第24話 トラック運転
登場人物
宮本→主人公
中山→お姉さま事務員さん
高橋→教育係
中山「お待たせ。この人が君の教育担当になってもらう高橋さんだよ」
現れたのは30代後半?ぐらいのワックスで頭をツンツンに尖らせたやんちゃ風な男の人だった。
高橋さんはニコニコしながら挨拶をしてきた。
高橋「高橋です。どーぞ宜しく」
慌てて俺も返事を返した。
宮本「はい、宜しくお願いします」
中山「じゃあ高橋さん後はお願いしますね。くれぐれもちゃんとした仕事を教えてあげてくださいね」
少し不安そうな顔で高橋を睨みながら中山さんは言った。
高橋「分かったわかった。じゃあ宮本君、俺について来て」
中山「……まぁ、高橋さんを信じましょう。じゃあ宮本君、私は業務に移るから後は高橋さんに色々教えてもらってね!頑張ってね!」
宮本「分かりました!」
そう言って俺は高橋さんについて行った。
高橋「ふー、じゃあ取り敢えず宮本君の最初の1、2年くらいは配達業務をしてもらうと思うから、まずはトラックの運転の練習から始めるね」
宮本「……はぁ、トラックの運転の練習ですか?」
高橋「うん、あそこに置いてあるナンバーが『0721』になっている1.5トン車を使ってもらうから。まぁ、今回は俺のトラックで行くよ。取り敢えず助手席に乗って。まずは運転の練習場へ連れて行くから」
宮本「あっ、はい。わっかりましたー 」(なんつう卑猥なナンバー車なんだよ)
嫌だなぁ。恥ずかしいなぁ。あのナンバーだけなんかみっともねぇなぁ。
そんな事を思いながら俺は高橋さんに連れられ、とある会社近くの広々とした公園に到着した。
高橋「よし、つーいた。じゃあ宮本君、取り敢えず運転してみようか」
高橋さんはそう言うと、運転席から降り、すぐに助手席席へと移動してきた。
高橋「ほら、早く早く!」
宮本「ちょっ、ちょっと待ってきださいね」
わぉ、もういきなり練習か。
あんまりトラック運転はした事がなかったので正直少し不安だ。運転席に移動し、俺はキーを入れ、エンジンをかけてみた
プスプスプスプスプスプスプスプスプスプスプスプスプスプスプス
宮本「?」
なんだこのエンジン音。このトラック大丈夫か?
少し困惑する俺の隣で高橋さんはケラケラと笑った。
高橋「わりわり、この車少し古くなっているからエンジン音がたまにさっきみたいな気の抜けたような音が出るんだよ。まぁそこはあんまり気にしないでくれ」
宮本「成る程、了解です」
高橋「じゃあまずはあそこのサッカー場の駐車場まで行こうか」
宮本「分かりました」
トラックを動き始めようと、俺はクラッチに足をかけ、ギアを握った。
トラックは平坦だとギアを2速からスタートできると知っていたので、2速にギアをチェンジしていざ走り出した!
プスン、ガゴッ、バスッ、ガタッカタッガダッ
ところが動き始めた途端、エンストをしてしまった。
宮本(あれ?いきなりエンストしたぞ?)
ちゃんと半クラッチにしたし、何も手順も間違えていないはずだったのだが何故だ?
意味がわからずもう一度俺はやり直した。
プスン、ガゴッ、バスッ、ガタッカタッガダッ
だがトラックは再びエンストしてしまった。
宮本「?????」
なんだこの車?マジで動かないじゃん。
訳が分からないので俺は高橋さんに聞いてみた。
宮本「高橋さん、このトラック全然動かないんですけど……」
高橋「……やっぱりそろそろ買い替えてもらわなあかんかもなぁ。こよ車もう35万キロ走っているからさ」
頭をポリポリと掻き毟りながら高橋さんは少し苦笑いを浮かべた。そしてその話を聞いて俺は驚愕した。
宮本「え″、このトラック35万キロも走っているんですか⁉︎」
高橋「うん、そうだよ」
けろっとした顔でそう言う高橋さんに、俺は少し恐ろしさを感じた。
宮本(よくもまぁ、ここまで乗っていたことで……)
そりゃそこまで走っていたらもうギアが終わっているに違いないわ。逆にこんなんになってもこのトラックを使う高橋さんが凄すぎるぐらいだ。
高橋「最近これで高速に乗るのがちょっと怖くなってさ。あーあ、今日新しい車買っておくれと言っておくか」
宮本「そうですよ、そうした方がいいですよ。てかその車で高速道路は怖すぎません?」
高橋「そんな事ないよ〜。ぜーんぜん大丈夫」
宮本「大丈夫ではないでしょ……」
高橋「取り敢えずこの車で練習だ!練習!さぁ、早くあのサッカー場まで走るんだ!」
宮本「まじっすか、またエンストしてしまいますよ〜!!!」
プスン、ガゴッ、バスッ、ガタッカタッガダッ
お久しぶりです。現在新たな公募用の作品の方に集中してしまっているため、なかなか連載の方が更新できていませんが、何とか週1か2ぐらいのペースで続けて行くので、何卒よろしくです。




