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ディメンションブレイク  作者: 凧39
一章 日常編
1/6

ゼロ話 プロローグ

初めての連載作品です。拙い文章かもしれませんが応援してください。

2017年6月7日正午、世界中の様々な所に異次元へと繋がる扉が出現した。それと同時に、『選ばれし人間』、ファイターと呼ばれる存在も現れた。


扉の中の異次元は、この世界とは異なる空間であることから、"アナザーディメンション"(略称はディメンション)と呼ばれるようになった。


新しい職業、ファイターはディメンションの中にいる、通常兵器が効かない凶悪な未確認生物(エンティティ)、という存在に対抗することが出来る。ディメンションを攻略しなければ、時間経過で中からエンティティが出てくる。タイムリミットまでに中にいるエンティティを倒さなければファイターの負け、ファイターとは命懸けの職業である。



◆◆◆◆



2023年5月18日。


「さて、行くか」


手袋を両手に身につけて、俺はお気に入りの黒い戦闘用コートを着る。少しの焦りと共に玄関の扉を開ける。鍵を閉め、跳躍をし、羽を顕現させてビルの間を通り抜ける。


(遅れたな)


待ち合わせ時刻を2分過ぎていた事実に、先程気づいた。風の心地よさを感じながら滑空していると、右方向から悲鳴が聞こえる。


「ぎゃあああああーー」

「どこかのパーティが全滅したんだ!」


その言葉を受け取ると、(何でこんな時に)と思いながら悲鳴が聞こえる方へ向きを変えて、向かう。

現場に到着すると、建物ほどの大きさのミノタウロスに似た赤いエンティティが、周囲の建物を破壊しながら人々に襲いかかっていた。まだそこまで崩壊していない。


「…」


右手を一角獣の角に変換させて、エンティティの心臓目掛けて突進する。無言で三連撃を心臓付近に命中させる。エンティティは雄叫びを上げながら、光を発し絶命した。流れ出た光を浴びる。


「すごい、こんな化け物を一瞬で」

「これが最近、話題沸騰中のファイターか」


称賛の言葉を静かに受け取り、無言でお辞儀をする。辺りを見渡し、緑色の扉の残骸を見つける。


(だいたいレベル3クラスのディメンションと言ったところか、被害が最小限に済んでよかった。)


「はっ」


再び翼を顕現させて、大空を駆ける。そして、待ち合わせ場所へと向かう。数分後に到着した時、3人ほどの人が、見える。


「お前が一番遅かったな」

「すいません先輩」


遅刻した俺を、穏やかな表情で話しかけてきた櫻井先輩。この人は俺がファイターになった時から、俺のことを助けてくれたいい先輩だ。見た目は柄が悪いくていかにもヤンキーって感じの雰囲気だが、とても優しくて滅多にキレない。そして、爆炎を使う能力を持つ世界ランク11位のファイターでもある。


「そういえば先程出現したエンティティはどうした?」

「それなら俺が倒した」


葵の言葉にこのように返す。葵は俺の初めての仲間だ。ちなみに、能力は盾の生成で、世界ランク9063位のファイターだ。見た目は普通の好青年って感じ。ファイターになった頃、互いにソロだったからコンビを組んだ。この話はまた別の機会で語る。


「流石だな」

「俺たちもこれから向かおうとしていたんだ」


櫻井先輩と葵はそういった。この人達が余計な苦労をしなくてよかったと、思いながら扉の前に立つ。2人の近くにいる人に話しかける。


「お久しぶりです。風間さん」

「あぁ、また君と一緒にパーティを組めてよかったよ」


風間さんはそこら辺の大学生みたいな人。九ヶ月ほど前に、レベル4クラスのディメンション攻略でパーティを組んだことがある。大気を操る能力を使う、北海道を拠点に活動する世界ランク3万9428位のファイターだ。


扉は紫色で、小学校ほどの大きさだ。禍々しい雰囲気を感じる。聞いた情報によればレベル4クラスの扉だそう。レベル4クラスとは、環境そのものがファイターを殺しにくるケースがあり、内部の大気条件が異なるかもしれない。風間さんを呼んだのもそのためだ。


「今回も生きて帰りましょう」


ああ、という三人の返事を聞いてドアノブに手を置く。

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