破章 11 シアワセとシワヨセ
図書館の帰り、君と二人で歩く。
二人で歩いていると、悪や善の話をしたときのことを思い出す。あの時は、偽善をすると言って、アイアスに会いに行ったが、その正体は天使だったと言う。僕は未だに信じられないで居た。悪魔の存在。天使の存在。そして、これから起こると言う、君への『不幸』。
「この駐車場、三人でラーメンを食べた…」
思い出の場所。と言うまではいかないが、記憶に深く根付いている場所だ。僕は此処で、本当の君を知った気がする。
「不思議だな。君と言う人間は」
きっと、君も物思いにふけっているのだろう。
「君が私に話しかけてきた時、私は君に一目惚れしていたんだ。
あの時、日記を書いていただろう?あの日記には私の夢が、欲しい物が書かれているんだ。その内の一つに…、恥ずかしいな。たくさん話をしてくれる、聞いてくれる友達が欲しいって、書いているんだ。他にも、優しい彼氏が欲しいとか。彼氏の手料理が食べたいとか。
君が私に話しかけてくれてから、今日まで、君は私の夢を叶え続けてくれてるんだ」
君は鞄の中から、日記を出して渡してくれた。僕はパラパラとページをめくる。
「君は私にとって、願いを叶える、王子様だ」
僕は、君の笑顔が眩しくて、眩しくて、涙が零れてしまった。
零れた涙が日記に落ち、インクがにじむ。
めくるページ全てが滲んで見えたのは零れた涙か、涙が浮かんだ瞳のせいか。
読心術のせいか、いや、そうじゃなくて単純に君も僕と同じ気持ちを共有していた。




