水が出せる。

「池から汲んだ水だから飲料水には使わないでね。」

マリエールは注意したが守られるかどうかは疑問だ。マリエールの行動は不思議な事が多すぎる。1歳の時には言葉も話せて読み書き計算をこなし本読んでいた。2歳の頃には様々な魔法を使って村人の手伝いをした。3歳になって狩りをして村人に肉を配った。マイクは付与魔法で一緒に狩りをしている。マリエールと一緒ならマイクも付与魔法が受けられる。

 樽から水が出るようになって村人は喜んだ。村人はバケツを持って樽から水を汲んだ。樽は数日内に10個になった。フライがある。マイクもマリエールも空が飛べる。ある日の夕食、男爵様は、

「最近、村に妙な樽があるな。蛇口を捻ると水が出る。マイクとマリエールが置いた樽だそうだが何処からその水を得た。」

マイクも良く判らない。ほとんどマイクはマリエールと一緒だ。マリエールが何処かに水を汲みに行ったとは思えない。マリエールは

「複製魔法で水を複製しました。魔力は消費しますが樽の10個分の水なら軽い物です。」

領主は貯水池への水の供給をマリエールに頼んだ。かつてこの村にも貯水池があった。今は干上がってしまったが10年前まで貯水池は確かにあった。貯水池が干上がって多くの人々が村を後にしたし廃村も考えたが村と共に死ねるなら悔いはないと言う人もいて男爵も残る事にした。マリエールは、

「判りました。そのお役目必ずやり遂げます。お任せ下さい。」

と言った。3歳のマリエールになんと無茶苦茶な事を頼むのだと6歳のマイクは思った。

 翌日からマイクとマリエールは貯水池に水を供給した。予想した事だが中々水は貯まらなかった。染み込んでしまうのだ。しかしそれも村にとっては大切な事なのだろうと思った。ようやく貯水池に水が貯まり出したのは一ヶ月が経った頃だった。それからが更に大変だった。供給しても水は思うようには貯まらない。毎日マリエールは魔力が枯渇するまで水の複製を続けた。また一ヶ月経って水は少し貯まった。

 マイクとマリエールは男爵に貯水池への水の供給を頼まれた。枯れた貯水池の水の供給だ。簡単な事ではない。

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